第3回 “分離プラン”端末の機種変更、いつがお得?ケータイの「分離プラン」を改めて考える(1/2 ページ)

» 2009年01月19日 14時18分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

解約と機種変更のタイミングで変わってくる、方式別の“お得感”

 一言に「分離プラン」といっても、通信キャリア別に仕組みがかなり異なるのは前回述べた。これらの方式にはもう1点大きな違いがある。それは、継続24カ月未満と24カ月以降に解約、あるいは機種変更する場合だ。

 ソフトバンクモバイルとウィルコム端末は、約24カ月間きっちり利用する場合の毎月の割り引き額が大きい。その分、それ以下の期間で解約すると(割り引かれない分)実質の端末代金がかなり高くなることになる。例えば6カ月程度で解約すると、24カ月間利用した場合と比べて2倍以上となる場合があり、“実質0円”の端末であっても数万円を越えてしまう例もある。

 端末価格割り引き額月々の分割金額(24回)
高機能端末NTTドコモ(SH-01A)5万7120円2万1840円(910円/月)1470円
KDDI(au) (W63CA)5万6520円2万1840円(910円/月)1445円
ソフトバンクモバイル (930SH)8万3520円4万8000円(2000円/月)1480円
ウィルコム(WILLCOM 03)6万3120円3万9600円(1650円/月)980円
スタンダード端末NTTドコモ(N-03A)4万2840円2万1840円(910円/月)875円
KDDI(au) (URBANO)4万4640円2万1840円(910円/月)950円
ソフトバンクモバイル(830T)6万6720円4万8000円(2000円/月)780円
ウィルコム(WILLCOM LU)4万2960円2万8560円(1190円/月)600円
実質0円端末NTTドコモ(N706iII)2万2680円2万1840円(910円/月)35円
ソフトバンクモバイル(830SH)4万2720円4万2720円(1780円/月)0円
ウィルコム(WX320KR)3万8640円3万8640円(1610円/月)0円
※2008年12月末時点の価格 ドコモとauは基本料金の割り引き額を端末割り引き額と想定して算出。キャリアの料金プランにおける割り引き額は変わらないと仮定

購入端末の継続利用期間6カ月12カ月18カ月24カ月36カ月ポイント
高機能端末NTTドコモ(SH-01A)5万1660円4万6200円4万740円3万5280円2万4360円利用期間が長いほど割安
KDDI(au) (W63CA)5万1060円4万5600円4万140円3万4680円2万3760円利用期間が長いほど割安
ソフトバンクモバイル (930SH)7万1520円5万9520円4万7520円3万5520円3万5520円24カ月以降は割り引きなし
ウィルコム(WILLCOM 03)5万3220円4万3320円3万3420円2万3520円2万3520円24カ月以降は割り引きなし
スタンダード端末NTTドコモ(N-03A)3万7380円3万1920円2万6460円2万1000円1万80円利用期間が長いほど割安
KDDI(au) (URBANO)3万9180円3万3720円2万8260円2万2800円1万1880円利用期間が長いほど割安
ソフトバンクモバイル(830T)5万4720円4万2720円3万720円1万8720円1万8720円24カ月以降は割り引きなし
ウィルコム(WILLCOM LU)3万5820円2万8680円2万1540円1万4400円1万4400円24カ月以降は割り引きなし
実質0円端末NTTドコモ(N706iII)1万7220円1万1760円6300円840円-1万80円利用期間が長いほど割安
ソフトバンクモバイル(830SH)3万2040円2万1360円1万680円0円0円24カ月以降は割り引きなし
ウィルコム(WX320KR)2万8980円1万9320円9660円0円0円24カ月以降は割り引きなし

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 短期に解約すると実質端末代金が割高になるのは相応の理由がある。ドコモの「ひとりでも割50」とauの「誰でも割」は2年の継続契約を条件に基本料金を約半額に割り引くかわりに、2年おきの更新月以外に解約すると9950円というかなり高額な契約解除手数料が発生する。これが中途解約するかなり大きな抑止力になっている。

 対してソフトバンクモバイルのホワイトプランは、長期の継続契約条件や高額な解除手数料はない。ただ、実質の端末代金が高くなることが短期解約の抑止力になっている側面がある。ウィルコムのW-VALUE SELECTは契約解除料こそあるが、やや安価(1年以内のみ4200円、1年目以降は2100円)であり、実質の端末代金が高くなるのは同様だ。

 2年、24カ月おきの更新月以外のドコモとau端末は契約解除手数料が9950円が必要。この額を足すと、例えば18カ月ほどになってから解約する場合はソフトバンクモバイルのほうが割安になることもあり、12カ月で解約する場合でもそれほど割高ではない……こういった見方もできる。このようにケータイを分離プランで購入し、継続して使用していくならば、どことなく「24カ月/2年縛り」という条件がまとわりついてくることになる。このため、短期で機種変更を行う場合はやや長期的に考えるとキャリア別に発生コストがかなり異なってくる。

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