SIMスロット+6時間バッテリー搭載の「ポータブル無線LAN」機器、NTTBPが開発2009年内に発売予定、事前モニター500人募集(1/2 ページ)

» 2009年07月15日 18時54分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo NTTBPが開発したポータブルコグニティブ無線LANルータ「Personal Wireless Router」

 エヌ・ティ・ティ・ブロードバンド・プラットフォーム(以下、NTTBP)は7月15日、無線LANとワイヤレスWANの自動切り替え機能を備えたポータブル無線LANルータ「Personal Wireless Router(PWR)」を開発したと発表。2009年内の発売を目指し、同日からモニターユーザーを約500人を募り、実証実験も行う。主に、通信事業者やMVNOなどへの導入やサービス展開を見込む。

 NTTBPはNTTグループにおける無線LAN事業を主業務とし、共用無線LAN基地局の設備卸事業や無線LAN市場の拡大に向けた新たなソリューション開発に関する事業を担う企業。グループ内の公衆無線LANサービス以外に、東海道新幹線N700系つくばエクスプレス、ソフトバンクテレコムやUQコミュニケーションズなども含め、全国約7000の無線LAN基地局を設置してきた。

 PWRは、PC以外にも無線LAN搭載機器が増え、市場流通量も急速に拡大している現状をふまえ「家でも外でも、どこでも」通信を利用したいニーズを“無線LAN”で解決するコンセプトで開発された。たばこケースほどの小型ボディサイズ(幅60×高さ95×厚さ17.4ミリ、重量120グラム)に、連続通信で6時間(2009年7月現在)/連続待受で約20時間駆動(同)するバッテリーと、SIMスロット、無線LANルーター機能を内蔵。屋内や公衆無線LANエリアでは無線LAN、無線LANスポットのエリア外では自動的に3G/HSDPA通信(など)のネットワークに切り替える機能を備え、そのときに最も高速な通信網をシームレスに利用できることを特徴とする。NTTBPが単体製品として発売することは強く想定しておらず、サービス展開や機器の価格そのものは現時点では未確定とする。これら実スキームの構築はグループ内外のキャリアやMVNOなどと話を進めていく予定だという。

 ワイヤレスWANの通信を共用できるバッテリー駆動型無線LANルータは、ウィルコムの「どこでもWi-Fi」、コミーチュアの「PHS300」、トリプレットゲートの「クティオ」などがあり、バッテリーは内蔵しないものの多彩なキャリアのデータ通信端末を使用できるアイ・オー・データ機器「WN-G54/DCR」などもすでに存在するが、PWRは通信アンテナとSIMスロットを内蔵するのが大きなポイントで、公衆無線LANサービスも複数人で共有できることと端末に共有ブックマークを保存しておける機能が新しいといえる。ユーザーは、ややかさばるデータ通信端末の接続なしにUSIMを入れるだけで運用でき、ワイヤレスWANの料金プランも使用するUSIMの契約内容よりけりになる。ちなみにフィールドトライアル用端末はSIMフリーのようで、通信仕様そのものは海外で用いられるGSM(EDGE/GPRS)通信にも対応する。


photophotophoto PWRの概要と特徴(写真=左、中)。「PWRで、無線LANエリアを“いつでも、どこでも”にまで広げられる。無線LAN専業の企業として、無線LAN活用のさらなる付加価値を提供・提案していきたい」NTTBPの小林忠夫社長(写真=右)
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