5分で分かる、今週のモバイル事情8月9日〜8月15日

» 2008年08月15日 16時07分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

au design projectのコンセプトモデル「PLY」はこうして生まれた――トークショー開催

 8月8日、KDDIデザイニングスタジオで、au design projectの新コンセプトモデル「PLY」のトークイベントが開催された。イベントにはPLYのデザインを担当した神原秀夫氏と、同氏の大学の同級生でクリエイターの鈴木康広氏が登場し、PLYのテーマである“層”についての思いを語った。

Photo PLYをデザインしたプロダクトデザイナーの神原秀夫氏(左)と、同氏の大学時代の同級生だったというクリエイターの鈴木康広氏(右)

Photo ケータイの過去や未来、さまざまな色、そして機能――。ケータイにまつわるさまざまな要素を“層”の積み重ねで表現した、au design projectのコンセプトモデル「PLY」

 神原氏は、ケータイのコンセプトモデルをデザインするにあたり、「いつまも古くならない普遍的なデザインとはどういうものかを考えるのに時間がかった」と振り返り、“過去のケータイのデザインに自分が重ねていくもの、乗せていくもの”という発想からPLYが生まれたと説明。「これまでデザイナーが積み上げてきたものに感謝し、その歴史の上に未来を重ねる」というコンセプトで開発したという。

 PLYの層にはケータイの過去や未来に加え、さまざまな色や機能を積み重ねられると神原氏。鈴木氏は、層にちなんだ自身の作品を披露するとともに、“層”に対する思いとデザインの関連性を次のように説明している。

 「地面も切ると地層が見える。僕たちは今、生きている地面を見ているが、昔の人はその下の層を見ていた。そして地面を切ったときに昔の地層を見て初めて『ああ』と思う。たぶん“気が付く”ということは、何かの拍子で切られたということではないか。物事の断面を垣間見たときに『あれ?』と思う。こうした新しい切り口を見つけることが、物を作るだけではない、デザインという“気づき”の瞬間を作ることになるのではないか」(鈴木氏)

ドコモ、使いやすさに配慮した「706ieシリーズ」3モデルを発売

 NTTドコモが、使いやすさに配慮した「706ieシリーズ」の発売日を発表した。8月15日に「P706ie」と「N706ie」、8月19日に「SH706ie」が店頭に並ぶ。同シリーズの端末は、すでに「L706ie」が店頭に並んでいる。

Photo 8月15日発売の「N706ie」

Photo 8月15日発売の「P706ie」

Photo 8月19日発売の「SH706ie」

Photo すでに発売中の「L706ie」

 使いやすさに配慮した携帯電話としては富士通の「らくらくホンシリーズ」が有名だが、シニア向けという印象が根強く、利用者が購入するのに抵抗を感じる面もあった。706ieシリーズは、こうしたイメージを極力排し、多彩なアプローチの使いやすさを全面に押し出すことで、幅広い年代層にアピールする。

 なお富士通も、らくらくホンシリーズのデザインにデザイナーの原研哉氏を起用したり、ハイエンドモデルの「らくらくホン プレミアム」を投入したりといった施策で、ユーザー層の拡大を目指している。

イー・アクセス、日本通信が決算発表

 8月12日、イー・アクセスが2009年3月期第1四半期の決算を発表した。売上高が前年同期比91億5400万円増の242億5800万円、営業利益が前年同期比50億300万円増の34億9700万円で増収増益となった。

 同社の子会社でモバイル事業を展開するイー・モバイルは、第1四半期に約21%の純増シェアを確保し、6月末の累計契約数は60万3000契約。一部の家電量販店で実施しているミニPCとデータカードのセット販売が好調に推移しているという。なお同社は8月13日、ADSLサービス「EMOBILE HomeAccess」と、EMモバイルブロードバンド契約者向けの「ADSLセットサービス」で、下り最大12Mbps、上り最大1Mbpsのサービスを開始することを発表している。

 また8月14日には、MVNOとして携帯電話事業を展開する日本通信が第1四半期の決算を発表。売上高は前年同期比32.5%減の6億3900万円、営業利益は2億7000万の赤字で(前年同期は1億9400億円の赤字)、第1四半期を減収減益で終えた。

 売上高の減少について同社は、主力事業として展開するデータ通信サービスで3Gの導入が遅れたことを理由に挙げている。6月13日のドコモとの最終合意を受けて8月6日に両社間で接続協定を締結し、8月7日からFOMA網を利用したデータ通信サービス「b-mobile 3G」を開始したが、第1四半期中に3Gサービスを開始できなかったことや、3Gサービス待ちの買い控えが売り上げに影響を及ぼした。

ビックカメラが使用済みケータイの回収・リサイクル

 ビックカメラが8月12日から、全国27店舗で使用済みケータイの回収・リサイクルを開始した。希少金属の回収や不正利用の防止を目的に行うもので、同社は実施にあたり、電気通信事業者協会と情報通信ネットワーク産業協会が構築した「モバイル・リサイクル・ネットワーク」に参加。通信キャリアと連携し、情報セキュリティに配慮して回収や資源回収、再利用を行う。

 電気通信事業者協会が発表した、2007年度の携帯端末リサイクルの実績によると、携帯電話/PHS端末本体の回収台数は644万3000台(回収重量544トン)で、2006年度から17万9000台減少。2000年度の1361万5000台をピークに減少傾向が続いている。また、Nokiaがフィンランド、ドイツ、イタリア、ロシア、スウェーデン、英国、アラブ首長国連邦、米国、ナイジェリア、インド、中国、インドネシア、ブラジルの計13カ国、6500人を対象に実施した調査では、古い携帯をリサイクルしているのはわずか3%にすぎないという結果も出ている。

 ネットエイジアの調査によると、古い端末を持ち続ける理由は、「端末に残している写真など思い出として取っておきたいから」という回答が54.5%でトップ。次いで「個人情報の流出が怖いから」が41.5%となっている。


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