―― カメラ機能だけでなく、タッチUI全般が一新されていますね。
永井氏 発表会のときから大きく変わりました。ここ2カ月くらいで開発しました。
―― それはとても急ですね。シャープでも珍しいと思うのですが。
永井氏 従来機種では企画部門から開発部門に依頼して、開発がスタートするのですが、今回は開発部門側から待受を作り変えようと提案があったのがきっかけになりました。脇から直接提案があったんですよ。
脇氏 これまでの階層メニューはフルタッチでは使いにくい。しかも待受画面には、ウィジェットやショートカット、(待受)画像もある。いろんなものを置くのなら1つの世界観、すべてを統合した入口にしたいと思ったんです。ただしメーカーの押し付けではだめ。将来的にユーザーの表現の場となる、そこにメーカーの思いを少し加えればいい。ユーザーが自由に着せかえられて、全然違うコンテンツを載せられるようにもしたいと思ったんです。
永井氏 iPhoneやAndroid端末に触れている人にも選んでもらうわけですから、この端末を買ってもらうにはタッチUIの一新は避けられないと思いました。これまではハードキーを使うことを前提にタッチUIを作っていましたが、キー操作をまったく考えないで作ることにしました。従来のシャープ端末のタッチパネルでは、ワンタッチで起動したり、ツータッチで起動したりと操作法がバラバラだったところは、ワンタッチでの起動にルールを統一しました。さらに、プロジェクトチームを作ってそもそも「待受画面とは?」と再定義を始めました。そして完成したのが、今回新しくなった「待受アクセサリ」です。
脇氏 なるべく深い階層までアクセスせずに済むよう、よく使う機能を一番最初の画面にしました。HOME画面はショートカットやウィジェットを自由に配置でき、縦方向にスライドして使います。アイコンリストというウィジェットを使うと、自分が使うアプリのみで構成したメニューを作ることもでき、お勧めです。横方向にスライドするとページが切り替わり、「電話」「メール」「静止画閲覧」用のページが現れます。
永井氏 「ケータイ」なので、やっぱりよく使うのは電話とメールですから。電話アクセサリではワンフリックで電話ができて、静止画アクセサリでは、メールに添付された画像をメールを開かずに見られます。またカメラも個別の機能をショートカットで貼れるので、目的の撮影機能をすぐに使えます。
タッチ操作で写真をアドレス帳に登録できますし、文字入力はフリック入力も可能です。それぞれの機能を「使いたい」と思わせるよう工夫しています。HDMIの機能でも、使ってみると分かりますが、タッチでダイレクトに操作できるように工夫しています。また、AQUOSのリモコンで操作することも可能です。
―― 待受画面のタッチUIにはどんな技術を使っているのでしょうか。
脇氏 Flashです。コンテンツを自由に着せ替え可能にしたとき、多くの開発者が参入するだろうと思いました。Flashはスクリプト処理を行うので、パフォーマンスが遅いのですが、その高速化の限界に挑戦しています。
―― メニューアイコンも変わっていますね。
永井氏 細かいところですけどね。今回待受を作り変えるに当たって、アイコンについても新たにデザインし直すことにしました。グラフィカルなアイコンを採用していますので、だいぶ見栄えも変わりました。
脇氏 これまでの階層メニューを使っている人は、最初は慣れないかもしれませんが、使うほどに利便性を感じられるので、使い続けてほしいですね。
永井氏 タッチUIだけでなく、SH-05Cのハードキーにもこだわりました。ケータイとして使うにはオンフック/オフフックが必要、カメラのズームもハードキーが使いやすい、という具合です。ズームのキーはシーソーキーになっていて、簡単にロックができます。触ってみるといろんな発見があるので、ぜひ一度触れてみてもらいたいですね。
SH-05Cは最近のケータイでは珍しい光学3倍ズームを搭載し、テンキーのないフルタッチ形状を採用するなど、先進性と個性を兼ね備えたモデルに仕上がった。一見するとスマートフォンのようだが、従来のシャープケータイのDNAを受け継いだiモード端末でもある。高性能なカメラとタッチUIにより、新しい“ケータイ”を体験できることは間違いない。
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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年2月20日