フツーのボディに8M CCDカメラと秀逸レスポンス、いわゆる“ケータイカメラ”の理想かも──「930SH」荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/4 ページ)

» 2008年12月18日 20時54分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
photo シャープ製の「930SH」(ブラック)。このほかにシルバー×バイオレット、ピンク、ホワイト×シルバー、ブルーグリーンの計5色で展開する。回転2軸でもサイクロイドでもスライドでもない、スタンダードな折りたたみボディを採用する

 ソフトバンクモバイルの2008年冬モデルにおいて、派手な「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」(以下、931SH)の影に隠れがちだが、実は「930SH」もすごい。

 確かに、サイクロイドでも回転2軸ヒンジでもないスタンダードな折りたたみボディで、タッチパネルも搭載しない、いわゆるフツーのケータイ。でも、このスリムな折りたたみボディに8MピクセルのCCDカメラを搭載してしまったのだ。カメラモジュールはこれはおそらく、ドコモの「SH-01A」が搭載するものと同じ。カメラスペックでは、520万画素CMOSセンサーの931SHより格上だ。

 レンズは35ミリフィルム換算で29ミリ相当と広角で、明るさはF2.8。この仕様もSH-01Aと同等だ。撮像素子はCCDなので高感度にも強い特徴がある。撮影設定にISO感度オートと高感度オートがあるが、さらにISO100からISO2500までマニュアルでも選べる。感度を少しずつ上げた作例を載せるので、後ほど見てほしい。

 その上、931SHと同様にモーションセンサーも搭載。端末を縦に持つと縦位置で、横に持つと横位置できちんと写真が記録される。さらに顔検出AF機能も備えた。ファインダー内に人の顔を検出すると、そこへ自動的にピントを合わせてくれる。

photophoto シンプルな端末でありながら、カメラはケータイカメラ最高クラスの8MピクセルCCD。レンズ周りのデザインも何気なく、さりげなく8Mカメラモデルであるところがおもしろい。一応、サイドキーもシャッターに使えるが、普段は縦向き+決定キーを使うシーンが多いと思う

 撮影機能はとてもシンプル。特筆すべき設定項目はISO感度モードくらいで、あとはシーン別撮影やAF切り替えなどのおなじみの項目があるくらいだ。なお、メニューUIは縦向きのみを用意するので、基本は縦に構えるケータイスタイルで撮影することになる。もちろん横に向けて撮ればきちんと横位置で記録されるので、用途やシーンに合わせて使い分けたい。シンプルだけど、いわゆる“ケータイカメラ”であるポイントを押さえてある。

 さらに素晴らしい点がもう1つある。それは「バックグラウンド保存」機能だ。

 よくあるケータイカメラは「撮影する→保存する→保存が完了する→次の撮影に」という流れで撮影する。保存に時間がかかるので、どうしても数秒待たされてしまう傾向がある。対して本職デジタルカメラは、スピーディに次の写真が撮れる。これはバックグラウンドでメディアへの書き込み処理などを行うため。ケータイカメラも高画素化が進み、1枚単位の写真の仕上がりは非常に向上したが、このレスポンス面ではまだデジタルカメラにかなわなかった。

 930SHは、その「バックグラウンド保存」機能をついに備えた。1枚撮って、即、次の撮影が可能。これはスーパー快適である。ちなみにバックグラウンド保存をオフにすると、保存に4秒くらいかかる。この4秒を短縮できる(感じずにすむ)わけだ。この機能は、来年2009年のケータイカメラ機能に必須ですよといいたいほどである。

photophotophoto ファインダー画面に上から2段目に撮影設定を示すアイコンが並ぶ(左)。撮影設定は、3列×4行で並び、ダイヤルキーのショートカットが割りあてられている。複雑な撮影モードは特になく、シンプルだ(中)。シーンモードは7種類。人物モードだと少し明るめに、逆光だとかなり明るめに撮れるセッティングになっている(右)
photophoto 本体を横にすると、画面表示も横向きになり、写真も横長で撮れる。これはよい(左)。ただし、横向きUIはない。撮るときだけ横向きにする(右)
photophotophoto 一般デジカメなみに豊富なISO感度設定。普段は“自動”か“自動(高感度)”にしておけばよいが、いざというときは最高でISO2500まで手動で上げられる(左)。「バックグラウンド保存」設定が最大ポイント。これはぜひ有効にしておきたい(中)。ピクチャー、デジタルカメラ、ムービーでタブ分けされてるわかりやすいフォトビューワ。次はサムネイル表示もより高速にしてほしい(現状、ここは少々もたつく)

 では、早速作例を見ていこう。

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