ドラマで使われるケータイたち2009年冬──ドコモ編榮倉奈々、南沢奈央、菅野美穂のケータイは?(1/2 ページ)

» 2009年03月10日 09時00分 公開
[青山祐介,ITmedia]

 民放各局のプライムタイムである毎日21時から23時台に放映されている連続ドラマ。1年を4つに分けたクールごとに新作が始まるこれらのドラマは、キャストに人気の俳優やタレントがずらりと並び、各局があの手この手で視聴率獲得競争にしのぎを削る。また視聴率も高い時間帯だけに、これらドラマのほとんどに携帯電話キャリアがスポンサーとして名を連ねている。

 こうした連続ドラマは、その多くが現代劇であり、その中ではケータイが登場人物を結びつけるコミュニケーションツールとして、必ずといっていいほど画面に登場する。そんな劇中で活躍するケータイは、各ドラマのスポンサーである携帯電話キャリアの最新機種が用いられることが多い。

 2009年1月からスタートした今クールでは、21時〜23時台に東京地区で放映されているドラマ17本のうち、ドコモが8本、auが4本、ソフトバンクモバイルが2本にスポンサーとして入っている。

 ドコモは火曜夜9時の「メイちゃんの執事」(TBS系)、水曜夜10時の「キイナ 不可能犯罪捜査官」(日本テレビ系)、木曜夜9時の「特命係長只野仁」(テレビ朝日系)、金曜夜11時15分の「歌のおにいさん」(テレビ朝日系)、土曜夜7時56分の「RESCUR特別高度救助隊」(TBS系)、同9時の「銭ゲバ」(日本テレビ系)、同11時10分の「赤い糸」、日曜夜9時の「本日も晴れ。異常なし」の8本に提供。シリーズ途中からドコモがスポンサーから外れた「特命係長只野仁」を除き、いずれもドコモのWebサイト内のテレビドラマ使用ケータイコーナーで、それぞれのドラマで使われているケータイが紹介されている。今回もこれらの情報に、実際にドラマを視聴して確認した情報を加えて紹介しよう。

男性俳優の手で大活躍の防水ケータイ「F-01A」

Photo 2009年冬クールの人気端末は富士通の「F-01A」

 今クールで活躍が目立ったドコモのケータイは、PRIMEシリーズの「F-01A」がダントツ。なんと劇中でこの機種を使うキャストが10人もいた。

 その次に多かったのは、同じくPRIMEシリーズの「P-01A」と、STYLEシリーズの「N-03A」で5人。このほか「N-02A」「SH-01A」も多かった。いずれもPRIMEシリーズやSTYLEシリーズに属する端末だ。2009年1月は、ちょうどドコモの2008年冬モデルが発表された直後ということもあり、新シリーズが多数登場した。

 大活躍のF-01Aは、これまであまりドラマで活躍することがなかった富士通製の端末。実際に販売ランキングでも人気の高い端末の1つだ。劇中ではブラックを使うキャストが多く、次いでシアン、シャンパンの順で人気だった。F-01Aを使う俳優は圧倒的に男性が多く、ドコモのCMに出演している「銭ゲバ」主人公の松山ケンイチ、「メイちゃんの執事」の水嶋ヒロ、「キイナ」の平岡祐太、「RESCUE」の増田貴久(NEWS)などが使用していた。

PhotoPhoto カラーはブラックがもっとも人気が高い

 F-01Aは男性ユーザーが多いのと同時に、“組織”で統一して持つ場面が多かったのも特徴だ。例えば「RESCUE 特別高度救助隊」の増田貴久や石黒英雄、田中要次はいずれも横浜市安全管理局のレンジャー隊員。F-01Aの防水性能がゆえに「SR(スーパーレンジャー)」の隊員に支給されているという設定だろうか。

 「メイちゃんの執事」の水嶋ヒロや夕輝壽太は、いずれもお嬢様養成学園の女生徒1人1人に付く執事という設定。こちらも、この「聖ルチア学園」の執事全員が持たされていることになっているのかもしれない。ちなみにこのドラマは“執事”が1つのテーマとなっていて、オープニングなどで“ひつじのしつじくん”のようなキャラが登場する。ドコモが提供するドラマだけに、スタートしたばかりの「iコンシェル」を意識してのことだろうか。

 「銭ゲバ」で派遣労働者から大手造船会社の社長秘書、そして社長に成り上がっていく松山ケンイチは、派遣労働者時代は「P900i」を愛用し、これで派遣登録サイトにアクセスして仕事を探していた。P900iは2004年2月に発売されたモデルであり、5年近く同じ機種を使い続けていることになる。主人公の倹約ぶりをケータイでも象徴している。しかし、造船会社を経営する金持ちの家庭に入り込み、社長秘書に抜擢されるとさっそく最新機種F-01Aのブラックに機種変更。やはり“銭”で何事も変わることを象徴しているのだろう。ちなみに松山は、ドコモのCMではF-01Aのシアンを手にしている。

