PASMO、1年5カ月で1000万枚突破――FeliCa決済利用状況(7〜8月版) 一番使われているFeliCa電子マネーは?

» 2008年09月26日 17時49分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 FeliCaを利用した各種決済方式(前払い電子マネー、クレジット)の利用状況について掲載している本記事。今回は7月末、8月末時点での数字を、2カ月分まとめてお伝えする。なお今回より、5月18日より福岡エリアでスタートした西鉄のIC乗車券「nimoca」(参照記事)についても掲載する。

PASMO、流通枚数1000万枚を突破

 以下の表では、FeliCaを利用した決済方式のうち、電子マネー(前払いでお金をチャージし、そこから減算して利用する)の利用状況をまとめている。以下、各社の累積発行数と月間利用回数を見ていこう。

 前回(6月末の数字)同様、累積発行数(PASMOとnimocaは流通枚数)がもっとも多いのはEdyで、7月/8月の数字は4180万/4250万枚。このうちそれぞれ820万/830万件はおサイフケータイでの利用となっており、おサイフケータイで利用されているFeliCa決済サービスとしても、Edyはもっとも数が多いといえる。

 月間利用回数ではnanacoの3100万/3000万件が変わらずトップで、6月末の2800万件から大きく増えている。次に多いのはEdyで2550万/2400万件。

 ただし3番目に多いSuicaの利用件数は、正確な数字が分からない。JR東日本では以前から、Suicaだけでなく相互利用が可能なPASMO/ICOCAを加えた月間利用件数を発表しているため、本記事では毎月、編集部でPASMO/ICOCAの利用件数を引いた数字を載せている。しかしJR東は7月末調査分より、PASMO/ICOCAに加え、nimocaも加えた数字を発表することにした。nimocaはまだ月間利用件数が分からないため、表で示した2531万4000/2372万9000という数字は、Suicaとnimocaの利用可能件数を足したものである。ちなみにSuicaとnimocaはまだ相互利用を行えず、電子マネーとして相互利用が可能になるのは2010年春以降の予定だ。

 8月末の数字で注目したいのは、PASMOの流通枚数が1000万枚を超えていること(参照記事)。PASMOは2007年3月にサービスをスタートし(参照記事)、1年5カ月というハイペースでこの数字を達成したことになる。

 なおPASMOは、7月から8月にかけて利用可能店舗数が1000店以上増えている。これは東急電鉄との業務提携により、コンビニエンスストアam/pmの全店舗でPASMOが利用可能になったことが大きい(参照記事)

 5月18日に福岡エリアでスタートした西鉄のnimocaは、開始3カ月で流通枚数10万枚を突破している。

7月末調査数字

サービス名 事業者名 発行枚数(おサイフケータイ分) 加盟店数 リーダー/ライター台数 月間利用件数 いつ時点の数字か 備考(※)
Edy ビットワレット 4180万枚(820万) 7万7000店 非公表 2550万件 7月末 Edy決済が利用できるWebサイトは5000超
ICOCA JR西日本 383万枚(なし) 7220店※ 非公表 83万6000件 7月末 利用可能店舗数からSuica加盟店を引いた数
nanaco セブン&アイHLDGS 613万件(92万) 2万0138店※ 非公表 3100万件 7月末 セブン-イレブン1万2016店、デニーズ569店、イトーヨーカドー175店を含む
PASMO PASMO協議会加盟事業者 973万枚※(なし) 6158店 非公表 751万件 7月末 累積発行枚数ではなく、流通枚数のため、回収したPASMOは含まれない
Suica JR東日本 2562万枚(117万人) 3万8940店※ 9万5070台 2531万4000件※ 7月末 相互利用できるPASMO、ICOCA加盟店を加えると5万2320店。利用件数は発表数字の3366万件からPASMO、ICOCAを引いて算出した数で、nimocaの利用件数(未発表)を含む
WAON イオン 530万枚(非公表) 2万5000店 非公表 920万件 7月末
nimoca 西鉄 9万6937枚※ 非公表 非公表 7月末 累積発行枚数ではなく、流通枚数なので、回収したnimocaは含まれない

