別の記事でも書いたとおり、三菱端末が店頭から消えつつある中、“D”ユーザーは、いつか他の端末への乗り換えを検討しなければならない。スライドから離れられないなら、夏モデルの選択肢はLG電子の「L705i」やシャープの「SH706i」「SH706iw」になるが、“D”のソフトウェアが気に入っているなら“富士通端末”という選択肢もある。富士通と三菱電機はソフトウェアを共同開発していたので、機能面の共通点が多いのだ。
待受画面上にスケジュールや新着情報を表示できる「待受カスタマイズ」、手持ちの画像をランダムに待受画面に表示する「ランダムイメージ設定」をはじめとする、かなり多くの機能が富士通端末にも搭載され、使い勝手にも共通点が多い。
そこで「D905i」を使っていた筆者が、「F906i」を試してみることにした。富士通端末を普段使いにするのは「F904i」以来だ。
F906iをさわっていて驚いたのが、待受状態からメニューをたどることなく、各種機能にアクセスできるようにする仕組みの多さだ。
そもそも、待受カスタマイズを設定すれば、カレンダーやスケジュール、通話やメールの着信、メモに待受画面からアクセスでき、ソフトキーの単押しや長押し、十字キーの単押しや長押しにも、さまざまな機能が割り当てられている。ダイヤルキーの下部には[サーチ]キーと[TV]キーがあり、さらにヨコモーションの左右にもそれぞれ機能を割り当て可能だ。ダイヤルキーを長押しすれば、カスタムメニューに設定した機能にもアクセスできる。
キー | 単押し | 長押し |
---|---|---|
左上ソフトキー | メニュー | HOLD |
左下ソフトキー | iモード | iアプリフォルダ一覧 |
右上ソフトキー | カメラ(静止画) | カメラ(動画) |
右下ソフトキー | メール | 新規メール作成 |
十字キー上 | スケジュール | 目覚まし |
十字キー右 | リダイヤル | ICカードロック |
十字キー下 | 電話帳 | アドレス帳新規登録 |
十字キー左 | 着信履歴 | 着信履歴 |
そしてF906iに新たに加わったのが、「待受ショートカット」。ディスプレイ下部によく使う機能や連絡先、フォルダ、画像、アプリなどを最大15件まで貼り付けられるもので、auのKCP+端末に搭載されている「待受ショートカット」と同様の機能だ。さらに、数字キーを押して上十字キーを押せば、カウントダウンタイマーが起動。インスタントラーメンを食べようと思ったときにも、[3]キー+上十字キーですむのは、かなり便利だ。
これだけ端末を開いた状態からダイレクトにアクセスできる手段が用意されているので、たいがいの人は、よく使う機能さえ設定しておけば、メニューを開くことなしに必要な機能を立ち上げられる。スライド型に慣れきって“端末を開くのすら面倒”というものぐさな筆者でも、開くだけでここまでできるのなら「便利に使えるかも」……と思ったりするわけだ。
こうしたF906iの“メイン画面から何にでもアクセス”というアプローチは、個人的にはPCのそれに似ている印象を受けた。ケータイが多機能化する中、PC開発も手がける富士通なりの1つの回答なのかもしれない。
富士通と三菱がソフトを共同開発していたことによるメリットは、メールの移行時にも享受できる。メールをフォルダ分けしている場合、移行先にも同じフォルダを作成しておけば、振り分けた状態でメールが保存されるのだ。
例えば移行元の三菱端末に「仕事」「友達」「家族」という受信フォルダがあった場合、移行先の富士通端末に同じ順番で同じフォルダを同じ並び順で作成しておけば、それぞれのフォルダ内にメールが移動する。前の端末のメールを新端末に保存したい人にはけっこう便利な仕様だ。
なお、振り分け設定自体は移行できないので、新端末側で新たに設定する必要がある。これもそろそろ、ドコモ共通仕様で移行できるようになってほしいと思ったりする。
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