2009年4月に誕生した「iida」ブランドからは、「G9」「Art Editions YAYOI KUSAMA」「misora」など、これまでのauケータイとは趣の異なるモデルが登場した。今回は「iida Press Preview 2009 Autumn/Winter」と銘打ち、新たに発表された「PLY」「PRISMOID」は“iidaの秋冬モデル”に位置づけられる。iida発足から約5カ月が経過した今、KDDIが感じた反響とは。そして今回投入する新モデルの狙いとは――。
KDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏は「この半年間でiidaは9アイテムを発売した。テレビとWebのクロスメディアを意識してプロモーションし、iida Callingでコンテンツにも力を入れてきた」と振り返った。
高橋氏はiidaを発足させた背景として「49%のユーザーがデザイン志向であること」を挙げた。そしてiidaを立ち上げてから、「16.6%のユーザーがiidaをきっかけにしてauへの興味が高まった」という調査結果も出ている。「auの新しいイメージや活力をもう1度感じてもらっている」と手応えを感じている。
さらに、「Mobile pico projector」や「AC Adapter MIDORI」「AO/SHIRO/MOMO/CHA」「AROMA STRAP」などの“LIFE STYLE PRODUCTS”についても、「51.9%のユーザーが魅力的に感じるというデータもある。どちらとも言えないという回答を含めると、70%以上のユーザーが関心を示している」(高橋氏)とのことで、周辺機器も好調に支持されていることを示した。
iidaブランドを半年間展開してきた成果として高橋氏は「50%以上のユーザーがiidaを認知している」「iidaプロダクトの周りにたくさんのデザイナーが賛同してくれた」「携帯電話だけにとどまらず、周辺アイテムやデジタルコンテンツにも広がった」という3点を挙げた。「今後もimagination、design、artの3つをもってinnovationを起こしていきたい」(高橋氏)
KDDI サービス・プロダクト企画本部長の増田和彦氏は「iidaはライフスタイルを創造するもの。革新的なデザインだけに留まらず、さまざまな要素を持った製品を作っていく」とあらためてiidaのコンセプトを説明した。
今回は新たな試みとして、大学生と大学院生を対象としたLIFE STYLE PRODUCTSのコンペ「iida AWARD 2010」や、携帯電話をメディアとしてアート作品を提供する「iida Digital Contents Gallery」を導入。LIFE STYLE PRODUCTSは23製品を投入して拡充を図り、オリジナルの楽曲を作成できるキャンペーン「iida calling 2」も展開する。さらに、ロボットと携帯が融合したコンセプトモデル「Polaris」では、iidaが考える“携帯電話の未来”を示した。
iidaへの注目はG9やPLY、PRISMOIDなどの携帯電話に集まりがちだが、周辺機器やデジタルコンテンツもiidaの商品群に含まれる。「2年縛りなどで携帯電話の買い控えが進むにつれ、新製品が発売されても興味を示さないユーザーさんが増えている。周辺機器を増やすことでショップへの集客効果を狙いたい」(KDDI)という思惑もあるようだ。
ただしLIFE STYLE PRODUCTSのうちACアダプターなど一部の商品はau取扱店で販売されるが、そのほかはオンラインショップでのみ販売される。これは「Webをライフスタイルの主なツールに採り入れている人が多いため」(増田氏)だという。「より詳細な情報をWeb展開することで、iidaの新しい取り組みを理解いただけるのではと考えている」
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