アイアンマン「君たちが追っていたのは私だよ」Mobile&Movie 第327回

» 2008年10月17日 14時53分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名アイアンマン(IRON MAN)
監督ジョン・ファブロー
制作年・製作国2008年アメリカ作品


 今回ご紹介する作品は、人気のアメリカンコミックが原作の『アイアンマン』。軍事企業の社長で、天才発明家である主人公が、自ら開発したパワースーツを装着して敵と戦います。このパワースーツは最新のテクノロジーを搭載した、最強の“モバイルマシン”でもあるのです。

 世界的な軍事企業スターク・インダストリーの社長であるトニー(ロバート・ダウニーJR.)は、莫大な富を築いたセレブリティ。ありとあらゆるメディアに取り上げられ、そのキャクラクターと奔放な発言が注目を浴びていました。

 大企業の社長として身勝手な行動を繰り返すトニーを支えるのが、誠実な秘書のペッパー(グゥイネス・パルトロウ)。また、米軍の武器部門の担当であるローディ(テレンス・ハワード)も、トニーが心を許せる数少ない友のひとりでした。

 スターク・インダストリーの新兵器を実験するため、トニーはローディとともにアフガニスタンに向かうことに。今までの何倍も殺傷能力が高い、このミサイルが米軍に採用されれば、トニーの会社には大きな利益がもたらされます。トニーは会社の躍進を確信しながら、陽気に米軍の兵士たちとの会話を楽しんでいました。

 そんな時、トニーが乗っていた車が何者かに襲撃されます。逃げ惑うトニーを、武装テロ集団が追いかけてきます。皮肉にもテロリスト達が手にしていたのは、スターク・インダストリーの兵器でした。

 襲撃によって深い傷を負ったトニーは、テロリストたちのアジトに拉致されてしまいます。テロリストの狙いは、米軍に売ろうとした最新ミサイルと同じものを、トニーに作らせること。監禁されていた科学者のインセン(ショーン・トーブ)とともに、トニーはやむなく兵器を製造します。しかし、監視の目をごまかしながら作っていたのはミサイルではなく、脱出するためのパワードスーツ。トニーはミサイル用に用意されたパーツを使い、頑丈で飛行可能なスーツを作り上げたのでした。

 スーツの力で、何とかテロリストのもとから脱出したトニー。自社の製品で命を狙われた経験から、トニーの心は大きく変化し、“武器はもう売らない”と決めたのでした。

 アフガニスタンから生きて帰ってきたことを喜んだペッパーとローディは、トニーの心境の変化に驚きます。マスコミに武器の取引を停止するとトニーが発表してしまったのです。スターク・インダストリーの幹部であるスタイン(ジェフ・ブリッジス)は、トニーが誘拐で受けた苦痛が残っているからだと説得し、トニーは休暇を取ることに。

 休暇の間、トニーは、アフガニスタンで作ったパワードスーツの改良版の製作に夢中になっていました。さらに高度な技術を搭載し、安定した飛行ができるボディに改造。そしてスーツを装着後、テスト飛行に出発します。しかし、それが米軍に見つかり、トニーは未確認飛行物体として爆撃機で追われるはめに。

 トニーはパワードスーツに搭載したネットワーク回線から、ローディの携帯電話に連絡します。

 「ハロー」

 飛行中に電話したので、声は風の音で遮られて聞き取れません。

 「トニーか?」

 「大声で!」

 「トニー、聞こえるか?」

 「君たちが追っていたのは私だよ」

 ローディは驚きますが、トニーならそんなマシンを開発することも可能なはずと納得。新たなスーツのテストも、米軍の追っ手を逃れて成功します。そしてトニーは人を殺すためでなく、人の命を助けるために、パワードスーツで戦うことを決意するのでした。“アイアンマン”として生まれ変わったトニーの前に、巨大な敵が立ちはだかります。

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