イー・モバイル、夏の新製品5モデル──42Mサービス月額3880円キャンペーンでWiMAXにも対抗7型タブレット、42Mサービス対応ルータなど

» 2011年06月15日 04時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

今後「タブレット機器」を本格的に市場投入、“音声サービス”ももっと使ってほしい

photo 左からイー・アクセスのエリック・ガン社長、千本倖生会長、Huawei Deviceのワン・ビャオCEO、ファーウェイ・ジャパンのシェン・イェ端末本部統括部長。ちなみに今回の新モデルはすべてHuawei製端末。ワンCEOは「日本はもっとも重要なリーディングマーケットとして見ている。今後もイー・アクセスと積極的に連携し、多種多様な環境をシンプルにし、快適な生活を提案できる機器を提供したい」と述べた

 イー・アクセスは6月14日、イー・モバイルブランドのポータブル無線LANルータ・スマートフォン・タブレット、全5つの新モデルを発表。2011年7月以降、順次発売する。

 ラインアップは、下り最大42Mbpsの“EMOBILE G4”対応のポータブル無線LANルータ「Pocket WiFi(GP02)」、同42Mbpsサービス対応のUSBデータ通信端末「GD01」、重量104グラム・厚さ111.2ミリのAndroid 2.3スマートフォン「Pocket WiFi S II(S31HW)」、ダイヤルキー+ストレートボディを特徴とするのAndroid 2.3スマートフォン「S42HW」、7型サイズのAndroid 2.3タブレット「A01HW」の5つ。Pocket WiFi(GP02)とGD01は下り最大42Mbps/上り最大5.8MbpsのDC-HSDPA通信に対応、S31HWとS42HWは下り最大7.2Mbps/上り最大5.8Mbpsの既存HSPA通信に対応する。タブレットデバイスのA01HWは3G通信機能を内蔵せず、ポータブル無線LANルータのPocket WiFiシリーズなどとセット購入するシーンを訴求する。

 あわせて、下り42Mbpsサービスを最大25カ月間3880円/月に値下げする「高速モバイルキャンペーン」、テザリングを含む定額データ通信(通常4580円/月)+通話定額オプション(通常1400円/月)を同じく最大25カ月間4580円/月とする「通話定額無料キャンペーン」も2011年7月1日に開始する。新モデルの大量投入と割引キャンペーンの実施で2011年夏商戦期での利用者・契約者増を図る考えだ。

 イー・アクセスの千本会長は「先の震災を機に、モバイル通信+ソーシャルメディアはもっとも重要な通信インフラとして最重視しなければならないと再認識した。今回はデータ通信、スマートフォン、タブレットの3カテゴリを一気に発表したが、特に“EMOBILE G4”と“タブレットデバイス”についてはより本格的に市場投入していくつもり。この夏モデルで日本を元気にしたい」と、今後、下り最大42MbpsのDC-HSDPAサービスとタブレットデバイスにいっそう注力する姿勢を示した。


photophotophoto 2012年3月までに下り最大42MbpsのDC-HSDPAエリアの人口カバー率を60%、同7.2Mbpsエリアを93%まで拡充する計画。それにともない、今回、主力機器であるPocket WiFiシリーズの“42Mサービス対応”も行うほか、EMOBILE 4Gの定額データ通信を最大25カ月、月額3880円で利用できるキャンペーンも実施する

 2010年10月に開始した下り最大42Mbpsの「EMOBILE G4」サービスの人口カバー率は、2011年3月時点で40%に到達したという。「(WiMAXサービスと比べても劣らないほど)かなり早いスピードでエリアを拡充させている。さらに2012年3月末までに60%達成を目指す」(イー・アクセス エリック・ガン社長)と述べ、同じくサービスエリア拡充中で、スペック上の通信速度も下り最大40MbpsとするWiMAXサービスを牽制した(なお、WiMAXの国内人口カバー率は2011年3月末時点で71%、同東名阪エリアに限ると99%)。

 WiMAXサービスへの対抗意識は、月額3880円とする「高速モバイルキャンペーン」にも表れた。UQコミュニケーションズが展開するUQ WiMAX(を含むNVNOの各サービス)は、月額3880円で展開する年間契約条件の定額料金プラン「UQ Flat 年間パスポート」が好評で、AtermWM3500Rなど無線LANルータも割引販売する手法を含めて利用者を増やしている。“にねんS/EMOBILE G4データプラン”契約時で、2年の継続利用を条件とする以外は実質同額のランニングコストを実現する。今回の発表では端末の具体的な価格や発売日は示されなかったが、主に“EMOBILE G4”サービス対応の無線LANルータ Pocket WiFi(GP02)とセット契約するシーンを想定し、「初期コストも含めてほぼ同じ価格帯で対抗できる」(説明員)という。

photophotophoto テザリング機能を標準搭載とするスマートフォンのラインアップを拡充するほか、初のタブレット「A01HW」も投入する。かつての「100円PC」のような販売方法で、通信契約により実質安価に機器を入手できる訴求を行う計画のようだ

 一方、3G通信機能を搭載しないタブレットデバイス「A01HW」は、数年前に流行し、イー・モバイルとしてもこれによりかなり契約数を伸ばした、いわゆる「100円PC(イー・モバイルのセット契約+2年契約を条件に、6万円前後のNetbook/ミニノートPCを0円〜100円に値引く、量販店実施の販売方法)」の再来を図るための戦略的なラインアップに据える。Netbookが流行した「インターネットサービスが普通に使える性能+手ごろな価格帯」のトリガーは、かつて100円PCを望んだ若年/ライトユーザー層と同様に、このまま2011年現在のAndroid搭載タブレットにも通じるという考えだ。Pocket WiFiなどイー・モバイル端末+通信契約とのセット購入でA01HWを例えば“100円”とするような販売手段を推奨すると思われる。

 最後は「音声サービス」。イー・モバイルはPocket WiFiシリーズやEMOBILE G4などを中心に主としてデータ通信に力を入れる通信事業者だが、音声サービスも展開することをアピールしたいという。Androoid搭載スマートフォンのラインアップ拡充に加え、データ通信プラン「スマートプラン」とともに条件付きの音声定額プランに申し込むと、通常は通話定額オプションで発生する月額1400円分を無料にする「通話定額無料キャンペーン」を実施する。「データ通信だけでなく、音声サービスももっと使ってほしい」(イー・アクセス ガン社長)。


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