実効速度は?「ドコモに劣るとは思わない」──イー・モバイル、11月19日に最大42Mbpsサービス開始HTC製Androidスマートフォンも年内投入(1/2 ページ)

» 2010年10月28日 17時35分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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下り最大42MbpsのDC-HSDPAサービス、月額料金は据え置き

photo 2010年内に発売予定の「HTC Aria」を手にするHTC Nipponのデビット・コウ社長(左)、DC-HSDPA対応データ通信端末「D41HW」を手にするイー・モバイルのエリック・ガン社長(右)

 イー・モバイルは10月28日、より高速な3Gデータ通信 DC-HSDPAサービスを11月19日に開始すると発表。同時にDC-HSDPAなどの高速通信サービスや端末を示す新ブランド「EMOBILE G4」を立ち上げた。

 DC-HSDPAは、隣接するダウンリンクチャネル2つを割り当てて(デュアルセル)通信する方法を用いた通信方式。理論上は現在サービスを展開するHSPA+(下り最大21Mbps)の2倍となる、下り最大42Mbpsまで通信速度が向上する(上りは最大5.8Mbps)。最大42Mbpsでの通信は、対応エリアにおいて「D41HW」などのDC-HSDPA対応端末で行う。

 DC-HSDPAサービスは、まずは関東、東海、関西、北海道、九州の主要31都市から。順次サービスエリアを拡充し、2010年度内(2011年3月末まで)に人口カバー率40〜50%を目指す。DC-HSDPA非対応エリアでは既存のHSPA+など、設置基地局の仕様に応じた通信速度で利用できる。


photophotophoto 理論上の最大速度は下り42MbpsとなるDC-HSDPA。首都圏の一部エリアで測定したサービス別の速度比較。条件がよければ21Mbpsサービスで2倍、7.2Mbpsサービスで約3倍の実効速度が出るという(写真=中央)。当初のサービスエリアは関東、東海、関西、北海道、九州の主要32都市(の一部)から。順次拡大し、2010年度内に人口カバー率50%を目指すという。なお、同社のエリアマップでは今回の42Mbpsサービスと21Mbpsサービスを合わせて「G4エリア」として記述されるようなので、42Mbpsが対応エリアがズバリどこか──は示されない(ただ、中央写真の測定スポット付近は対応エリアとなっていると思われる)

 料金プランは新たに「G4データプラン(B/データプラン)」を設定する。既存21Mbpsサービス向け「データプラン21」がそのまま「G4データプラン」に置き換わる仕組みとなり、基本料金は据え置き(同一)。にねんS(2年契約で端末価格2万1600円分値引き)契約時のG4データプランBは、月額4480円となる。これまでのデータプラン21は2010年11月18日で終了し、同19日よりG4データプランに自動移行となる。なお、帯域制限などの規制条件も同一で、24時間ごとに300万パケット・366Mバイト以上を利用した場合、ネットワーク混雑時間帯(当日21時から翌日2時)に帯域制御が行われる。

 新ブランドのEMOBILE G4は、3G/HSPA規格を用いる“Global”、モバイルインターネットの新たな展開とする“Generation”、高速ネットワークをより成長させる“Growth”とともに、3.6Mbpsのデータ定額制を導入した開業時(2007年3月)、7.2Mbpsへの高速化(2007年12月)、21Mbpsサービス(HSPA+)の開始(2009年7月)と経た第4の進化/42Mbpsサービスの開始を意味する。

photophotophoto 料金プランは既存のデータプラン21から「G4データプラン」にそのまま移行となり、料金や帯域制御までの条件は同じ(写真=左)。21Mbpsサービスを含む高速サービスや端末向けとして、今後は「EMOBILE G4」ブランドが使われる

 首都圏など利用者が多いエリアにおいて、“最大速度が上がるのはいいが、既存サービスの実効速度が低下傾向にある。こちらを増強するのが先ではないか”という問いには「DC-HSDPAの(対応基地局に切り替える)展開に合わせて工事を行っているので、既存7.2Mbpsエリア効率化の向上にもつながると考えている。Pocket WiFiなどの既存端末を利用するユーザーも、DC-HSDPAの開始によって実効速度が改善されるよう努力している」(イー・モバイル 阿部基成副社長)とし、既存ユーザーに対するサービス改善も期待できるという。

 「LTEに行く前に40Mbpsに達したかった。規格が異なるLTEと違い、既存のHSPA設備を有効利用しつつ、サービスを向上させたがポイント。最大速度という面では十分戦っていけると思う。既存3Gデータ通信についてもドコモに対して速度が劣っているとは思わない」(イー・モバイルのエリック・ガン社長)

photophotophoto DC-HSDPA対応のデータ通信端末第1弾は、Huawei製のUSB接続型端末「D41HW」。ベーシック価格は4万1580円、にねんS利用時は1万9980円となる
photophotophoto デザインに面白みや特殊なギミックなどはないが、ほどよく小型だ。サイズは40(幅)×78(高さ)×15.5(厚さ)ミリ、重量は約33グラム。強電波エリアと思われるイー・モバイル社内で計測した実効値は下り22Mbps、上り1.77Mbpsだった
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