イー・モバイルが発表したHuawei製の「Pocket WiFi(S31HW)」は、テザリング機能を備えたAndroid端末。OSはAndroid 2.2をサポートしており、音声通話も可能。「Pocket WiFi」の後継機種に位置付けられ、「S」は「Simple & Smart(シンプルな操作性とスマートな機能)」を意味する。発売は2011年1月中旬を予定している。
Pocket WiFiはモバイルWi-Fiルーター機能に特化したモデルだが、Pocket WiFi Sはスマートフォン機能を備えているのが大きな違い。Pocket WiFiにはない通話、インターネット接続、カメラ、メールなどを利用できるが、当然サイズと重さは増している。Pocket WiFiの約48.6(幅)×95.5(高さ)×14.1(厚さ)/約80グラムに対し、Pocket WiFi Sは約54.8(幅)×104(高さ)×13.5(厚さ)/約105グラムで、厚さ以外はPocket WiFi Sの方が大きい。とはいえ、スマートフォンとしては軽量コンパクトだろう。
本体メモリ(ROM)は512Mバイトで、2GバイトのmicroSDが付属する。ボディカラーはブラック1色だが、女性ユーザーを狙い、ブルーとピンクのカバーを同梱した。
モバイルWi-Fiルーターとしての機能はPocket WiFiと同等で、最大5台のWi-Fi対応機器と接続できるほか、USB接続によるデータ通信も可能なので、実質的には6台の機器と接続できる。ちなみにHTC製のイー・モバイルのAndroid端末「HTC Aria」のテザリング機能では最大8台の機器と接続できる。接続台数が異なるのは「CPUの性能が異なることが影響している」(説明員)という。Pocket WiFi SのプロセッサーはPocket WiFiと同じMSM7225(528MHz)、AriaのプロセッサーはMSM7227(600MHz)を採用している。連続待受時間はPocket WiFiの約100時間から約240時間に向上。3Gエリアでの連続通信時間は2機種とも約4時間。バッテリー容量は1200mAhで、Pocket WiFiの1500mAhからはダウンしている。
Pocket WiFi Sならではの機能として、ホーム画面からテザリング機能をワンタッチで切り替えられるウィジェットを用意した。これはイー・モバイルがPocket WiFi S用に開発したもので、Android マーケットにも配信されず、Ariaにも搭載されない。ウィジェット経由でセキュリティ設定も行える。
なお、Pocket WiFi Sは「IDEOS」という製品名の低価格なスマートフォンとして、香港、米国、中南米、東南アジアなどでも発売されている。日本版は日本語対応に加え、Pocket WiFiウィジェットを搭載した点が異なる。上りの通信速度も異なり、海外版の384Kbpsに対して日本版は5.8Mbps。また、海外では「通信キャリアによってはテザリング機能をオフにしている場合もある」(説明員)という。
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