タッチパネル“+α”で差を付けろ――韓国ケータイトレンドの今とこれから(前編)韓国携帯事情(2/2 ページ)

» 2008年10月21日 04時00分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
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800万画素カメラ時代が到来

 次に注目なのが、カメラ機能の高解像度化だ。先に出たHaptic 2や、LG電子が「世界で200万台以上を販売した」という「Viewty」(ビューティ)など、500万画素カメラを搭載したケータイが人気だが、各メーカーは800万画素カメラを搭載する新作を公開している。

 こうした技術競争をリードしているのは、やはりSamsung電子とLG電子だ。LG電子は800万画素カメラを搭載した、タッチパネル端末「LG-KC910 Renoir」(ルノアール)を発表した。これはViewtyの後続機だ。

photophoto 韓国では2007年12月から販売されている「Viewty」こと「LG-SH210(SK Telecom)/LG-KH2100(KTF)/LG-LH2100(LG Telecom)」。スリムな本体に高機能なカメラとタッチパネルを採用して人気を博した(写真=左)。「LG-KC910 Renoir」はタッチパネル対応の3インチQVGA液晶を搭載。ウィジェットやショートカットキーにより、特定機能を素早く起動できる。欧州を皮切りに、世界で販売される予定だ(写真=右)

 カメラは800万画素で、独Schneider Kreuznachが認証したレンズを使用。ISO1600までの撮影感度とキセノンフラッシュの搭載で、暗い場所での撮影にも強い。また、画面にタッチすることでフォーカス調節や撮影ができる「タッチショット」、肌を乳白色に補正してくれる「ビューティショット」、背景画面を変えられる「アートショット」といった機能のほか、GPSも内蔵しており、撮影画像にはジオタグを追加できる。

 またAV機能も充実しており、米Dolby Laboratories(ドルビーラボラトリーズ)が手がけたサウンド機能、DivX形式の動画も再生できるマルチメディアプレーヤーなども備える。すでに10月中旬から、欧州市場で販売している。

photo LG電子と米Dolby Laboratories(以下、Dolby)は2008年7月、技術協力および共同マーケティング契約を行っている。これを通じて、DolbyのモバイルサウンドソリューションをLG携帯に搭載したり、このソリューションが搭載されているLG携帯に、Dolbyロゴを入れるといったことが決められた。右がDolby営業担当副社長のスチュアート・ミッチェル氏、左がLG電子MC研究所長のクァク・ウヨン氏

 一方のSamsung電子は、800万画素カメラを持つ“INNOV8”(イノベイト)こと「i8510」を発売した。これもLG電子のLG-KC910と同様、カメラなどマルチメディア機能にこだわった端末だ。

photophoto 欧州では販売ずみのINNOV8。ディスプレイは2.8インチのQVGA液晶。下り最大7.2MbpsのHSDPA、無線LANとBluetooth 2.0に対応している

 カメラは、「既存のものより2倍明るい」(Samsung電子)というデュアルパワーLEDフラッシュ機能を搭載し、暗い場所でも明るい画像を撮影できるという。ユーザーの動きを感知し自動撮影する「オートパノラマショット」や、人物が瞬きしてしまった場合に自動で再撮影してくれる「ブリンクショット」といった機能も装備した。

 DivX、H.264など多様な動画形式に対応し、デュアルスピーカーおよび高音質サウンドエンジンの「DNSe」(Digital Natural Sound Engine)を搭載するなど、AV機能も十分に楽しめる。

 Samsung電子やLG電子は、今後も800万画素カメラ携帯を発表していく予定で、世界を舞台にしたカメラケータイの高画素・高画質競争が活発になりそうだ。

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。弊誌「韓国携帯事情」だけでなく、IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。


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