大人の“遊び心”も忘れないハイクオリティ――「W62SH」の先進機能とブリリアントデザインの狙い(1/3 ページ)

開発陣が「どちらかというと男性向けを意識した」という「W62SH」は、au向けのシャープ製端末の中でもひときわハイスペックなモデルに仕上がっている。W62SH開発の舞台裏を、機能、デザイン、内蔵コンテンツを中心にシャープの開発担当者に聞いた。

» 2008年08月08日 10時00分 公開
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 auのシャープ製端末はこれまで、使い勝手に優れたミドルクラスの機種を中心に展開されてきたイメージが強いが、2008年夏モデルとして登場した「W62SH」は、3インチフルワイドVGA(480×854ピクセル)液晶、ワンセグ、FMラジオ、Bluetooth、FMトランスミッター、320万画素カメラ、スマートリンク辞書など、豊富な機能を備え、auの夏モデルの中でもハイスペックな機種に位置付けられる。

 特に、3インチフルワイドVGA液晶とBluetooth+FMトランスミッターの搭載はauケータイでは初めての試みで、映像や音楽をより美しくワイドな大画面で楽しめる。W62SHの多機能ぶりを引き立てるブリリアントデザインや、複数のカラーを設定できるキーバックライトなど、デザイン面でも新たなチャレンジが盛り込まれている。

 そんな新しい魅力が詰め込まれたW62SHは、どんな点にこだわって開発されたのだろうか。シャープの開発陣に話を聞いた。

Photo W62SHの開発陣。前列左から通信システム事業本部 パーソナル通信第四事業部 商品企画部 担当の都築郁雄氏、パーソナル通信第四事業部 第一ソフト開発部 主事の和田浩志氏、パーソナル通信第四事業部 商品企画部 主事の飯田麻巳氏。後列は左から通信システム事業本部 デザインセンター 係長の三好康彦氏、パーソナル通信第四事業部 第二技術部 主事の竹本貴一氏、パーソナル通信第四事業部 第一技術部 主事の川崎勲氏、パーソナル通信第四事業部 第二ソフト開発部 担当の津田雄大氏

ターゲットは30代前後のアクティブユーザー

Photo 通信システム事業本部 パーソナル通信第四事業部 商品企画部 担当の都築郁雄氏

 通信システム事業本部 パーソナル通信第四事業部 商品企画部 担当の都築郁雄氏は、W62SHのターゲットユーザーが「30代前後のアクティブユーザー」だと話してくれた。脂が乗ってきて、仕事をバリバリこなして、プライベートにも意欲的に取り組む、そんなこだわりを持っている人をイメージしたという。

 W62SHは新プラットフォームの「KCP+」対応になり、先進的な機能やデバイスを多数盛り込んだ機種ということで、これまで大人の女性ユーザーをメインターゲットにしていたW52SHなどとは異なり、どちらかというと男性向けの端末だ。そんなアクティブな男性ユーザーに満足してもらえる要素として挙がったのが、「音楽」と「映像」だ。

 「音楽はケータイに必要な機能として定着しています。そしてKDDI様がauでLISMO Videoを開始されたように、映像もケータイの機能としてより重視されるようになりました。W62SHは『音楽と映像をよりリアルに、スタイリッシュに、もちろん使いやすく』といったことをコンセプトにしました」(都築氏)

 音楽はBluetoothとFMトランスミッター、映像はフルワイドVGA液晶を搭載することで、ほかの機種よりもワンランク上の楽しみを得られる。

FMトランスミッターを搭載した理由

 auケータイはKCP+対応機が増えたこともあり、Bluetoothを搭載した機種が目立つようになってきたが、W62SHはBluetoothに加えてFMトランスミッターも搭載している。

 「W62SHの仕様を決めるにあたり、ケータイの音楽をいかにハイクオリティに、できるだけ多くのシーンで聴けるようにするかということを考えました。着うたフルのダウンロード件数も増えており、ケータイの中にだけたくさんの曲が保管されているのはもったいないのでは? と思ったのもFMトランスミッターの採用を検討した理由の1つです」(都築氏)

