「電話、Eメール、次はAR」――「セカイカメラ」の最新デモを見た犬も歩けばタグに当たる?(1/2 ページ)

» 2009年07月14日 08時00分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo 井口氏

 「インターネットの豊かな情報を、現実の生活空間にオーバーレイしたい」――iPhoneやAndroidケータイなどのモバイル端末を“電脳メガネ”に変える、拡張現実(AR)アプリ「セカイカメラ」の正式公開が迫っている。7月10日、拡張現実空間の公共圏などについて議論する団体・AR Commonsが開催した「AR Commons キックオフ・シンポジウム」で、頓智・(トンチドット)の井口尊仁代表が最新版セカイカメラによるデモンストレーションを行った。


まずは、気になるデモンストレーションを紹介

 残念ながら今回もiPhone版セカイカメラの正式なリリース日はアナウンスされなかったが、井口氏は会場に「当日お昼の11時にコンパイルされたばかり」という“ホヤホヤ”のiPhone版セカイカメラを携えて登場。「エアシャウト」をはじめとする新機能が実装されており、2月のワールドプレビュー版よりも製品版に近いであろう動作を見ることができた。

photo

 デモンストレーションに使われたセカイカメラは、6月26日に発売された「iPhone 3GS」に最適化されており、iPhone 3GSの新機能である電子コンパスを活用していた。井口氏によれば、電子コンパスとの連携によって、タグの動きは「別次元」のものに進化したという。もちろん、「iPhone 3G」でもセカイカメラは利用できるが、電子コンパスが使えないことに加え、処理速度が3GSより遅くなってしまうようだ。快適さでいえば、3GSでの利用がベストだろう。

photo セカイカメラの起動中にもオートフォーカス枠が時々表示され、ピント合わせを行っているようだった
photo 表示する情報の種類や、距離と時間の範囲を設定できる
photo 看板のような浮遊物体は、Yahoo!の位置情報と連動したランドマーク
photo コメントや写真などを“空間”に投稿するのが「エアタグ」だ。エアタグ表示をオンにすると、たちまち画面はエアタグだらけに
photophoto 天井や地面の近くにもエアタグが。3次元空間に自由にタグを貼ることで、「犬も歩けばタグに当たる」状態も作り出すことができる
photo タグの分布を分かりやすく表示するレーダーを実装
photophoto 吹き出しタイプのタグから、テキスト情報にアクセスできる
photophoto 写真はフレームに入れられて表示される
photo 羽根を生やしたタグが新機能「エアシャウト」だ。定点を浮遊する通常のエアタグとは違い、エアシャウトはタグが勢いよく飛んでいってしまう。“その時、その場所”にいないと見ることのできないレアなタグといえる
photo エアシャウトを入力している画面
photophoto 画面を指で押し続けていると周囲のエアタグが引き寄せられ、1列となって螺旋状に周りだし、「ドラゴンボールのような状態」になる。タグが煩雑なときは、この機能で周囲にどんな情報があるのかを整理して確認できる。このほかにもさまざまなタグ整理の工夫を検討中だという
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