今回、各キャリアから12Mカメラを搭載した端末がずらっと登場した。おそろしいことである。12Mといったら、今のデジカメの主流と同じ。デジタル一眼レフも一般向けの主力モデルはおおむね12Mだし、コンパクトのハイエンドモデルではあえて10Mに落としてるモデルすらある中で、12Mである。
とりあえず今回は、NTTドコモの2009年冬モデルの中から、12Mカメラを搭載したPRIMEシリーズ3モデル「SH-01B」「F-01B」「N-02B」を比べてみた。できるだけ条件を合わせて撮り比べたので、作例では各モデルの独自機能について細かく触れていないけれども、ご勘弁を。
で、3モデルを見比べてみると、共通点・共通機能がけっこうあって面白い。
早速だが、シャープのSH-01B、富士通のF-01B、NECのN-02Bの共通点をざっくり挙げる。
上半分の特徴はケータイならではの発想だ。ケータイをデジカメスタイルで使うにはディスプレイを反転させるのが一番いい。ただ、そうするとダイヤルキーや十字キーが使えなくなるので操作性が落ちる。かといってサイドキーだけではシャッターボタン以外の操作がしづらい。だからタッチパネルでフォローする。タッチパネルは画面上に見えているアイコンにそのまま触れればよいので、操作を分かりやすくシンプルにでき、多少複雑な機能も搭載できる――というわけだ。
下半分の特徴はデジカメ界のトレンドをそのまま持ち込んだものだ。今のコンパクトデジカメは広角系ズームが主流で、顔検出は当たり前で、自動シーン認識が一番のトレンドである。今回の3モデルは、そうしたデジカメ界のトレンドをきれいに受け継いでいる。というより、SHが一足先にそれらを取込み、今回、NとFが追いついたといった感がある。
うれしいのは3モデルとも撮影時のカメラの向きを検出してくれること。デジカメスタイルにしたとき(“ビューワーポジション”などモデルによって呼び方が違うのだが、ここでは「デジカメスタイル」で統一する)、縦位置で撮影すれば縦の、横位置で撮影すれば横の画像として記録してくれる。
ケータイで撮った写真をそのままブログなどにアップするとき、この機能があるとないとでは全然違うのだ。今でも90度傾いた写真がSNSやブログにアップされてることがあるけど、それが「けっこう」防げる。
そういう意味では、3モデルのどれもが高い水準で争っているといっていい。残るポイントは、動作の快適さ、プラスαの機能、そして画質がどうであるかだ。
では、カメラの起動から違いをみていこう。
SHとNはデジカメスタイルにすると自動的にカメラが起動するように設定できる。3機種ともデジカメスタイル専用のメニューが用意されており、そこからカメラをタップして起動することも可能だ。でも、カメラをよく使う人なら自動起動の方が便利だし速い。
カメラが起動したらピントを合わせて撮影する。NとSHは半押しでオートフォーカス(AF)が可能なシャッターボタンがサイドに用意されているので、カメラに慣れている人ならそれをさっと押せばOK。もちろん、3モデルとも画面上の撮影ボタンを押して撮影することもできる。また、触った所にピントを合わせる機能がそれぞれ用意されているほか、動く被写体にピントを合わせる追尾AF機能もあるなど充実している。
撮影した後の保存時間もケータイカメラでは重要なポイントだ。自動保存はオフにし、12Mの高画質写真をmicroSDに保存する設定で測ってみた。
普通に比べると、SHが断トツに速い。
だがしかし、Nには秘密兵器があった。クイックショットモードである。このモードにすると撮影間隔が“デジカメ並に超高速”になり、撮影したら約1.5秒で次の写真を撮れる。もちろんバックグラウンドで自動保存してるのである。撮影後の画像も画面右下に小さく表示されてフェードアウトするので撮影画像確認もなんとかできる。これは超快適だ。
ただ、クイックショットを選択するとシーンモード選択ができないし、タッチパネルの撮影ボタンを押した時のオートフォーカスが省略されてしまう。それでも、常用したくなるほど快適だ。これは素晴らしい。
よって、もっとも撮影が快適なのはN。続いてSHとなろう。
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