第3回 タッチパネルの反応速度はどう?――動画でチェック最新ケータイ徹底比較(タッチパネルケータイ 2009年夏モデル編)

» 2009年10月30日 22時04分 公開
[田中聡,ITmedia]

 ケータイを操作する上で気になるポイントの1つが“反応速度”だろう。キーの反応速度が遅いと“もっさりしている”と形容され、「もっさりしているケータイ=使いにくいケータイ」と評価されることが多い。タッチパネルも同様で、タップやフリック、ピンチイン・アウトしてからの動作が遅いとストレスを感じてしまう。

 そこで、今回レビューしている「F-09A」「L-06A」「N-06A」「SH-06A」「biblio」「OMNIA POP 931SC」「AQUOS SHOT 933SH」のタッチパネルの反応速度を比較。アドレス帳と受信メールの呼び出し、ブラウザのスクロール速度についての動画を掲載した。

photo 左から「F-09A」「L-06A」「N-06A」「SH-06A」「biblio」「OMNIA POP 931SC」「AQUOS SHOT 933SH」

「F-09A」のタッチパネル操作

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「L-06A」のタッチパネル操作

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「N-06A」のタッチパネル操作

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「SH-06A」のタッチパネル操作

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「biblio」のタッチパネル操作

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「OMNIA POP 931SC」のタッチパネル操作

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「AQUOS SHOT 933SH」のタッチパネル操作

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反応速度と並んで重要な“文字サイズ”と“行間”

 メインメニューの第2階層以降を操作していて気になったのが、項目の決定方法。F-09AとL-06Aは項目を決定するのに2回タップする必要がある。例えば、F-09Aの「設定」→「ディスプレイ」にある「メニュー設定」にアクセスしたい場合、「メニュー設定」を1回タップするとカーソルが(「メニュー設定」に)移動し、もう1度タップするとアクセスできる。つまりカーソル選択された項目にしか1度のタップでアクセスできない。最初はタッチパネルが認識していないのかと思ったが、この“2度押し”はスムーズな操作の妨げになると思う。

 また、ほかの端末は閉じた状態では(または初期状態から)タッチしやすいよう大きな文字やアイコンを画面に採用しているのに対し、F-09Aは本体を閉じても文字の大きさなどUI(ユーザーインタフェース)は変わらない。メインメニューの第3階層以降は行間が狭いので、タッチ操作しやすいとは言い難い。反応速度は悪くないだけにもったいない。N-06Aのように、本体を閉じると“タッチ仕様”のUIに切り替わるよう改善してほしい。

 L-06Aも同じく2度押し仕様となっている。こちらはF-09Aとは逆に、メインメニューの第2階層以降の文字は行間が広く操作しやすいが、肝心の動作速度がやや遅いのが気になった。手元にある、同じLGエレクトロニクス製の「PRADA Phone by LG」(2008年6月発売)と比べたところ、PRADA Phoneの方がスムーズに操作できたと感じた。L-06Aは“LGジャパンモデル”としてデザインやUIは大きく進化(変化)したが、動作速度についてはまだ改善の余地があるといえる。

photophoto 「F-09A」はディスプレイを閉じても第3階層以降の文字は行間が狭いので、ピンポイントでは選択しにくい(写真=左)。L-06Aはタッチパネルの反応速度はいまひとつだが、文字が大きく行間が広いので、項目は選びやすい(写真=右)

 N-06Aはディスプレイを閉じた「タッチスタイル」にするとタッチ用のUIに切り替わり、アドレス帳やメインメニューの第2階層以降の画面では文字が大きくなり、行間が広くなる。レスポンスも良好だ。SH-06Aは反応速度に大きな不満はないが、もう少し速くなるとありがたい。同じシャープ製では933SHの方がレスポンスは速いと感じた。

 931SCと933SHはメニューやメール一覧の文字も大きく行間も広いので、押し間違いを防げる。931SCはクリアキーと終話キーが正面のディスプレイ下にあるので、片手でも操作しやすい。また今回の7機種の中では、933SHが最もスムーズにタッチパネルを操作できたと感じた。

photophotophotophoto 「N-06A」は本体を閉じた際は専用のメニュー画面が表示される。利用できる機能は限られており、「設定」などは利用できない(写真=左端)。アドレス帳やメール、データフォルダなども大きな文字で表示される(写真=左中、右中、右端)
photophotophoto 「SH-06A」はサブメニューがタッチしやすいよう大きな文字で表示される(写真=左)。「OMNIA POP 931SC」と「AQUOS SHOT 933SH」も大きな文字と広い行間で表示されるのでタッチしやすい(写真=中、右)

 ブラウザは、L-06AとSH-06Aがリンクには2回タップしないとアクセスできない仕様になっている。F-09AとL-06Aのメニュー操作と同じく、1回タップするとカーソルが合い、もう1回タップするとリンク先へアクセスできる。誤操作を防ぐための措置だと思われるが、こちらも1回触ってアクセスできる方がスムーズだろう。Webページ表示中に画面をフリックした際の動作も機種によって差がある。F-09AとL-06A、933SHは勢いよくフリックすると画面も勢いよくスクロールするが、N-06AとSH-06A、931SCはフリックした分だけスクロールする。

 なお、SH-06Aはディスプレイを開いた状態ではタッチパネルは操作できない。

biblioは“そもそもの仕様”に難あり

photo 「biblio」は、ブラウザやメニュー画面などで項目に直接触れて選択(決定)することはできない

 操作していて少し驚いたのがbiblioだ。biblioのタッチパネルでは画面下部のアイコンを除き、項目に直接触れて選択(決定)することができず、画面をなぞって任意の項目にカーソルを合わせてから、画面下部の「選択」を押す必要がある。つまり画面全体が“疑似十字キー”になっており、画面を上方向になぞると上に、下方向になぞると下にカーソルが移動する。これはEZwebでも同様で、リンクを直接タップしてアクセスすることはできず、画面を上下になぞってカーソル移動をしてから画面下部の「OK」を選択する必要がある(最初、何度もリンクを触ってしまった)。これでは直感的に操作できないのはもちろん、狙った項目(リンク)にカーソルが合うよう指の動きを調節するのが難しいので、「慣れれば問題ないレベル」と言うのも厳しい。KCP+の仕様も原因の1つだと思われるが、biblioのタッチパネルは中途半端な感が否めない。次期モデルに向けたタッチUIの改善は必須といえる。

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