「P-01A」や「N-03A」も人気

 2WAYキー+WオープンスタイルのVIERAケータイ「P-01A」は、グラファイトブラックを使う男性が多かった。「銭ゲバ」の宮川大輔、「キイナ」の東根作寿英、「歌のおにいさん」の前田健が使用している。女性では「キイナ」主人公の菅野美穂、「銭ゲバ」のミムラが使っていた。

 劇中で5人のユーザーがいたN-03Aは、プロモーションカラーでもあるアプリコットオレンジの人気が高く、ポップなデザインのためか女優が多く手にしている。「メイちゃんの執事」の主人公を演じる榮倉奈々、「キイナ」の小池栄子がアプリコットオレンジ、「赤い糸」の石橋杏奈がバニラホワイトを使用。男性陣は「RESCUE」の主人公であるKAT-TUNの中丸雄一がアプリコットオレンジを、「キイナ」の塚地武雅がカシスブルーを使用しているのを確認できた。

PhotoPhoto パナソニック モバイルコミュニケーションズの「P-01A」や、NECの「N-03A」も多数登場。いずれも初期に発売されたモデル

 薄型ボディを特徴とする「N-02A」は、Ash Grayを使用する男性陣が多かった。「キイナ」の沢村一樹、「歌のおにいさん」の吹越満、「銭ゲバ」の柄本時生らが持っている。

 これまでドラマで使われるケータイの中ではいつも多くのユーザーがいたシャープ製端末は、最も多いのが「SH-01A」の4人と、今ひとつふるわなかった。ユーザーは男性キャストが多く、「本日も晴れ。異状なし」の坂口憲二、「キイナ」の金田明夫、「メイちゃんの執事」の佐藤健が使用している。

2007年冬モデルの「N905i」が多数登場

Photo 今クールに多数登場した「905iシリーズ」

 興味深いところでは、2007年冬モデルの「905iシリーズ」が多く登場したことも今クールならでは。「赤い糸」と「特命係長只野仁」で使われていたためだ。赤い糸は2006年に公開されたケータイ小説が原作。そのため、ドラマの中でもその時期に合わせたケータイが登場している。主人公の南沢奈央や溝端淳平が中学生時代のときには、南沢が「F705i」、溝端が「SH705i」を、高校生時代には南沢が「SO706i」、溝端が「F706i」を使用するなど、当時時代考証(?)にもこだわっているのが特徴。木村了と田島亮は「N905i」を使用していた。

 一方「特命係長只野仁」では、鈴木砂羽、桂亜沙美がN905iを使用していた。2008年冬のクールに深夜枠で放映されていた「特命係長只野仁」は、その人気もあって今クールは木曜21時台のプライム枠に昇格。物語を前クールからそのまま引き継いでいることもあって、登場するケータイも905i、705iシリーズとなっている。主人公の高橋克典は「P905i」、永井大は「Cyber-shotケータイ SO905iCS」と思われるモデル、三浦理恵子は「N705iμ」と思われるモデル、梅宮辰夫は「L705iX」を使用。このほかゲストとして登場する俳優陣も、いずれも905iシリーズを使っていた。

高校生必須のコミュニケーションツール

 今クールでドコモがスポンサーしているドラマで、ケータイが登場するシーンが特に多かったのは「赤い糸」だ。2008年12月にスタートしたこのドラマは、2008年12月中旬に同名の映画も公開され、映画とドラマの同時進行という業界初の試みも話題となった。

 また、主人公の一人である溝端淳平がチョコレート好きだったりするなど、劇中で効果的にスポンサーであるドコモとグリコの商品が“出演”する「プロダクトプレイスメント」が展開されているのも特徴。主人公が中学生から高校生になる過程を描いていることもあり、彼らの重要なコミュニケーションツールとして、随所にケータイのメールや通話で大事な連絡を取り合う姿を描き出している。

 「本日も晴れ。異状なし」では、日本最南端にある架空の島「那瑠美島」の駐在所に、人事交流として赴任した駐在白瀬遼を演じる坂口憲二が、東京の警視庁の元上司とケータイで連絡を取るシーンが毎回登場する。しかし坂口以外の“島民”は、1周してもクルマでわずか15分という小さな島が舞台だけに、電話を使うシーンはほとんど見られない。

 最後に余談だが、金曜23時台の「歌のおにいさん」の主人公、矢野健太を演じる大野智は、auのCMキャラクターである嵐のメンバー。劇中ではケータイを手にするシーンは見られなかった。

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