申請から3週間――「バーコードカノジョ」はまもなく配信!?

» 2010年10月14日 09時28分 公開
[園部修,ITmedia]
Photo レビュー中のまま3週間が経過したという「バーコードカノジョ」

 サイバードが開発している、バーコードをスキャンしてカノジョを生成するユニークなiPhoneアプリ「バーコードカノジョ」。8月10日の発表では、9月中旬に無料版の配信を開始するとしていたが、App Storeでの審査が長引いているようで、10月14日の時点でもまだ配信が始まっていない。そんなバーコードカノジョの開発に携わるサイバード コンテンツ事業本部 第1ビジネスユニットの大山亮介氏が、4001field主催のイベント「I Love iPhone vol.9」に登壇し、バーコードカノジョでできることや今後の展開を披露した。

 バーコードカノジョは、iPhone 3GSとiPhone 4で利用できる、バーコードを撮影して“カノジョ”を生成し、それを集めることがメインテーマのアプリ。サイバードの大山氏は海外メディアに名付けられた「ソーシャルオブジェクト ネットワークデーティングシミュレーションゲーム」という名称で呼んでいる。

 カノジョは1つのバーコードに対して1人が生成される仕組みで、生まれるキャラクターのパターンは約7兆通りにも上る。キャラクターはバーコードに含まれる国コードを元に肌の色や髪の色などが決定される仕組みだ。例えば日本の製品のバーコードを読み取るとアジア人になり、肌や髪の色も見慣れた色合いとなる。タイの製品だとだと少し色黒だったり、アフリカ製品だと肌が黒かったり、欧州の製品だと金髪のカノジョが多く生成されたり、南米の製品はラテンな感じだったりするらしい。

PhotoPhotoPhoto バーコードを読み取るとカノジョが生成される。カノジョには名前、商品名、商品のジャンルなどを設定する
PhotoPhotoPhoto 生成されたカノジョはコレクションに。カノジョのステータスを開くとコミュニケーションが取れる。カノジョは「Live2D」の技術を採用しており、指をタップしたりスライドしたりするとそれに合わせてさまざまなリアクションを見せる
Photo 生成されるカノジョはバーコードの国情報などを元に国籍が決まる。国籍に応じて生まれるカノジョの肌の色や髪の色などの雰囲気が変わる

 大山氏はバーコードカノジョを「モノチェックインサービス」の要素が強いと話す。Foursquareやロケタッチのように、場所にチェックインするサービスが一部で流行しているが、バーコードカノジョはモノに対してチェックインするサービスという側面を持つ。米国で話題の「StickyBits」や「Barcode Hero」、「はてなモノリス」などに近い雰囲気だと大山氏は指摘する。ただ、バーコードカノジョを構成する要素はそれだけにとどまらない。ビックリマンシールを集めるような感覚や、「ポケットモンスター」シリーズのようなゲーム性、バーコードバトラーのような他のユーザーと競争するソーシャル性、そして「ラブプラス」のような女の子とのコミュニケーションといった要素も合わせ持つ。

 遊び方は簡単だ。アプリを起動し、カメラを立ち上げてバーコードをかざすと、自動的にバーコードをスキャンし、女の子のシルエットが浮かび上がり、一度もカノジョが生成されていないバーコードだった場合は新しいカノジョが生成される。描き出されたカノジョには名前と商品名を入力し、カテゴリーを選択して保存する。カノジョを生成すると、自分が持っている体力ポイントを消費するため、どんどんバーコードを読み取ってカノジョを次々と生成するといったことは容易にはできないようだ。

PhotoPhoto バーコードカノジョは「モノチェックインサービス」だとサイバードの大山氏は言う。

 カノジョとは、アプリ内でのふれあいなどを通して愛情を高める。カノジョはサイバーノイズが開発した「Live2D」という技術により、ユーザーの操作に合わせてさまざまなリアクションを見せる。他のユーザーが、自分がすでにカノジョを生成したものと同じバーコードをスキャンした場合、愛情が低いとそのカノジョは他のユーザーに奪われてしまう。そうならないためには、カノジョとのラブレベル(愛情)を高めておく必要がある。ラブレベルが高いと、他のユーザーに奪われるのを防げるという。


Photo サイバード コンテンツ事業本部 第1ビジネスユニットの大山亮介氏

 アプリは現在レビュー中で、申請から3週間ほどが経過しているが、まだリリースできないという。今は毎日ステータスをチェックしている状態だ。

 バーコードカノジョの今後の展開としては、「ライフログを記録するような機能を拡充したい」と大山氏は言う。モノチェックインサービスの要素が大きいバーコードカノジョを使って、自分が持っているものや買ったものなどがあとから参照できるような機能があれば、カノジョを生成するという目的以外にもいろいろ活用できそうだ。またカノジョの多様性、例えば洋服やアクセサリー、メガネの有無などの細かな部分やリアクションなども増やしていきたいという。

Photo バーコードカノジョはコラボレートするパートナーを募集中。一緒に何か面白いことをやりたい、という開発者の方はぜひ tieup@barcodekanojo.com まで

 またバーコードカノジョはAPIを公開する予定で、大山氏は「他の開発者が作るアプリとの連携を進め、いろいろなアプリを作れるプラットフォームにしていきたい」と意気込んだ。例えば自分のカノジョの情報をほかのアプリが読み出して、バーコードカノジョでは楽しめないようなディープな恋愛シミュレーションゲームが作れたり、自分のカノジョをシューティングゲームのキャラクターとして別のゲームに登場させ、そのゲームの履歴がバーコードカノジョの中に思い出として記録されるような仕掛けができたらいい、と夢は広がる。

 こうした協業に興味がある人は、tieup@barcodekanojo.com まで連絡してほしいと大山氏。リリースまでに長い時間を要しているバーコードカノジョだが、単にカノジョを生成し、奪い合うゲームではなく、さまざまな広がりが期待されるタイトルになりそうだ。

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