その意気込みは“龍の如く”――ウィルコムが「XGP」を限定スタート(1/2 ページ)

» 2009年04月22日 21時55分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
photo ウィルコム代表取締役社長の喜久川政樹氏

 ウィルコムは4月22日、XGP(次世代PHS)使った「WILLCOM CORE XGP」サービスを発表した。4月27日から9月30日までは、エリア限定サービスとして提供する地域とユーザーを限定したモニターテストを実施。一般のユーザーを対象とするサービスは、2009年秋から開始する。

 エリア限定サービスは第1段階、第2段階に分かれており、第1段階はウィルコム本社など東京・山手線内の一部地区でXGPのデモを展示するほか、アプリケーション開発企業との共同実験を5都府県で実施。6月からは対象を一般企業や団体、MVNO企業といった500法人へ広げる予定だ。モニターには専用端末としてPCカード型の「GX000N」(NECインフロンティア製)か「GX000IN」(ネットインデックス製)が貸与され、上り下り最大20Mbpsの通信サービスを試すことができる。これらのサービスはすべて無料で提供されるが、エリア限定サービスの終了とともに端末を返却する必要がある。

 先行するUQコミュニケーションズのモバイルWiMAXも、商業サービスを前に5000人規模のモニターテストを実施中だ。しかしUQの場合、一般ユーザーを対象に抽選を行ったほか、商業サービス開始後の継続利用が前提となっている。一方のXGPは、デモ展示エリアを除けば選ばれた法人ユーザーしか利用できず、モニター終了後は端末を返却しなくてはならない。

NECインフロンティア製のXGP専用端末「GX000N」 USIMチップを使ってユーザー認証を行う
ネットインデックス製の「GX000IN」

 ウィルコム代表取締役社長の喜久川政樹氏は、「エリア限定サービスの第1段階で実地検証を慎重に行い、続いて法人向けに提供し、秋には万全の体制で一般のユーザーにXGPを提供したい」と、その考えを明かした。

 今回ウィルコムが2段階のモニターテストを、主に法人向けに実施するのは、新サービス開始にまつわる「過去の苦い経験」(喜久川氏)があるからだという。その1つは、旧DDIポケット時代のPHS開業時にさかのぼる。開業直後、都心部では隣接する基地局の電波が干渉して通話が行えないなどの不具合が発生。いったん停波して基地局の再調整を行うという出来事があった。また近年では、高度化PHS「W-OAM」を開始したものの、思うように速度が上がらず基地局の再調整を行うことがあったという。

 喜久川氏は過去の経験を踏まえ、「PHSの開始、高度化のタイミングでいくつかの問題が起きた。PHSから世代が変わるXGPでは、より慎重を期すべき」と判断したという。気になる商業サービス開始時の料金だが、喜久川氏は「きぞんの料金より、ものすごく高くなることはない」とコメント。また加入者の目標については「その時期ではない」と言明を避けた。

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