KDDI、“空間透視”や“カメラで操作”、世界仕様ケータイクレジットなど次世代技術を展示CEATEC JAPAN 2008(1/2 ページ)

» 2008年10月02日 08時26分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 CEATEC JAPAN 2008のKDDIブースでは、6軸センサーやカメラ、マイクとスピーカー、SIMなど、すでにケータイに採用されているデバイスや仕組みを応用した、新しいインタフェースなどが展示されている。また、IP経由でコンテンツを遠隔地の基地局に送信できる「ワンセグエリア放送システム」も展示していた。

目的地が見えなくても、レーダーのように3D表示――実空間透視ケータイ

 「実空間透視ケータイ」は、ケータイに搭載されているGPSや地磁気/加速度センサーを使ってユーザーの現在地や向きを認識し、必要な情報をそこから見える範囲で3D表示するアプリ。端末内の地図には目的の場所や建物が登録されており、目的地が見えなくてもレーダー画面のように現在地からの向きや距離を“透視”するように表示できる。

photophotophoto 実空間透視ケータイ。例え視界が遮られていても、現在地から見えるはずの目的地やランドマークを立体的に表示する。ケータイを動かすと表示される3D地図もリアルタイムで変化する

photophotophoto 地図上のアイコンから「ぐるなび」の店舗情報にアクセスできる。また、移動速度から、カロリーを測定することも可能

 例えば地下鉄駅から地上に出た際、自分が居る場所と向いている方向が分からないことに加え、樹木や建物で視界が遮られてしまい目的地が近くても迷ってしまうことがある。GPSや地磁気コンパスを搭載したケータイであれば現在地と向きが分かるうえ、さらに実空間透視ケータイ技術を使うと、見えていないはずの目的地を画面上に表示できる。デモでは、会場となった幕張メッセ内外の主な施設のほか、会場内にある(見えないはずの)他社ブースの位置も透視でき、自分がどこにいるのか、○○のブースまでどれくらい離れているのか手に取るように分かった。

 現在は手動で地図情報を登録しているが、将来はネット上にある地図コンテンツから近辺の情報を自動的に取得したり、待ち合わせ相手が送ったジオタグを元に相手までの方向と距離をリアルタイムに表示させることも可能になるという。また、地図に登録されている飲食店は「ぐるなび」へのリンクが設定されており、店舗や施設のより詳しい情報も入手できる。

 また、ユーザーが移動した経緯が分かるため、どんな方法(走行/歩行/自転車/停止/自動車/バス/電車)で移動したのか、またその際のカロリーはどれくらいなのかを測定することもできるという。

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Get Macromedia FLASH PLAYER KDDIの実空間透視ケータイ技術。ケータイの向きを変えると、その方向にある建物やランドマークまでの距離を立体的に表示する

(このムービーをご利用いただくにはFLASHプラグイン(バージョン8以上)が必要です。ムービーはこちらからでも参照できます)

カメラを使って直感的な操作を可能に

photo ケータイカメラを利用した直感コントローラー

 「ケータイカメラを利用した直感コントローラー」は、カメラが移す映像の変化からユーザーの動きを相対的に察知し、画面内の操作を行おうという技術。手首のスナップしてケータイを傾けることで上下左右の入力が行えるほか、横回転や腕を伸ばしたり縮めたりしてのズームイン/ズームアウトも可能だ。

 ケータイでPCでマウスを使うような直感操作を行えるが、利用するデバイスはカメラのみ。加速度センサーやタッチセンサー、ジョグホイールやジョグダイヤルといった操作用ハードウェアを付加しなくてもよいのが特徴。会場では、3D空間の視点を自由に動かす「3Dモデルビューアー」、3D空間内を行き来して通路を抜ける「3Dナビ」、画像のスライドショーや拡大縮小をケータイの動きで行う「画像一覧ビューワー」、ケータイを傾けることでカーソルを動かす「文字入力UI」をデモしている。

 この技術は動きの検出にカメラを使うため、カメラをふさぐようにケータイを持ってしまうと、うまく動かない。また、真っ白い壁など動いていても映像に変化がない景色を前にしたときや、強い光が差し込んでいる状態、移動中の電車や車の中など景色のほうが動く場合もうまく動かないという。

 実用化までのハードルはまだまだ多いがカメラさえ付いていればソフト的に実現できるため、ローエンドモデルでもさまざまな著感的なインタフェースを提供できるのが利点だという。

photophotophoto 萌え系キャラのダンスをいろんな角度から眺めてみる「3Dモデルビューアー」。ケータイの向きでどんな角度から見ようとしているのか一目瞭然(りょうぜん)なので、よからぬ方向から見ていると周囲にモロバレ

photophotophoto 立体空間を一人称視点で動く「3Dナビ」(写真=左)、ダイヤルキー1つとケータイの傾きで50音を入力する「文字入力UI」(写真=中央)、ケータイを動かしてフォトビューワーの画像をめくる「画像一覧ビューワー」(写真=右)

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Get Macromedia FLASH PLAYER KDDIのケータイカメラを利用した直感コントローラー。カメラ映像からケータイの動きを検出し、アナログ入力を行う

(このムービーをご利用いただくにはFLASHプラグイン(バージョン8以上)が必要です。ムービーはこちらからでも参照できます)

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