基地局設置の観点を含め、WiMAX 2は「後方互換を完全に維持」する点もポイントの1つだ。既存のWiMAXユーザーも、WiMAX 2サービスの開始でそのまま恩恵が得られる。WiMAX 2対応のクライアント機器は「ミックス・モード」と呼ぶWiMAX/WiMAX 2双方の基地局とシームレスに通信できる機能を設け、WiMAX 2対応エリアではWiMAX 2基地局へ優先的に接続する。つまりWiMAX 2対応機器の増加によりシステム全体の容量アップが可能となる。「混んできたエリアにWiMAX 2基地局を置くことで、スッとオフロードできるイメージ」(野坂社長)。
料金イメージは「定額制となると現在の3880円/月(UQ Flat年間パスポートの場合)より上がると思うが、利用シーンによりデータ量と利用頻度が異なるため、デバイス別での従量制など使い方に応じた料金プランもじっくり練らなければならないと思う」(野坂社長)とし、WiMAX 2の高速性を受けつつも、定額制以外に帯域制限などを施した電波資源の効率利用とビット単価の低減を両立するプランを複数用意する考えを示した。
WiMAX 2対応機器は、米GCT Semiconductor製チップを搭載したUSBメモリサイズ、およびMini PCI Express型モジュールなどがすでに開発(2011年Q1〜Q2にエンジニアリングサンプル版チップ出荷)されており、2012年度Q1末をめどにコマーシャルサンプル版を出荷する計画としている。
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