Android端末はケータイのテンキーを備えておらず、タッチパネルでの操作が基本となる。そのタッチ操作を補助するデバイスとして、ディスプレイの下に物理キーやセンサーキーを搭載している。これらのキーには、ホーム画面に戻れるホームキー、サブメニューを呼び出せるMENUキー、1つ前の操作に戻れるクリアキー、アプリやWebの検索ができる検索キーなどが含まれる。
ただしここのキーの種類や配列は端末によって異なり、メーカーやキャリア間でもあまり統一されていない。そこで、今回取り上げた12機種のキー配列がどのようになっているかを見ていこう。
まず、ディスプレイ下部のキーは「物理キーのみ」「センサーキーのみ」「物理キーとセンサーキー」を搭載する機種に大きく分けられる。物理キーのみは「LYNX 3D SH-03C」「REGZA Phone T-01C」「GALAPAGOS 003SH」「Libero 003Z」、センサーキーのみは「GALAXY Tab」「IS03」「DELL Streak 001DL」「HTC Desire HD 001HT」。物理キーとセンサーキーを備えるのが「GALAXY S」「SIRIUS α IS06」「HTC Aria」「Pocket WiFi S」だ。GALAXY SとIS06はホームキーのみが物理キー、Pocket WiFi Sは十字キーと決定キー、発話/終話キーが物理キーとなっている。また、HTC Ariaは4つのセンサーキーと光学ジョイスティックを備える。
センサーキーと物理キーのどちらが押しやすいかといえば、タッチパネルに触れる感覚で軽くタップするだけで押せるセンサーキーの方が押しやすい。筆者はGALAXY SとIS03を常用しており、この2機種はクリア操作やサブメニュー呼び出しがセンサーキーから行える。そんな操作に慣れた状態で003SHなど物理キー付きの機種を使うと、キーを少し強く押す必要があるので、軽く違和感を覚えた(慣れれば大きな問題ではないが)。また、物理キーはキー部分が突起するが、センサーキーならそれがなく、フラットなボディに貢献するというメリットもある。ただし後述するが、ディスプレイ下部のキーがすべてセンサーキーだと、スリープ状態から復帰させにくいというデメリットもある。
キーの種類は、どの機種もホーム/クリア/MENUキーは備えているが、GALAXY TabとIS03、HTC端末、Pocket WiFi Sは検索キーも備えている。SH-03CはAndroid端末では珍しく、電源キーがディスプレイ下部(右下)にある。一般のケータイ感覚で使えそうだが、ホーム画面に戻る際に(待受画面に戻るのと同じ感覚で)つい電源キーを押してしまう。スマートフォンで電源キーを押すとディスプレイが消灯するので、そのたびにロック解除して再点灯させる必要がある。慣れの問題かもしれないが、電源キーの場所はほかの機種と同じく右側面などでよかったのではと思う。
HTC AriaとPocket WiFi Sは十字キーと決定キーも備えているので、細かくカーソル移動したいときに重宝する。Pocket WiFi SはAndroid端末は珍しく、発話/終話キーを搭載している。スマートフォンでは画面の「終話」を押さないと通話が終了しないことが多いので、ケータイのように物理キーから終話できるのは親切だ。Pocket WiFi Sは終話キーからもホーム画面に戻れるので、ケータイと同じように使える。
キー配列は、シャープ、Samsung端末、T-01Cなど左からMENU/ホーム/クリアキーとなっている機種と、HTC端末、001DL、Z003などホーム/MENU/クリアの順になっている機種に分けられる。端末のデザインやサイズの問題から難しいのかもしれないが、機種変更することを考えると、キーの種類と配列はある程度は統一してほしい。
デバイス | 主なキー配列(左から) | その他のキー | |
---|---|---|---|
GALAXY S | 物理キー+センサーキー | MENU/ホーム/クリア | − |
GALAXY Tab | センサーキー | MENU/ホーム/クリア/検索 | − |
LYNX 3D SH-03C | 物理キー | MENU/ホーム/クリア/電源 | − |
REGZA Phone T-01C | 物理キー | MENU/ホーム/クリア | − |
IS03 | センサーキー | MENU/ホーム/クリア/検索 | − |
SIRIUS α IS06 | 物理キー+センサーキー | MENU/ホーム/クリア | − |
DELL Streak 001DL | センサーキー | ホーム/MENU/クリア | − |
HTC Desire HD 001HT | センサーキー | ホーム/MENU/クリア/検索 | − |
GALAPAGOS 003SH | 物理キー | MENU/ホーム/クリア | − |
Libero 003Z | 物理キー | ホーム/MENU/クリア | − |
HTC Aria | 光学ジョイスティック+ センサーキー |
ホーム/MENU/クリア/検索 | 十字キー+決定キー (光学ジョイスティック) |
Pocket WiFi S | 物理キー+センサーキー | クリア/MENU/ホーム/検索 | 十字キー+決定キー、 発話/終話キー |
