「Androidの可能性は限りない」──「GALAXY」発売のドコモ、ラインアップ拡充でiPhoneに対抗

» 2010年10月05日 18時22分 公開
[ITmedia]
photo GALAXYを披露するドコモの山田社長(左)とSamsungの申氏

 NTTドコモが10月5日、Android搭載スマートフォン「GALAXY」2機種の年内発売を発表し、「今年度にスマートフォン100万台販売」の目標達成に向けて拍車をかけた。さらにおサイフケータイ対応モデルなど5機種の発表を控えており、多様なニーズに合わせてラインアップを拡充。山田隆持社長は「iPhoneに十分対抗できる」と自信を見せる。

 韓国Samsung Electronics製の「GALAXY S」(10月下旬発売)と「GALAXY Tab」(11月下旬発売)は、それぞれAndroid 2.2とFlash Player 10.1を搭載したスマートフォンとタブレット型端末の日本版。GALAXY Sは4インチ(480×800ピクセル)のマルチタッチ対応スーパー有機ELディスプレイ(SUPER AMOLED)を搭載。昼間の屋外でも見やすいなどの特徴を持つ。

 GALAXY TabはSamsung初のタブレット製品。7インチ(1024×600ピクセル)のマルチタッチ対応液晶ディスプレイを備える。3G通信とWi-Fi(IEEE 8802.11b/g/n)に対応し、3Gによる音声通話も可能だ。

photophoto GALAXY Sのスーパー有機ELはビビッドな発色。Twitterやmixiの投稿を確認できるSNS Browserなどがプリインストールされる。500万画素カメラでは720pのハイビジョン動画撮影が可能
photophoto 大きさ、重さとも片手で無理なく持てるGALAXY Tab。iPadと比べ一回り以上小さい
photo GALAXY Tabは音声通話も可能。spモードではデコメも使える

 GALAXY SはSamsungが今年発売し、既に500万台を販売。今も「2秒に1台売れている」という。日本向け仕様ではOSをAndroid 2.2にアップデートした上、電子書籍サービスや、デコメが使える「spモード」などドコモのサービスに対応。Samsung Electronics無線事業部長 社長の申宗均(シン・ジョンギュン)氏は「2.1に比べ2.2は早く、Flashにも対応しており、日本のユーザーにとってフレンドリーだ。iPhoneなど競合他社に十分対抗できる」と話す。

 一方で、日本向けではテザリング機能が利用不可になっているほか、インカメラ、FMラジオ機能が省かれている。ドコモは「日本のユーザーに最適な機能に絞り込んだ」と説明している。

 価格について、山田社長は「新規の2年契約の場合、GALAXY Sは3万円を切る程度、GALAXY Tabは4万円弱」となる見通しを話した。

 GALAXYはドコモが少なくとも今年度中は優先的に販売する契約になっており、その後はSamsungとの交渉次第という。

「スマートフォン新時代にふさわしい」

photo GALAXY Sのスーパー有機EL「SUPER AMOLED」(スーパーアモレッド)は、反射率4%(Samsung製TFT液晶は16%)、高い色再現性、1万:1のコントラスト比が特徴だ

 「世界を代表する企業であるSamsungからGALAXYを発表できることをうれしく思う」──ドコモの山田社長は、この日午前の「CEATEC JAPAN 2010」開幕に合わせて都内で開いた発表会をSamsungへの謝辞でスタート。GALAXY Sのスーパー有機ELディスプレイによる表示の美しさをアピールし、「ドコモが掲げる『スマートフォン新時代』にふさわしいモデルだ」と胸を張った。

 「Flashを搭載しているのでネットやゲームがPC並みの表現で楽しめる」「GALAXY Tabは片手で持てる。スーツの内ポケットにも入るサイズで、家庭はもちろん外出先にも気軽に持ち出せる。オールラウンドなジャストフィットタブレットだ」──と、iPhone/iPadへの対抗意識を感じさせるプレゼンテーションは、「GALAXYの高い性能はドコモの高品質なネットワークに接続することで生かされる」とドコモのメリットをPRしながら締めくくった。

 Samsungの申氏も「ワールドクラスの通信キャリアであるドコモとともにこの日を迎えられたのは喜ばしい。われわれのパートナーシップにとって記念すべき日だ」とドコモに感謝し、同社担当者のプレゼンテーションでは「500万台売れたGALAXY Sがグローバルスマートフォンの勝者とすれば、GALAXY Tabは新しいスマートメディアデバイスの開拓者と呼べる」と自賛。「優れたディスプレイと最新機能を備え、日本市場にとってもレベルが高く、ニーズに合った端末だ」と国内市場への浸透に自信を見せた。

11月にはさらに5機種発表──「iPhoneに十分対抗できる」

photo 10月下旬から始める電子書籍トライアルサービスで無料配信する雑誌には、動画やクリックによる電話発信機能などが埋め込まれている

 国内のスマートフォン市場では、ソフトバンクモバイルが販売するiPhoneが先行している。山田社長は「世界でもiPhoneが先を走り、その後をAndroidが追いかけている」と認めながら、「Androidの可能性は限りなくあるのではないか」と期待する。

 年度当初に「今年度にスマートフォン100万台販売」を掲げ、4月に発売した「Xperia」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製)は50万台近くを販売。「思った以上にスマートフォンを手にしていただける」と手応えを感じているという。

 iPhoneへの対抗策の1つがラインアップ拡大だ。「新感覚のエンターテインメントマシン」というXperiaに対し、GALAXYは「初めて使う方でも好評価をいただけるのでは」とより汎用的な位置付け。さらに5機種を11月の冬モデル発表会で公表する予定で、前日にKDDIが発表した「IS03」(シャープ製)のように、おサイフケータイやワンセグなど、従来型携帯電話(フィーチャーフォン)からの乗り換えにも対応できる機能を備えたモデルも含まれるという。「iPhoneに十分対抗できる商品だ」

 多様なニーズに合わせた端末数の拡大と、spモードや電子書籍サービス、Androidアプリの「ドコモマーケット」などのコンテンツ拡充という両輪でiPhone/iPadに対抗していく考えだ。100万台の目標はすでに射程圏内。山田社長は「GALAXYの投入で拍車がかかり、当初目標の100万台は達成できるのではないか。何としても達成し、さらにプラスアルファを上積みしたい」と意気込んだ。

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