“ケータイ”ユーザーのための「X03HT」入力環境カスタマイズ(1/2 ページ)

» 2008年05月30日 21時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

ケータイユーザーに“こそ”使ってほしい「X03HT」

 日本で“スマートフォン”というと、「Windows Mobile」や「Symbian」といった汎用OSとQWERTYキーボードを搭載する携帯電話を指すことが多い(もちろん、ノキアなどのQWERTYキーを搭載しない汎用OSスマートフォンも多い)。2005年末に登場したウィルコム(とシャープ)の「W-ZERO3」によって、QWERTYキーを搭載するスマートフォンのユーザー層は一気に拡大したが、その後、製品を積極的に投入してきたのがソフトバンクモバイルだ。スライドタイプの「X01HT」と「X01T」、ストレートタイプの「X02HT」に続いて、2008年春モデルでは、スライドタイプのボディにQWERTYキーボードとダイヤルキーを搭載する「X03HT」が登場した。

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QWERTYキー&テンキーで“フツー”に使える小型Windowsケータイ――「X03HT」

ソフトバンクモバイルのHTC製端末「X03HT」は、QWERTYキーボードに加えテンキーも備えたWindows Mobile搭載機。コンパクトなボディのこのスマートフォンは、ある時はケータイ、ある時はスマートフォンとしてさまざまなシーンで利用できる。

写真で解説する「X03HT」(外見編)

ソフトバンクモバイルの「X03HT」は、OSにWM6 Standardを搭載するHTC製のスマートフォン。スライド式のQWERTYキーボードに加え、携帯電話のようなダイヤルキーをコンパクトなボディに備えた。


 X03HTはシステムメモリ(RAM)がX01HTやX02HTの2倍に相当するを128Mバイトあり、プロセッサの動作クロックは同じ400MHzなのに、X02HTと比べてX03HTで動くアプリケーションの動作は機敏だ。それを特に感じるのは、Windows Mobile標準のInternet Explorer Mobileでスクロール操作を行ったとき。X02HTのそれが「パタ、パタ、パタ」とあまりにも遅く、[8]キーでPageDownしてしまっていたのが、X03HTでは、“あの”Internet Explorer Mobileでも「スルスルスルッ」と画面をスクロールできる。X02HTユーザーには、このあたりの改善がX03HTへの乗り換えの大きな動機となるかもしれない。

 メモリ容量と内蔵するストレージ領域の増加とともにX03HTの特徴となるのが、ダイヤルキーを中心とした入力環境とQWERTYキーを中心とした入力環境を、「通常の携帯電話と同じサイズ」のボディに搭載したことだ。同様のデバイスとしてはすでにウィルコムの「Advanced/W-ZERO3 [es]」が存在するが、通常の携帯電話と比べて縦の長さがやや長く、ポケットへの収納が(不可能ではないが)難しかった。それに対して、X03HTは、幅と高さがコンパクトなので、手に持ったときの感覚やポケットやバッグにしまうときの取り回しに関しては、イマドキの携帯電話と同じように扱える。

51×106ミリのフットプリントはイマドキの携帯電話とほぼ同じだが、19.4ミリの厚さと150グラムの重さをマイナスと考える人もいるようだ。でも、この“厚さ”のおかげで実現した、X03HTの「握るようなホールド感」はとても安心できるのだ
ディスプレイ部分をスライドさせると出現するQWERTYキー。ダイヤルキーとQWERTYキーを両方搭載したデバイスとしては、すでに“アドエス”があるが、X03HTはそれよりコンパクトなサイズに収まっている

左側面には、独立した音量調節ボタンとCommManager/マナーボタンが用意されている
底面には、ストラップ取り付け穴とmini USBコネクタが用意された。X02HTにはmini USB端子にカバーがあったが、X03HTではこれがなくなっている
右側面にはカメラボタンとmicroSDスロットがある。8GバイトのmicroSDHCが標準状態で認識できる

天面には電源ボタンを備える。側面に取り付けられたボタンは、総じて“押しにくい”が、誤動作のリスクを考えるとやむを得ないだろう
裏面には200万画素のCMOSカメラを搭載する。このほか、ディスプレイ側にも30万画素の自分撮りインカメラを内蔵している
U-SIMカードスロットはバッテリーパックの下に搭載する。バッテリーパックはX02HTと共通で容量は1050mAhだ

X01HT、X02HTとこれまでのHTC Nipponのデバイスは標準状態でWindows Mobileのホーム画面が表示されていたが、X03HTでは、HTCが作成した「HTC HOME」が標準で用意され、イー・モバイルで採用されている同社の「EMONSTER」こと「S01HT」とほぼ同じデザインになった。ランチャーや着信メール件数チェックのほか、タブを切り替えて時間表示、天気予報、クイックダイヤルの表示などが行える(タブ数はS01HTの5種類に対してX03HTでは3種類用意される)。なお、画像では、すでにツールアプリを使って右ソフトキーの割り当てを変更している

3段12列キーボードの“打ち”心地は?

 このように、X03HTで注目されるダイヤルキーとQWERTYキーだが、コマンド操作や文章入力における使い勝手はそれぞれどうなのだろうか。ほかのスライドタイプのQWERTYキーボード搭載デバイスと比べてX03HTのキーピッチは狭くなっているが、親指タイピングでキーの狙いを定めるのにはさほど苦労しない。両手でボディを横向きにホールドすれば、手の位置を動かすことなく、両手親指の行動圏内にすべてのキーを無理なく収めることができる。ただ、片手入力については、普通の動かし方で反対側の縦4列分、やや無理をした動きでも反対側の縦2列分が親指の行動圏外となるため、実質的にタイプはできなかった。

 3段12列に配置されたキーボードのレイアウトは、4段10列を採用するX01HTやX02HTとはやや異なる。特に顕著なのが最下段で、4段10列レイアウトでは、最下段にスペースキーと各種機能キーが配置されていたが、X03HTでは、アルファベットの[B]キーと[N]キーの間にスペースキーが割り込み、機能キーのいくつかはアルファベットキーと[Fn]キーのコンビネーションで使うようになっている。数字の[0]キーが電話のテンキー配列とは異なる[1]キーの左脇にあるなど、変則な並びもいろいろと発生している。

 変則並びは、慣れと時間が解決してくれるが、文章入力で困ったのが「,」「.」がともに[Fn]キーとの組み合わせで入力する仕様であることと、Excelファイルの編集で使う頻度が高い[=]キーがなくなって[記号]キーから選択する扱いとなったことだ。X03HTの評価作業中に長文の原稿も作成してみたが、X01HTやX02HTと比べて固いキータッチに“やや”疲れるとともに、句読点の入力で文集作成の流れが止められることに少なからずストレスを感じてしまった。

 文章入力の際の、かな漢字変換のタイミングのくせが影響するかもしれないが、筆者は、句点、または読点まで入力してから変換をかけるため、句点や読点キーで[Fn]キーとの同時入力を求められると、自分が話している最中に声のでかい人に割り込まれて腰を折られてしまったような、そういう、なんとなく落ち着かない気持ちになってしまったのは否めない。

身長172センチ、体重80キロの成年男子の指とX03HTのキーピッチを比べる。コンパクトなボディに搭載されたQWERTYキーだが、こんな指でも親指タイピングは快適で、狙ったキーを難なく打てる。ボディの縦の長さが短いので無理な動きもいらない。問題は、変則的なキーレイアウトだ
X01HTとX03HTのキーレイアウトを比べる。3段配列のX03HTでFnキーとのコンビネーションや変則的な配列が多くなっている。意外なことに、キーボードユニットの幅はX01HTよりX03HTの方が長い

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