 ハイクオリティな音を、いかに使いやすくケータイの“外”に出すか──。その方策を考える中で、最初はスピーカー付きのクレードルを用意することなども考えたという。しかし、「外出中にはヘッドフォンを使ってケータイで音楽を聴いても、家や車の中では携帯を使って音楽を聴かないのではないか」という懸念があったことと、クレードルではサイズが小さく、スピーカーを搭載するにしても音質的にもの足りないという不満があって、採用は見送られた。

 「調査をしたところ、家で音楽を聴くときはコンポやPCを使う人が多かったんです。FMトランスミッターでコンポに音を飛ばせたら、音質もいいし、普段使っている機器だから使いやすいと考えました。車の中では音楽だけでなく、EZ助手席ナビの音声もFMトランスミッター経由でカーステレオに飛ばして聴けます。“高音質でさらに使いやすい”という2つのメリットから、FMトランスミッターの採用を決めました」(都築氏)

 FMトランスミッターを搭載するにあたって苦労したのが、同じワイヤレスミュージック機能であるBluetoothとの共存だ。BluetoothとFMトランスミッターで同時に音を出力することはできないため、W62SHではBluetooth出力しているときにFMトランスミッターをオンにしても、Bluetoothが優先される仕様になっている。

 「Bluetoothをオンにした状態でFMトランスミッターをオンにすると、Bluetoothの出力が優先されるので、FMラジオからは音が流れません。しかし初心者の方には意味が分からず、故障したと思われる可能性があるので、LISMO PlayerのピクトにFMトランスミッターのアイコンを表示させたり、(FMトランスミッターの)設定はオンになっていても出力しないときはグレーのアイコンにしたりと、お客さまが混乱しないよう配慮しています」(都築氏)

 Bluetoothのワイヤレス機器を選択した状態でFMトランスミッターをオンにすると、Bluetoothが優先される旨がメッセージがポップアップ表示されるので、「あれ? FMから音が出ない」といった混乱を防げる。

従来機種の“いいとこどり”をした「新ベールビュー」

 W62SHを語るうえで欠かせないのが、auケータイでは初となる3インチのフルワイドVGA液晶だ。映像をリッチに楽しんでもらうために搭載したというフルワイドVGA液晶だが、具体的にどのようなシーンで生きてくるのだろうか。

 「ワンセグは、今はほとんど16:9(の画面比率)で放送されているので、その映像をフルで見ていだたくために、フルワイドVGAの液晶を採用しました。解像度が高いため、PCサイトビューアー、PCドキュメントビューアーでの詳細表示はもちろん、地図、カメラで撮った写真や映像などをキレイに見られます」(都築氏)

 このディスプレイには、新機能として上下左右からののぞき見を防止する「新ベールビュー」も搭載している。

 「過去のモデルで搭載していたベールビューはハードウェア処理で、W61SHなどで採用していたプライベートフィルタはソフトウェア処理をしていました。新ベールビューはソフト処理にさらに改善を加えており、ハード的な制約もなく、かつプライベートフィルタのように自分も見えづらくなることはありません。自分は見やすいけど他人からは見づらくなるので、より使いやすくなりました」(都築氏)

 新ベールビューは、パネルを増やすのではなくソフトで処理をしているので、フィルタの自由度が高い。しかしその分調整には苦労が絶えなかったようだ。「何回もサンプル品を持ってきてもらって、どの角度からも見づらくなるよう360度くまなくチェックしました」と都築氏。新ベールビュー起動時に表示される視野ブロック画像は3種類が用意されており、端末のデザインとフィルタ性を合わせるのも大変な作業だったという。

 余談だが、KCP+端末には新ベールビューとは異なる方法で周りから画面を見づらくする方法もある。メール表示の文字サイズに「超極小」を使うのだ。これに設定すると、W62SHは1画面に最大1976文字を表示できる。フルワイドVGA液晶なので、文字は十分見られるが、周囲から内容を判別するのは困難だ。ここまで文字が小さいと、逆に読みづらくならないのだろうか。

 「例えば電車の中でメールを読むときに、隣の人の距離からは(文字が小さすぎて)見えないけど、自分からは見える……といったシーンで使えると思います。ここまで小さな文字を読むのは厳しいかもしれませんが(笑)、特に女子高生からの要望が多い機能です」(都築氏)

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提供:シャープ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年8月31日