第2回 microSDHCでちょっと武装してみる「WILLCOM D4」ロードテスト(1/2 ページ)

» 2008年07月24日 23時50分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

photo WILLCOM D4

 「WILLCOM D4」にはmicroSDスロットが備わり、microSDHCも使える。一応、公開スペックではClass 4(4Mバイト/秒の転送速度を保証)以上には対応せず、Windows Vistaの「ReadyBoost」にも対応しないとある。ただ、試してみたら使えたのは前回のとおり。前回はClass 6のA-DATA製4GバイトmicroSDHCで試したが、もう1枚所有するClass 4のKINGMAX製4GバイトmicroSDHCでも問題なくReadyBoostを利用できた。

 それならばもっと大きい容量のものを買おう、と思いたった時になぜかそこにいたアキバの某ショップで早速Class 4のサンディスク製8GバイトmicroSDHCを購入した。USB型リーダー付きで3980円。もちろんこれでも問題なくReadyBoostは使えた。

 WILLCOM D4がClass 4以上を非対応としているのは、単に読み書き速度の限界が低いということだと思われる。そこで手元にある3種類のmicroSDHCで、内蔵スロットと外付けUSBリーダー(サンディスク製品に付属していたもの)別の読み書き速度をFDBNECHで測ってみた。

D4内蔵スロットReadWriteReadWriteRandom ReadRandom Write
4GバイトKINGMAX製 Class 469289510674287492712
A-DATA製 Class 673259854750691902752
8Gバイトサンディスク製 Class 476379751844488313523
外付けUSBリーダーReadWriteReadWriteRandom ReadRandom Write
4GバイトKINGMAX製 Class 48076119136331111822878
A-DATA製 Class 69436136517646132913155
8Gバイトサンディスク製 Class 4103301328410096130014398
※単位はKバイト/秒

 確かに内蔵microSDスロットは最大でも10Mバイト/秒を超えられず、外付けUSBリーダーよりは読み書き性能は劣る結果だった。ま、決して悪くはないパフォーマンスではあるといえるのだが。このほか、メモリカードごとの違いも外付けUSBリーダーとほぼ同じ傾向で反映された。Class 6のA-DATA製よりClass 4のサンディスク製の方が今回の結果ではおおむね性能が上だった点は興味深いところだ。

photo 今回試した3種類のmicroSDHC。8Gバイトモデルはやや割高感があると思っていたので今まで所持していなかったが、USBリーダー付きで3980円とは安くなったものだ

 読み出し速度はClass 6のA-DATA製がわずかに上回ったが、書き込み速度はClass 4のサンディスク製がトップだった。そんなわけで、WILLCOM D4に常時装着するmicroSDHCはサンディスク製に決定。せっかくなので「PCMark05」のHDD項目だけ、ReadyBoostのあり/なし別ベンチマークも行ってみた。ReadyBoostや「SuperFetch」は学習効果もあるので、3回ずつ連続で計測。また、再起動するとReadyBoost用にデータがHDDからメモリカードにコピーされるので、“ReadyBoostあり”の計測はこのコピーが完了するのを待ってから実行している。

3DMark05/HDDSCOREXP StartupApplication LoadingGeneral UsageVirus ScanFile Write
ReadyBoostなし1回目22284.5773.8263.38718.39020.706
2回目22164.6033.8523.39017.44320.960
3回目22404.6563.8043.38518.62520.794
平均22284.6123.8273.38718.15320.820
ReadyBoostあり1回目28755.6715.4195.53622.74820.883
2回目35116.5987.6359.45321.71521.244
3回目31876.3206.0909.52317.66620.805
平均31916.1966.3818.17120.71020.977
※SCORE以外の単位はKバイト/秒

 結果は上記の表のとおり。“ReadyBoostあり”が1回目から“なし”の結果を上回った。間違いなく効果はあるようだ。

 反面、実利用時においてはスコアほどの差は感じないのも事実。これはFirefoxの起動時間をいくつかの条件で計測してみても大差はない。もっとも、大規模アプリケーションでなければReadBoostの効果が少ないのはWindows Vistaの登場時から指摘されていたこと。それよりReadyBoostにはバッテリーへの影響が無視できないHDDアクセスを減らす効果がある。このため、当面はやはり「あり」で使っていくことにする。

Firefox起動起動時間
ReadyBoostなしOS起動後初回18.4秒
2回目6.7秒
3回目(キャッシュフラッシュ後)7.3秒
再開後初回12.5秒
ReadyBoostありOS起動後初回20.7秒
2回目6.5秒
3回目(キャッシュフラッシュ後)8.1秒
再開後初回10.8秒
※3回目はHDDからmicroSDHCに約500Mバイトのファイルをコピーして、ディスクキャッシュを擬似的にクリアした

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