なぜ「ダブル・ワンセグ」なのか――「AQUOSケータイ 932SH」が提案する新しいテレビライフ開発陣に聞く「AQUOSケータイ 932SH」(2/3 ページ)

» 2009年03月05日 18時34分 公開
[田中聡,ITmedia]

「裏番組表」と「字幕読むモード」も新たに搭載

 ダブル・ワンセグを生かした機能として、裏番組を簡単にチェックできる「裏番組表」も搭載した。裏番組表はもう1つのチューナーで検索することで、他局の番組を一覧表示できる。これまでの機種では視聴番組の前後の情報しか表示できなかったが、大きく改善した。

photophotophoto 裏番組表は半透過で表示される。チャンネルを選んで短押しすると、そのチャンネルに変更でき、長押しで番組の詳細情報が表示される

 ちなみに、従来の「Gガイド番組表リモコン」からもワンセグ視聴中に他局の番組情報を見られるが、「アプリなので起動に時間がかかる」(中川氏)ほか、番組の透過表示ができないので、裏番組表の方が使いやすい。

 ダブル・ワンセグ以外では字幕表示も強化した。これまで、1画面に字幕を表示できるのは最大3行だったが、932SHは「字幕読むモード」に設定すると(縦画面で)最大11行の字幕を表示できる。「いかにもテレビっぽくなるサイクロイドスタイルは外出先では使いたくない、ワンセグ視聴中にイヤフォンを使いたくない、音を消したい、という人のために搭載しました」と中川氏は説明する。

photophoto 縦画面では最大11行の字幕を表示できる。画面下部の黄色い文字は最新の字幕。「字幕読むモード」をオフにすると、これまでどおりテレビ映像+データ放送+字幕の表示となる

 「少し忙しくなりますが(笑)、2画面表示でも字幕は活躍します。左の表番組で音を聞きながら、右の裏番組は字幕で楽しむといった使い方もできます。サッカーは裏番組にして、アナウンサーが叫んでいるのを字幕で確認してから入れ替えたり……」(中川氏)

photophoto 横の2画面のときは、1画面に表示できる字幕は6行となる(写真=左)。横の全画面にすると、字幕は1行のみ。受信できない番組は、裏番組表の番組名に「受信できません」と表示できるので、「見たいチャンネルが受信できるかどうか、裏番組表で確認するという方法もあります」と、中川氏は裏番組表の便利な活用法を教えてくれた(写真=右)

画質とサウンドへのこだわり

 AQUOSケータイの“要”ともいえる画質にも注力した。液晶は923SHと同じフルワイドVGA(480×854ピクセル)の3.3インチNewモバイルASV液晶を搭載するが、932SHでは923SHよりも輝度を120%上げ、923SHではやや赤みがかっていた肌色の画質も向上。「実際の肌色以上に自然できれいになるようこだわった」(中川氏)という。

 ワンセグ映像の「なめらかフレーム補間」は、923SHでは補間できなかった速い動きにも対応するよう強化した。「スポーツ番組で特に効果的」(中川氏)だという。

 さらに、映像をより美しく処理する「リニアエッジ」も採用した。中川氏は「923SHでは、字幕の文字などにギザギザが入っていましたが、932SHではより広範囲のセルを拡大表示することで、より滑らかな映像を再現できるようになりました」と胸を張る。

photo シャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第二事業部 商品企画部 吉高泰浩氏

 AV機能を楽しむ上では、バーチャル5.1ch対応の3スピーカー(センター、左、右)も見逃せない。これはヤマハが開発した3スピーカー用の音場技術を採用して実現したもの。「音楽はステレオ音源なので、サウンドの広がりを出すというよりは、ステレオ感を強調したかった」と中川氏は狙いを説明する。

 「ワンセグは家で見ている人がほとんです。つまり外部スピーカーで音を聞く人が多いので、今回はスピーカーにも注力しました」(吉高氏)

 センタースピーカーは声の成分を主に抽出する仕様で、ワンセグやミュージックプレーヤー利用時に人の声(ボーカル)が特に聞きやすくなったという。

 吉高氏は「スピーカーを搭載する位置も工夫した」と話す。センタースピーカーはヒンジ部、左右のスピーカーは本体の両側面にあるので、ディスプレイを回転してもスピーカーの位置関係は変わらない。こうした点もサイクロイドのメリットだと同氏は解説した。

 「店頭のデモ機には音楽コンテンツ入りのmicroSDを入れているので(※製品版には同梱しない)、バーチャル5.1chのサウンドを試聴できるものもあります」(吉高氏)

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