── このラウンドデザインにはどんな意図があるのでしょうか。
山下氏 “らくらくホンがよい携帯であるのは知っている。でも、まだらくらくホンには行きたくない”。そんな微妙な心理を持つユーザーさんが多くいらっしゃるようです。使いやすさの機能とともに、それに応えられるデザインは何かをまず考えました。
1つ1つの項目に対して、やりすぎてはいけませんし、やらないと物足りない。ちょうどいい頃合いをみつけるのが非常に苦労しましたね。
背面のラウンド形状は、P706iμの例もありますから技術的に薄くすることも可能です。ただ、どんなシーンでも手元に置いておかしくないものになるよう、つかむ、持つ、握るなど、手の動きをさまざまな角度から分析して、見た目の美しさを追求しています。
笠原氏 いま携帯を購入する人にとって、(2年の継続契約条件や割賦販売制度などにより)「飽きがこない」というポイントもさらに重要になります。保守的ではあるが、決してつまらないものではない。そんな微妙なバランスで成り立つフォルムになっていると思います。
── 特にこんな人に使ってもらいたいという思いはありますか。
大北氏 余談ですが、社内の上層部にはこの“微妙な心理”の人が多いのです。この重要な「口うるさくもすばらしい先輩たち」の意見も多分に取り入れながら開発してきました。
私は今までの携帯でも文字が見にくいと思ったことはありませんでしたが、実際にP706ieを使うと、改めて「あ、いい」と感じられ、今までなぜなかったのかと思うようになりました。
このことは、携帯のさまざまな機能や先進デザインと違い、カタログや口頭で伝わりにくい箇所でもあります。この“使いやすさ”をまずは使ってみていただきたい──それだけ自信があるものに仕上がったと思います。
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