先述のとおり、Android端末では電源キーを短押しするとディスプレイが消灯し、スリープ状態になる。ここから復帰させるには、もう1度電源キーや他のキーを押してロックを解除する必要がある。このスリープとロック解除の方法も端末によって異なる。地味な部分ではあるが、これらの操作は1日に何度も行うので、スムーズに行えるのが望ましい。各モデルの解除方法を見ていこう。なお、ロック解除のインタフェースはアプリを追加すると変更できるが、ここでは初期状態の解除方法を確認する。
まずはスリープ解除について。いずれの機種も電源キーから解除できるが、GALAXY S、T-01C、IS06、003SH、003Zはホームキー、Pocket WiFi Sは決定キーからも解除できるので、側面などにある電源キーに触れる必要がない。ホームキーのみ物理キーを備えるGALAXY SとIS06のキー構造は、理にかなっているといえる。ホームキーから画面を点灯させる操作法は、iPhoneでもおなじみだ。SH-03Cはディスプレイ下部に電源キーがあるので、スムーズに解除できる。
一方、GALAXY Tab、IS03、001DL、001HTのディスプレイ下部は全面センサーキーなので、スリープ状態ではキーが機能せず、復帰させるには側面や上端部の電源キーを押す必要がある。HTC Ariaも電源キーを押さないと復帰しない。側面や上端部のキーは比較的小さく、指の移動量が増えるので、操作面ではマイナスポイントといえる。
ロックの解除は、画面下部を左から右方向へフリックする方法を取り入れている機種が多いが、T-01CとHTC端末は下から上にフリックする方法となっている。シャープの3機種では鍵アイコンをスライドさせて鍵穴に入れると解除される。IS03はタッチパネルの感度が悪く、1度で解除するのが難しかったが、1月のアップデート後にタッチパネルの感度が上がり、以前よりスムーズに解除できるようになった。ユニークなのがGALAXY Sで、上下左右(斜め方向でもOK)どの方向からフリックしても解除される。ただ、他の機種に比べてやや強くフリックしないと解除されない感がある。
なお、「No Lock」(外部リンク)アプリを利用すれば、スリープ解除後のロック解除操作を省略できる。ロック解除の操作が面倒な人は試してみるといいだろう。
スリープ解除 | ロック解除 | |
---|---|---|
GALAXY S | 電源/ホームキーのいずれかを押す | 上下左右方向にフリック |
GALAXY Tab | 電源キーを押す | 右方向にフリック |
LYNX 3D SH-03C | 電源キーを押す | 右方向にフリック |
REGZA Phone T-01C | 電源/ホームキーのいずれかを押す | 上方向にフリック |
IS03 | 電源キーを押す | 右方向にフリック |
SIRIUS α IS06 | 電源/ホーム/検索キーのいずれかを押す | 右方向にフリック |
DELL Streak 001DL | 電源キーを押す | 右方向にフリック |
HTC Desire HD 001HT | 電源キーを押す | 上方向にフリック |
GALAPAGOS 003SH | 電源/ホームキーのいずれかを押す | 右方向にフリック |
Libero 003Z | 電源/ホーム/MENU/クリアキーのいずれかを押す | 右方向にフリック |
HTC Aria | 電源キーを押す | 上方向にフリック |
Pocket WiFi S | 決定/電源キーのいずれかを押す | 右方向にフリック |
地味ながら欠かせない機能の1つが、通知ランプだろう。着信時は画面も同時に点灯するのでランプがなくても問題ないが、通知ランプは画面の消灯時に新着メールや着信を把握するのに必要なので、ランプ非対応だとメールや着信に気づきにくくなる。
この中で通知ランプに対応しているのは、SH-03C、T-01C、IS03、001HT、003SH、HTC Aria、Pocket WiFi S。シャープ端末は点滅色と点滅パターンを7種類から選べるので、アドレス帳の人物ごとにランプの色を変えたいといったときに便利だ。GALAXY Sはランプは備えていないが、「NoLED」アプリを利用すると、消灯した画面にドットやアイコンなどを表示させて疑似通知ランプとして活用できる。IS06は着信時はキーイルミが点灯するが、通知ランプとしては機能しない。
この中ではSH-03CとIS03のランプが広範囲に点滅して見やすい。HTCの2機種はやや控えめに点滅する。なお、下記の写真の一部は着信時や設定時のものだが、通知ランプも同じ場所に点滅する。
点滅位置 | カラー | パターン | |
---|---|---|---|
GALAXY S | − | − | − |
GALAXY Tab | − | − | − |
LYNX 3D SH-03C | キー間 | 7色 | 7種類 |
REGZA Phone T-01C | ディスプレイ左上 | 1色 | 1種類 |
IS03 | ディスプレイ下部 | 7色 | 7種類 |
SIRIUS α IS06 | − | − | − |
DELL Streak 001DL | − | − | − |
HTC Desire HD 001HT | ディスプレイ左上 | 1色 | 1種類 |
GALAPAGOS 003SH | ディスプレイ右上 | 7色 | 7種類 |
Libero 003Z | − | − | − |
HTC Aria | ディスプレイ左上 | 1色 | 1種類 |
Pocket WiFi S | ディスプレイ右上 | 1色 | 1種類 |
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