メインメニューで「jiglets」を起動すると、初回にユーザーIDとパスワードを登録をうながされ、完了するとjigletが配置されたデスクトップ画面が表示される。初期状態ではサイトへのリンクや検索用のjigletが中心だが、メーラーやスケジューラー、メモ帳といったjigletをダウンロードすれば、PIM端末として問題なく利用できる。
アドレス帳は現時点では提供されていない。今時はビジネスでもプライベートでも電話とEメールが連絡手段の主体となっており、通話用に別途ケータイを持つことを想定して不要と判断したのだろう。またシステム手帳側でカバーすべきだという判断ともいえる。
メーラーはWindows Mobileと同じく、メールサーバのビュワーに近い位置付けだ。更新を実行すると一覧が更新され、見たいメールを選択すると本文が読み出される。更新は100通ずつ行われるが、電波状態が良好な場所ではウィルコムのパケット通信でも10秒もかからなかった。メーラーの起動時または一定間隔で自動更新され、最新の受信メールをほぼリアルタイムで確認できる。
ただし、Windows Mobileのメールと大きく異なる部分もある。Windows Mobileのメールはメールサーバから削除されると読めなくなってしまうが、WILLCOM NSのメーラーはjigのサーバに一覧や読み出した本文が一定量キャッシュされ、メールサーバから削除されたメールも、jigのサーバから本文にはアクセスできる。出先などで読み返したいメールは1度本文を読み出しておけば、PCで読み出してメールサーバから削除して問題ない。また、jigletsを終了しなければ、読み出したメールはローカルにもキャッシュされ、インターネットに接続しなくても閲覧できる。
メールの閲覧機能はどうか。自動振り分け機能には対応していないが、送信元単位ではメールを一覧でき、特定相手からのメールを追うのも簡単だ。また、メール一覧から見たいメールをクリックすると本文を受信する。本文を閲覧した送信元を自動で記憶する機能もあり、送信元別の一覧も見られる。
スケジュールはGoogleカレンダーと同期できるのが大きな特徴。もちろん一方的にインポートするのではなく相互に反映されるので、スケジュールの閲覧や修正、とりあえずの入力をWILLCOM NSで行い、PCでしっかり管理という使い方が可能だ。一定間隔での自動同期もできる。
メモ帳は手書きかテキストベースから選べる。シンプルな仕様は問題ないと思うが、画面をフルに使えない点が気になった。これはメモ帳に限らず本機のjiglet全般にいえることだが、縦長画面でも横長画面でもレイアウト変更なしで利用できるよう、画面サイズが制限されている。jigletは基本的にはハードウェアには依存しない関係もあるのだろうが、画面の中央部だけを使った表示は非常にもったいないと思う。
ほかには、RSSベースの主要ニュースサイトのティッカーや時計、ストップウォッチなど、デスクトップアクセサリ関連のjigletがある。定期的な情報収集はRSSで、一時的なものは検索エンジンで済むとはいえ、もう少しインターネットを活用したjigletがあると嬉しい。
メールの添付ファイルやブラウザでダウンロードしたコンテンツはデータフォルダに保存される。保存されたコンテンツには「jiglets」からアクセスでき、トップメニューの「DataFolder」からアクセスする必要はない。またW-SIMでのダイヤルアップ接続と無線LANの切り替えは、画面上部のアンテナアイコンを選択すると設定画面を呼び出せる。
後編ではブラウザ機能を中心にレビューする。
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