iPhoneで甦るHPの科学計算用プログラム関数電卓「HP-15C Scientific Calculator」今日のアプリ第415回:ユーティリティ

» 2009年07月03日 15時11分 公開
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 Wikipediaによると、「HP-15C」はヒューレット・パッカードが1982年に発売、1989年に製造が終了した後も多くのファンを持つ科学計算用プログラム関数電卓です。これまでにもHP-15Cをエミュレートしたアプリは存在していましたが、今日取り上げる「HP-15C」は本家HPによる正統なアプリです。

 搭載されている機能は、数値積分・ルートソールバー・複素数・行列演算、448行まで可能なプログラミングなど、実物と同じ。HPのロゴはもちろんのこと、キーフェイスやクリック音まで再現されているようで、現在では入手困難な名機をiPhoneの中で甦らせることにこだわったようです。

逆ポーランド記法(RPN)とは

 HP-15Cは通常の計算機とは異り、逆ポーランド記法(RPN)と呼ばれる、スタックを利用した特殊な計算(入力)方法を採用しています。

 例えば、(2 + 3) * (9 - 3) という式は、

[2] [ENTER] [3] [+] [9] [ENTER] [3] [-] [*]

と入力します。一見不自然なようにもみえますが、式を日本語で置き換えると、

2 と 3 を足したものと 9 から 3 を引いたものをかける

となり、RPN方式と同じ順序になっていることが分かります。いちど慣れてしまえば手放せないほど便利な記法とされ、支持するファンも多いようです。

HP-15Cを忠実に再現

 液晶の影からキーの配列まで実機を忠実に再現。唯一異なるのは電源ボタンがMenuに置き換えられている点くらいでしょうか。実物を触ったことのある人は、このキーの配列を見ただけで懐かしく感じるのではないでしょうか。

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 本体をタテにすると加速度センサーによってそれを感知して、自動で縦型の計算機に切り替わります。もちろん実機にはない機能なので、HPからの気の利いたオマケといった感じでしょうか。RPN方式の計算だけを行う場合には、キーが大きい分使いやすいと思います。

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プログラミング機能で手間を省く

 ある程度決まったパターンの計算を何度も行う場合は、HP-15Cのプログラミング機能が活躍します。限られた画面と数字表示のみでお世辞にも使いやすくはありませんが、それはそれで味があるということかもしれません。

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 エラーコードなどを記した「Quick Reference」も再現。HP-15Cのロゴをタップすると呼び出すことができます。

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 メニューから本体のリセットやマニュアル(英語)にアクセス。横河ヒューレット・パッカード時代の日本語のマニュアルは、コチラからダウンロードすることができます。

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 レトロな雰囲気を味わうだけであれば高いと感じてしまうかもしれない価格ですが、以前使った経験のある方には、実用的で十分価値があるに違いありません。また、このHP-15Cと同時に、金融計算用のプログラマブル計算機「HP-12C」もリリースされています。金融マンの方はチェックしてみてはいかかでしょうか。

今日のアプリ 第415回
タイトル HP-15C
カテゴリ App Store > ユーティリティー
開発 HP
対応機種 iPhone・iPod touch
価格 3500 円
レーティング ★★★★★

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