8月末調査数字

サービス名 事業者名 発行枚数(おサイフケータイ分) 利用可能店舗数 リーダー/ライター台数 月間利用件数 いつ時点の数字か 備考(※)
Edy ビットワレット 4250万枚(830万) 7万9000店 非公表 2400万件 8月末 Edy決済が利用できるWebサイトは約5000
ICOCA JR西日本 388万枚(なし) 7240店※ 非公表 80万1000件 8月末 Suica加盟店を引いた数
nanaco セブン&アイHLDGS 613万件(92万) 2万0138店※ 非公表 3100万件 8月末 セブン-イレブン1万2099店、デニーズ547店、イトーヨーカドー175店を含む
PASMO PASMO協議会加盟事業者 1100万枚※(なし) 7244店 非公表 794万件 8月末 累積発行枚数ではなく、流通枚数なので、回収したPASMOは含まれない
Suica JR東日本 2591万枚(122万人) 3万9270店※ 9万5540台 2372万9000件※ 8月末 相互利用できるPASMO、ICOCA加盟店を加えると5万2650店。利用件数は発表数字の3247万件からPASMO、ICOCAを引いて算出した数で、相互利用できないnimocaの利用件数(非公表)を含む
WAON イオン 560万枚(非公表) 2万6000店 非公表 1020万件 8月末
nimoca 西鉄 10万5897枚※ 560店 非公表 非公表 8月末 累積発行枚数ではなく、流通枚数なので、回収したnimocaは含まれない

iDユーザーが大幅に増加

 下表では、後払い式のFeliCa決済サービスの利用状況をまとめた。3カ月毎に集計を行うDCMX/DCMX mini(iDのモバイル会員数)とVISA TOUCH/スマートプラスについては、引き続き6月末の数字を掲載している。

 6月末に会員数が777万人だったiDは、7月末にかけて42万人、8月末にかけてさらに41万人ずつ増えており、非常に好調に会員獲得が進んでいる。iDが利用できるコンビニが増えてきたことに加え、7月1日から東京23区内のマクドナルドで「かざすクーポン」と合わせて利用できるようになった(参照記事)。使える場所が目に見えて増え、しかもクーポンという強い動機付けができたことにより、ユーザーが増えたと見ていいだろう。

 発行会社数を見ると、iDが6月の63社から65社に増えた。新しくiD対応のクレジット発行を開始したのは、山梨中央銀行とセントラルファイナンスの2社。

7月末調査数字

サービス名 事業者名 会員数(おサイフケータイ分) 利用可能店舗数 リーダー/ライター台数 月間利用件数 発行会社数 備考(※)
iD NTTドコモ、三井住友カード他 819万人(644万人) 非公表 35万台 非公表 65社 7月末の数字。携帯ユーザーはDCMX/DCMX miniユーザー数(2008年6月末)から推定
PiTaPa スルッとKANSAI 115万人 1万8000店超 非公表 2700万件 19社 7月末の数字
QUICPay JCB、トヨタファイナンス他 432万人 非公表 15万台 非公表 15社 7月末の数字
VISATOUCH
スマートプラス
三菱UFJニコス※ 59万人 非公表 4万9000台 非公表 61社 6月末の数字(発行会社数は三菱UFJグループとして発行している分)

8月末調査数字

サービス名 事業者名 会員数(おサイフケータイ分) 利用可能店舗数 リーダー/ライター台数 月間利用件数 発行会社数 備考(※)
iD NTTドコモ、三井住友カード他 860万人(644万人) 非公表 36万台 非公表 65社 8月末の数字。携帯ユーザーはDCMX/DCMX miniユーザー数(2008年6月末)から推定
PiTaPa スルッとKANSAI 116万9000人 1万8000店超 非公表 2700万件 19社 8月末の数字
QUICPay JCB、トヨタファイナンス他 435万人 非公表 15万1000台 非公表 調査中 8月末の数字
VISATOUCH
スマートプラス
三菱UFJニコス※ 59万人 非公表 4万9000台 非公表 61社 6月末の数字(発行会社数は三菱UFJグループとして発行している分)

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