明治から現代までの東京を時間軸で切り替え――「東京時層地図」App Town ナビゲーション

» 2010年09月24日 19時20分 公開
[園部修,ITmedia]
Photo 今いる場所の古地図などが気軽に参照できる「東京時層地図」

 不思議に入り組んだ市区町村の境界線や曲がりくねった道、変わった地名の由来などに、ふと興味を持ったことはないだろうか。そんなときは、財団法人日本地図センターが開発したiPhoneアプリ「東京時層地図」を開くといい。明治時代から昭和35年ごろまでの5種類の古地図を内蔵したこのアプリなら、簡単に過去の東京の姿を手の上で確認できる。

 東京時層地図は、文字通り東京の地図を時間の層のように切り替えられるアプリだ。通常価格は2500円のところ、発売記念として10月末まで1500円で販売している。対応機種はiPhone 3G、iPhone 3GS、iPhone 4。iPhone 4のRetinaディスプレイには未対応だが、後日対応予定となっている。OSは3.1.3以上で利用可能だ。表示可能な主な地域は東京23区のほとんどの地域と川崎市(幸区、中原区、高津区)の一部、横浜市(港北区、宮前区、都筑区)の一部、浦安市の一部、和光市、川口市の一部など。

 収録している地図は、明治9〜19年の「文明開化期」、明治39〜42年の「明治のおわり」、大正5〜10年の「関東地震直前」、昭和3〜11年の「昭和戦前期」、昭和30〜35年の「高度成長前夜」の5種類。文明開花期の地図は陸軍参謀本部作成の5千分1東京図測量原図、第一軍管地方2万分1迅速測図原図を、明治のおわりは陸地測量部の1万分1地形図と正式2万分1地形図を、関東地震直前と昭和戦前期は陸地測量部の1万分1地形図と2万5千分1地形図(一部別の地図も使用)を、高度成長前夜は地理調査所の1万分1地形図を元に作成されている。さらに国土地理院の数値地図5メートルメッシュを利用して標高の表示も可能だ。もちろんGoogleマップの表示も可能なので、現代の地図や航空写真もアプリ内でシームレスに参照できる。

 現在位置の取得にはGPSが利用可能。地図の切り替えは画面右下に表示される地図切り替えボタンをタップして行う。地図記号を説明した凡例も参照できる。拡大/縮小した状態は極力保持されるので、まさに“層”を切り替える感覚で地図の時間(時代)を切り替えられる。地図好きなら時間を忘れて見入ってしまうアプリだ。

 地図データはアプリ内に保持しており、Googleマップを使わない古地図はオフライン環境でも参照できる。ただ、アプリの容量が約600Mバイト強あるため、3G回線でのダウンロードはできない。

PhotoPhoto アプリを立ち上げるとまず皇居周辺がGoogleマップで表示される。画面右下のアイコンに触れると時代が選択できるメニューが現れる
PhotoPhotoPhotoPhoto メニューから時代を選ぶと、ほぼ同じ拡大率で同じ場所の地図が表示される。画面は汐留付近を表示したもの。地図を選ぶと次々に時代が切り替えられる
PhotoPhotoPhotoPhoto 現代の地図はGoogleマップで参照できる。地図、航空写真、航空写真+地図の3種が選択可能だ

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