コロプラの前身である「コロニーな生活」は2003年5月にスタートした。携帯電話のGPS機能を使って位置登録をし、移動した距離に応じてコロニー(植民地)を育て、人口を増やしていくというゲームだった。この基本コンセプトは今も変わっていない。
2005年5月、「コロニーな生活☆PLUS」としてリニューアル。このときに「お土産」(位置登録した場所に応じて、特定の場所でだけ入手できる)や「アイテム」(コロニーを模様替えできるフィールドテーマや特定のイベントで使えるものなど)などの要素が加わった。その後もコロプラはさまざまな要素を追加して、位置情報や時間経過をキーにしたいろいろな楽しみ方が可能な多面的な位置ゲーになっていく。位置情報サービスというと「foursquare」が有名だが、foursquareが「さまざまな場所に行って/同じ場所に何回も行ってバッヂを集める」というシンプルなルール(参照記事)なのに対し、コロプラはたくさん移動する人も移動しない人も、それぞれに遊べるようになっているのが特徴だ。
2007年、NTTドコモのiエリアに対応、GPS機能が付いていない携帯電話でも、基地局情報を使うことで位置情報を登録できるようになったのが、急激なユーザー増のきっかけになった。
ユーザー数が増えたことを受け、次に打ち出したコンセプトが「Internet to Real」だった。ネットから、いかに人をリアルに動かすか。その例の1つがコロカ店舗だ。コロカ店舗は日本全国に散らばっており、公共交通では行くのが大変な場所にある店舗も少なくない。「コロプラがきっかけになって、お出かけをしてもらいたいんです。行きにくいところにも行ってほしいし、できるだけ全国に、という思いがあるので、県ごとに4店くらいまでという目安を決めています。現在コロカ店舗は約100店ありますが、上限は200店と決めてるんです」(コロプラ代表取締役、馬場功淳氏)
コロプラでは、コロカ店だけでなく、東京メトロやJR各社、近鉄といった交通機関と提携してコロプラ用のきっぷを発売したり、リクルート、じゃらんといった旅行関連会社と提携してコロプラツアーを行ったりしている。いずれもコロプラをきっかけに人が動いてくれること、「Internet to Real」の実践例だ。
「コロプラの収入は、リアル事業(コロプラ店舗や宿、きっぷなどからの売上)と、ゲーム内の売上(アイテム売上や広告など)に分けられます。今は圧倒的にゲーム内売上が多いですが、リアル事業の売上を伸ばしていきたい」(馬場氏)
いま、馬場氏がコロプラ最大の課題と考えているのが一般への認知拡大だ。現在コロプラではローソンや伊藤園と共同でキャンペーンを行っているが(参照リンク)、これはコロプラの名前をよりたくさんの人に覚えてもらうための施策だという。「ユーザーはもっと増やしていきたい。現在約194万人、毎月7万〜8万人ずつのペースで増えていますが、1000万、2000万人くらいのユーザー数を目指したいんです。まずは『コロプラ』という名前を覚えてもらうこと。テレビCMも準備しています」(馬場氏)
「物産展をやりたいね、という話は1年くらい前からしていました。でも、計画が本格化したのは今年に入ってからです。震災が決め手になりました」(馬場氏)
東日本大震災が起きたとき、コロプラではさまざまな形で東北への支援を行った。延べ6万4855人のユーザーから集めた約4000万円に、コロプラ社からの1000万円を足し、計5000万円超を日本赤十字社に寄付。このほか、被災地など電波状況が不安定な場所で電波状況や基地局を確認できる「位置登録実績マップ」(参照リンク)の提供するなどの活動も行っている。
コロカ店舗は東北にもたくさんある。「震災が起こって、(東北のお店を)応援しなくちゃ、自分達らしいやり方で、と思って。それで3月に物産展をやろうと決意しました。電力が心配だったので『夏になる前の6月にやろう』と決めて、4〜5月で準備をしました」(馬場氏)「今回の物産展では陶器や食品、その他工芸品などまんべんなくさまざまなジャンルの店舗にご協力いただいていますが、東北の店舗は特に重視しています」(広報担当)
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