第5回 けっこう使える“F”のスケジュール機能「F906i」ロードテスト

» 2008年09月02日 00時10分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo 富士通製の「F906i」

 私の周りで、ケータイに搭載されているスケジュール機能を使っている人はほとんど皆無といっていい。(1)PCで使っているスケジューラとの同期が面倒 (2)セキュリティが不安 (3)ケータイのスケジュールは一覧性に優れていない (4)いちいちケータイに入力するのが面倒……など、理由はさまざまだ。

 この中の(1)については、すぐ解決する問題ではないが、その他については、「F906i」なら端末機能と使い方の工夫で解決できるような気がしている。

※(1)のPCで使っているスケジューラとの同期については、F906iに同梱されるPC向けソフトウェア「ドコモケータイdatalink」を使えば、Outlookとケータイ間でデータをやりとりできる。また、CSV形式のデータ書き出しに対応するスケジューラなら、それをドコモケータイdatalink経由でケータイに取り込める

 今回はF906iの結構便利なスケジュール機能を見ていこう。

[1]キーと[3]キーで予定を拡大/縮小――VGA時代のスケジュール機能

 F906iのスケジュール機能には、ディスプレイのVGA化を生かした工夫が盛り込まれている。初期状態ではF906iも、上部にマス目型のカレンダーが表示され、その下にその日の予定が表示されるという一般的なものだが、ディスプレイ部を横に傾けると、その日の予定と時間がマス目の中に表示されるモードに切り替わる。その日の予定を確認するなら縦画面、1カ月の予定を概観したいなら横画面というように、メニューをたどることなく予定の詳細を確認できる。

Photo 初期状態の縦画面と横画面。ディスプレイを横に傾けると、1カ月の予定を概観できる表示に切り替わる

 縦画面も設定を変えると、カレンダーのマス目の中にその日の予定が表示されるようになる。表示は「ウイークリー拡大モード」と「デイリー拡大モード」から選択可能。ウイークリーモードはその週の予定のマス目を大きく表示するもので、その週にどんな予定が何件入っているかを一目で把握できる。「デイリーモード」は、均等に分けられたマス目の中に、1日最大2件の予定とその時間(時間を指定しない予定なら最大4件まで)を表示するもので、1カ月の予定を概観するのに役立つ。

 いずれも、スケジュールの一覧画面を表示している際に[3]キーを押すと段階的に拡大表示され、[1]キーで縮小できるなど([2]キーで等倍に戻る)、詳細を確認しやすいのもポイントだ。

Photo カレンダーモードの設定画面(左)とウイークリー拡大モード時(中)、デイリー拡大モード時(右)の画面。設定画面にはスケジュール画面(1カ月分の表示画面)から左上ソフトキー([Menu]キー)を押し、「設定」→「カレンダーモード設定」を選んでアクセスする


  • ↓拡大モード時には[3]キーで拡大、[1]キーで縮小できる

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待受画面から予定を入力、合わせ技でらくらくスケジュール確認

 F906iには、スケジュール機能を立ち上げて、予定を入力して――という手順が面倒な人向けの便利な機能もある。クイックスケジュール機能だ。例えば8月31日15時30分から始まる予定を入力する場合、待受画面で「08311530」と入力して上十字キーを押すと、日時が入力されたスケジュールの入力画面が表示される。あとは具体的な「予定」と、概要を入力して「登録」(右上ソフトキー)を押すだけで、予定を入力できる。

Photo 8月31日15時30分からの予定を入力する場合、待受画面で「08311530」と入力して上十字キーを押すだけで、日付と時間が入ったスケジュールの入力画面が現れる

 私は概要を入力するのが面倒なので、場所や連絡先などの詳細はPCからケータイにメールで送信するようにしている。会社のPCから送信したメールを「受信フォルダ」内に作った「仕事予定」フォルダ内に入るように設定し、そのフォルダを「待受ショートカット」に設定しておけば、待受画面上で予定を確認し、待受ショートカットから詳細を見る――といったように、スケジュールを“メニューをたどらず予定と詳細を確認できる”ものぐさ仕様にカスタマイズできる。

Photo 待受カスタマイズとメールのフォルダ振り分け、待受ショートカットの合わせ技で“ものぐさ”仕様に。待受画面上で直近の予定を確認し、詳細は待受ショートカットから「仕事予定」フォルダにアクセスしてチェックする

指紋認証とシークレット属性の設定で情報を保護

 プライバシー情報が満載のスケジュールは、他人に見られたくないもの。できればしっかりガードして、その危険性をなくしたいところだ。

 F906iは指紋認証によるロック機能があり、「開閉ロック」を設定すれば、端末を開いたときに指紋や暗証番号を入力しなければ内部データにアクセスできなくなる。開閉のたびに認証操作をするのが面倒でなければ、これを設定すればいい。

Photo 「開閉ロック」を設定すれば、端末を開くたびに認証が必要となり、端末内の情報を保護できる

 任意の予定のみを“見えないようにしたい”という人にお勧めなのが「シークレット属性」の設定だ。

 この機能を使うには、まず「プライバシーモード」を設定する必要がある。「Menu」→「設定/NWサービス」→「セキュリティ/ロック」→「プライバシーモード」にアクセスし、「プライバシーモード起動設定」で「標準」を選んで右上ソフトキーの「登録」を押す。これは、プライバシーモードのオン/オフ(情報の非表示/表示)の方法を選ぶもので、「標準」は待受時に左十字キーの長押しで切り替えが可能。もっと複雑な方法にしたいなら「操作非表示」を選ぶといいだろう。

Photo 任意の予定の表示/非表示を切り替えるための設定。私は複雑な操作は面倒なので「標準」を選択。ワケアリでがっちりガードしたい人は「操作非表示」を選ぶといいだろう

 次に「その他の表示設定」(「Menu」→「設定/NWサービス」→「セキュリティ/ロック」→「プライバシーモード」)にアクセスし、スケジュールの項目で「指定スケジュール非表示」を選ぶ。これはプライバシーモードをオンにしたときに、すべての情報を非表示にするのか、指定したスケジュールだけを見えなくするのかを選ぶもので、前者の場合は「認証後に表示」、後者なら「指定スケジュール非表示」を選べばいい。私は全ての予定が見えなくなると困るので、任意の予定のみを非表示にする「指定スケジュール非表示」を選んでみた。スケジュールを隠すための設定は、これで終了だ。

Photo 「その他の表示設定」の画面。予定以外にも隠したい情報があるなら、合わせて設定しておくといいだろう

 あとは入力した予定の中から、非表示にしたい予定を表示して「Menu」(左上ソフトキー)→「シークレット属性設定」を選ぶだけだ。

 このように設定すれば、待受時に左十字キーを長押しするとプライバシーモードが起動し、シークレット属性を設定した予定は表示されなくなる。予定を確認する際には左十字キーを押してプライバシーモードを解除し、指紋か暗証番号で認証を行えば、隠した予定が表示される。

Photo シークレット属性の設定画面。スケジュールから隠したい予定を呼び出してシークレット属性を設定する(左)。左はプライバシーモードをオフにしたときの表示で、右は左十字キーを押してオンにしたところ。右の画面では隠した「粗大ゴミ」と「夏期休暇」が非表示になっている

 、F906iのスケジュール機能は、カスタマイズ次第で面白い使い方ができる。ものぐさな私でも使い続けているくらいなので、普通の人ならけっこう便利に使えるのではないだろうか。

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2024年03月29日 更新
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