計画停電で想定される携帯電話への影響

» 2011年03月14日 14時50分 公開
[園部修,ITmedia]

 3月14日から、東京電力が首都圏で計画停電を行う計画を発表した。14日の時点ではまだ実際に計画停電は実行されていないようだが、すでに鉄道網などに運休や本数減などが生じており、交通は大きく混乱している。停電が実施されると、信号なども消灯するので、さらなる混乱も予想される。

 停電になれば、携帯電話の基地局などにも電力が供給されなくなるため、自家発電装置を持たない基地局では通信ができなくなる可能性もある。屋内や地下などを中心に、場所によってはケータイでの通話が一切できなくなる場合もあるので注意したい。また携帯電話が圏外になると、電波を探そうとするため携帯電話本体の電力消費が大きくなり、バッテリーの減りが早くなることがある。

 NTTドコモの場合、屋外の基地局には蓄電池などが併設されており、ある程度の停電には対応できるようになっている。計画停電で予定されている1回3時間程度の停電の場合は、ケータイが通じなくなる、といった影響はほとんどないと予想される。ただ、屋内局や地下、トンネルなどは電波が通じなくなる可能性がある。ドコモは万一停電が発生した場合に一部または全域でドコモのケータイが利用できなくなる場合がある施設の一覧を公開しているので、普段利用する施設などが含まれている場合は注意したい。

 KDDIは、現在検討されている1回3時間程度の停電の場合、auサービスは、屋内局をのぞいて、概ね問題ないという。屋外局は、ほとんどが3時間以上運用可能な蓄電池を用意しているとのこと。ただし充電が間に合わないほど短いインターバルで停電が繰り返される場合は通信に影響が出る可能性がある。また屋内局は、大型蓄電池が設置できないなどの条件から影響が出る可能性があるとしている。地下街や商業施設・マンション高層階など電波の入りにくい場所の対策がされている場所や、通話・データ通信量が増えて、音声サービスやEZweb・ISNET・Eメールなどのデータ通信サービスが混雑した場合、時間帯、地域により、つながりにくくなる可能性もある。なおauフェムトセル、auレピータは商用電源が必要なため停電時は利用できなくなる。

 ソフトバンクモバイルでは、基地局によって状況が異なる上、その時間帯にどれだけのユーザーがエリア内にいて、どれくらい通信をするかによっても変わるため、3時間なら絶対に大丈夫、ということはできないものの、計画停電中でも基本的にはケータイは利用できる、としている。

 イー・モバイルも他キャリアと同様で、屋外局は基本的に問題はないという。ただし、屋内局については、つながりにくくなるなどの影響が発生する可能性がある。

 UQコミュニケーションズは、計画停電の実施により、WiMAX通信サービスがつながりにくくなる場合がある、と案内している。ウィルコムも同様で、当該地域およびその周辺で、通信がつながりにくくなることがあるという。

 このほか、当然だが店舗では停電中におサイフケータイなどの電子マネー決済ができなくなるほか、クレジットカード決済などもできなくなることを想定しておく必要がある。現金はある程度持っておく必要がある。

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