日本初のMVNOとして、さまざまなモバイルインターネット接続サービスを提供している日本通信から「b-mobile3G hours150」(bモバイル3G アワーズ150)が登場した。ドコモのFOMAネットワークを利用する初のプリペイドサービスという点でも話題だが、そのほかにも多くの可能性を秘めている。
日本通信が発売した「b-mobile3G hours150」(bモバイル3G アワーズ150)は、ドコモのFOMAネットワークを使用するプリペイドタイプの高速インターネット接続サービス。同社は自社網を持たないMVNOとして、従来からウィルコムのPHS網を使った同種のサービスを“b-mobile”ブランドで提供している。今回のb-mobile3Gも、提供形態は基本的に同じだ。
初回導入パッケージには、PCと接続する通信モジュールと接続料金が含まれており、接続料金を使い切ったら更新パッケージとして接続料金のみを購入して利用する。またISPに相当する役割も日本通信が担うため、別途インターネットへの接続料金は必要ない。
パッケージに含まれる接続料金は150時間分までで、登録から480日(1年4カ月)間有効。150時間分を使い切らなくても、利用期限を迎えると接続できなくなる。同社直販価格は3万9900円で、大手家電量販店でも同程度の価格で販売されている。
付属の通信モジュールは中国の大手通信機器ベンダーであるZTE製で、下り最大3.6Mbpsでの通信が可能なHSDPA方式を採用した。ボディはUSBスティックタイプで、PCのUSB端子に直接接続できる。対応OSはWindows XP SP2以降/Windows Vistaと、Mac OS X v10.3/Mac OS X v10.4/Mac OS X v10.5。
パッケージには、設定不要でインターネット接続や利用時間の管理などが行えるユーティリティソフト「b-Access」のWindows版が付属する。Mac OS X版は現時点(2008年9月)で準備中のため、Macで利用するには手動でダイヤルアップ接続を設定する必要がある。
b-mobile3Gの特徴は、ウィルコムネットワークを利用したb-mobileから通信速度が大幅に高速化され、利用エリアが拡大した点だ。HSDPAに対応したFOMAハイスピードエリアでは受信最大3.6Mbps、HSDPA非対応エリアでも受信最大384Kbpsでの高速通信が行える。
ドコモのFOMAネットワークは、すでに人口カバー率100%に達している。通信モジュールも2GHz帯に加えてFOMAプラスエリアの800MHz帯にも対応しているので、FOMAの全サービスエリアで利用できる。なおドコモは、東名阪においてFOMA用に1.7GHz帯も使用しているが、これは基本的に2GHz帯の容量不足を補うためのもの。FOMAのエリアマップに1.7GHz帯に関する注記等がないことでも分かるとおり、原則として1.7GHz帯でしか利用できない場所は存在しないのだ。
使い勝手も従来のb-mobile同様に簡単だ。Windows PCでは、付属CD-ROMからソフトをインストールし、画面の指示に従って携帯電話もしくはPHSから開通手続きを行う。この開通手続きにより本人確認を行うので、携帯電話あるいはPHSからの発信が必須だ。なお一般回線から手続きする場合は、オペレーターが対応する。
あとは、通信モジュールをPCのUSB端子に接続するとドライバがインストールされて利用可能になる。その後、「b-access」のウインドウ内にある“3G Access”ボタンをクリックすれば、インターネットに接続し、再度クリックすればインターネットから切断される。ダイヤルアップ接続の設定なはも一切必要ない。
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