ドラマで使われるケータイたち2009年夏──au編“任侠ヘルパー”2台持ちの理由とは(1/2 ページ)

» 2009年10月18日 14時07分 公開
[青山祐介,ITmedia]

 人気の俳優やタレントが登場し、ドラマ好きにとっては毎回見逃せないプライムタイムに放送されているシリーズもののドラマ。そのほとんどが現代を舞台にした人間模様を描いており、登場人物のコミュニケーションには、ケータイが今や欠かせない小道具となっている。通話やメールのやり取りをはじめ、カメラで撮影をしたり、待受画面に大切な人の写真が設定してあったりと、物語の中で登場するケータイの使われ方もさまざまだ。

 また、こうしたドラマの多くには携帯電話会社がスポンサーについており、ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルでは、それぞれがスポンサーとなるドラマで使われているケータイをWebサイトで紹介している。すでに新クールのドラマが開始しているが、夏クールのドラマで活躍したケータイを、各社のWebサイトの情報をもとに、実際にドラマを視聴して確認した情報を加えながら復習しておこう。第2回はau編をお届けする。

登場モデルが多いauケータイ、最多登場は「K002」

 KDDIがスポンサーとなっているドラマは火曜から木曜までに4本が集中。火曜22時の「恋して悪魔」(フジテレビ系)、水曜21時の「新・警視庁捜査一課9係」(テレビ朝日)、木曜22時の「任侠ヘルパー」(フジテレビ系)、木曜23時58分の「猿ロック」(日本テレビ系)というラインアップだ。

 「新・警視庁捜査一課9係」は「相棒」をはじめ、毎クール人気の刑事ドラマが放送される枠で、今クールは2007年春、2008年春に放映された同名ドラマの最新版だ。今秋から始まる新しいクールで第8シーズンがスタートする。また「猿ロック」の木曜23時58分からの時間帯は、「夢をかなえるゾウ」「リセット」「LOVE GAME」と続く、KDDIだけがスポンサーに入っている時間枠となっている。これらのドラマで使われるケータイは、いずれもKDDIのWebサイト内の「アドギャラリー」で紹介されている。

photo 京セラ製の「K002」はau夏モデルの中でも特に売れた機種だ

 KDDIがスポンサーとなっているドラマは、本数こそドコモより少ないが、作中で活躍するケータイはドコモよりも多く、1モデルあたりの登場台数も多い。夏クールの登場台数最多は「K002」の7台。K002は、2009年夏モデルとして発売された、薄さわずか10.9ミリのスリムなデザインが特徴のワンセグケータイ。京セラはKDDIに関係の深いメーカーであり、ケータイ主要3キャリアの中ではKDDIにのみ端末を供給しているメーカーだけに、影響力が大きいのかもしれない。また、K002は女性向けのスリム端末のためか、ドラマ内でも女性ユーザーが多かった。「恋して悪魔」の加藤ローサ、「メイド刑事」の福田沙紀など主役級が使用し、「猿ロック」では中村ゆり、月船さららがディープレッドを手にしている。色はディープレッドとプラウドホワイトが人気だ。

 次点は東芝製の「T002」と、iidaブランドのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「G9」だ。

 T002はすべて女性が使用しているのが特徴。メローピンク、ファインホワイト、シェードパープルと、いずれも女性向けのカラーであることも関係しているのだろう。「任侠ヘルパー」の黒木メイサがメローピンクを、夏川結衣がファインホワイトを使用。さらに「猿ロック」の芦名星が同じくファインホワイトを手にするシーンが何度も登場する。このほかにも「恋して悪魔」の峯岸みなみ(AKB48)や、「任侠ヘルパー」の指出瑞貴、西田尚美など、すべて女性が手にしている。特に「猿ロック」の芦名星は主人公役の市原隼人と連絡を取るシーン、「任侠ヘルパー」の夏川結衣は、息子役の加藤清史郎とメールや電話をする場面が多く見られた。

