AMDアワード、大賞は「セカイカメラ」 理事長賞は「ドラゴンクエストIX」

» 2010年03月17日 21時37分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo 受賞者と審査会のメンバー

 社団法人デジタルメディア協会は3月17日、優秀なデジタルコンテンツやサービスを表彰する「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'09/第15回AMD Award」の授賞式を開催した。「優秀賞」として選出された合計10作品の中から、「大賞/総務大臣賞」にiPhone向け拡張現実(AR)アプリ「セカイカメラ」が選ばれたほか、「AMD 理事長賞」にニンテンドーDS向けソフト「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」が選出された。


photo 原口一博総務大臣は祝辞の中で、「総務省は変わった。みなさん1人1人の挑戦をしっかり信じる。規制だ何だということは一切しない。余計なことをやったら、Twitterでつぶやいてほしい」と話した

 セカイカメラは、現実空間に電子情報を重ね合わせるARサービスの中でも「分かりやすさと可能性で多くの人々を魅了した」「AR台頭元年をメイド・イン・ジャパンで飾った」といった点が評価され、大賞を受賞した。開発した頓智ドットの井口尊仁代表は、贈呈されたトロフィー“モノリス”にちなんで、同社が実現を目指すセカイカメラ専用デバイスのモックアップを取り出し、「これが我々のモノリス。日本のイノベーターマインドはまだまだ健在だと思っている。ハードウェアデバイス、ソーシャルコンテンツ、Webサービスなど、日本中の知恵や熱意を集めて世界に出ていきたいと思っている。専用デバイスがいつ実現するかは分からないが、夢を語り、未来に向って走っていく姿勢を、この機会にアピールしたい」と語った。

photo 「ITの世界では大きい節目に黒船がやって来たが、我々は逆黒船になりたい。90年代はマイクロソフト、2000年代はグーグル、2010年代はセカイカメラとなるように、さらに進化していきたい」(井口氏)

 理事長賞に選ばれたドラゴンクエストIXは、日本を代表するゲームシリーズであるドラゴンクエストの新作として、「初めて携帯ゲーム機のプラットフォームでWi-Fi機能も駆使して開発され、シリーズ最高の売上を記録した」「ドラクエファンの高い期待に応えた」ことが評価された。ゲームデザイナーの堀井雄二氏は、「携帯ゲーム機でやろうということになり、画面も容量も小さく、本編に値する作品ができるかプレッシャーあったが、完成した。どこでもゲームができたり、すれ違い通信ができたりするのは今の時代に合っていた」とコメントした。

photo ドラゴンクエストIXのすれ違い通信機能や、サンシャイン牧場、Twitter、トモダチコレクションなどを例に挙げ、「デジタルコンテンツといえども、人は人が好き。コンテンツは人の温かみなどに触れるメディアだ」と堀井氏は語った

 そのほか第15回AMD Awardでは、1993年にアニメ製作支援ソフト「RETAS!PRO」を発売し、マンガ製作ソフト「ComicStudio」などクリエイターにデジタル製作環境を提供してきたセルシスの川上陽介取締役が「功労賞」を獲得。新人賞にあたる江並直美賞には、SOURの楽曲「日々の音色」のプロモーションビデオでWebカメラを活用した演出が話題となった、川村真司氏が選出された。地域密着型の作品を表彰するリージョナル賞には、北海道函館市の観光PR動画「函館壊滅!?タワーロボVSイカール星人シリーズ」が選ばれた。

年間コンテンツ賞「優秀賞」の獲得作品
作品 制作・関連会社等
映画「アバター」 ライトストーム製作、20世紀フォックス映画配給
映画「サマーウォーズ」 「サマーウォーズ」製作委員会
Crunchyroll Crunchyroll Inc
セカイカメラ 頓智ドット
Twitter Twitter,Inc、デジタルガレージ Twitterカンパニー
特ダネ投稿DO画 日本放送協会、NHKグローバルメディアサービス
BeeTV エイベックス通信放送
トモダチコレクション 任天堂
ドラゴンクエストIX 星空の守り人 スクウェア・エニックス
mixiアプリ ミクシィ

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