 同じく次点のG9は、すべて男性が使用していた。ベテランでは任侠ヘルパーの陣内孝則と宇梶剛士、「新・警視庁捜査一課9係」の吹越満らが使用。若手では「恋して悪魔」の姜暢雄、「メイド刑事」にゲスト出演の杉浦太陽らが手にしているのを確認できた。陣内孝則は厚生労働省の官僚、姜暢雄は高校の副理事長など、いずれも“ちょっとデキる男”役だった。こうしたエグゼクティブ層が使っているのは、やはりiidaブランドを意識したのだろうか。

photophoto 東芝製の防水ケータイ「T002」(左)とソニー・エリクソン製のiidaモデル第1弾「G9」(右)

老人介護施設ではウィルコム端末が登場

 次いで台数が多かったのは、ソニー・エリクソン製の「Walkman Phone, Premier3」。ソニエリらしい個性的でスタイリッシュなデザインが特徴の同モデルは、「猿ロック」の高岡蒼甫や「新・警視庁捜査一課9係」の渡瀬恒彦など、ドラマではほぼ男性が使っているのが興味深い。女性では「恋して悪魔」で女子高生役を演じる岡本玲がパッショネイトピンクを使っていたのみ。ただし、さすが女子高生という役柄だけあり、いつでもケータイを手にしているようで、Premier3が画面に登場する回数も多かった。

 これら2機種と同じく男性の主役、準主役クラスが手にしていたのが、2009年夏モデルの「G'zOne CA002」。やはり“タフネスケータイ”というコンセプトが男性キャラクターに合っていたのだろう。「猿ロック」の市原隼人、「コールセンターの恋人」の小泉孝太郎、「恋して悪魔」の入江甚儀、「任侠ヘルパー」の宇梶剛士が使っている。特に市原隼人のCA002は、劇中、幼なじみの芦名星と何度も通話するシーンが見られた。

photophoto 音楽機能に注力したソニー・エリクソン製の「Walkman Phone, Premier3」(左)と、カシオ製のタフネスケータイ「G'zOne CA002」(右)

 一方、女性の主役、準主役クラスでは「恋して悪魔」の加藤ローサがK002のプラウドホワイト、「新・警視庁捜査一課9係」の羽田美智子が「Woooケータイ W63H」のオパールホワイト、中越典子が「ケースのようなケータイ NS02」のアイボリー、原沙知絵が「Woooケータイ H001」のフレイムレッド、「任侠ヘルパー」の仲里依紗が「SOLAR PHONE SH002」のスパークリングと、特定の機種に偏ることなく、それぞれの機種で女性向けのカラーを使っていた。

photo 「任侠ヘルパー」の介護施設で登場したウィルコムの「WX330J」

 また、今クールではウィルコムのPHSも登場したことも加えておきたい。「任侠ヘルパー」は、ヤクザがヘルパーとして介護施設で研修するという破天荒な物語。登場人物にはそれぞれauケータイを持っているが、介護施設にはペースメーカーをつけたお年寄りもいるためか、ヘルパーが所内にいるときには日本無線製「WX330J」のホワイトを使用しているようだ。主人公の草なぎ剛と黒木メイサが、所内ではこの白いWX330Jで通話するシーンが何度か確認できた。KDDIがスポンサーながら、設定に細かく配慮がされていると感心した。

 さらに興味深いのはこの任侠ヘルパーの主人公、翼彦一を演じる草なぎ剛。ドラマ終盤の9月からは、SMAPの一員としてソフトバンクモバイルのCMキャラクターとして登場。そのためか、翼彦一が介護施設外で使うプライベートのケータイはKDDIのリストには掲載されておらず、画面で見る限りはソフトバンクモバイルの「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」のブラックを使っているように見られた。ちなみに同社のCMではSamsung電子製の「830SC EMPORIO ARMANIモデル」を手にしている。

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