UIの大切さを学んだ――スマートフォン向け「NAVITIME」アプリの進化に注目(1/2 ページ)

ナビタイムジャパンが開発したトータルナビゲーションアプリ「NAVITIME」といえば、ケータイナビの代名詞だが、スマートフォン向けのNAVITIMEも新しいユーザーインタフェースをまとい、とても使いやすく生まれ変わっている。かつてのNAVITIMEのイメージとは全く異なる姿に進化したNAVITIMEアプリを紹介しよう。

» 2011年09月05日 10時00分 公開
[神尾寿,PR/ITmedia]
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 NAVITIMEといえば、“ケータイナビ”の草分けであり、代名詞とも言える存在だ。2002年に世界初の携帯電話向けトータルナビゲーションサービスを開始して以降、この分野の牽引役であったことは言うまでもない。

 そしてNAVITIMEは“スマートフォン対応”も早期から取り組んでいた。マイクロソフトのWindows Mobile端末やノキアのスマートフォン(S60端末)、RIMのBlackBerryなど、黎明期のスマートフォンにも積極的にサービスを展開し、NAVITIMEのマルチプラットフォーム展開を進めてきたという過去がある。

 そのような中で、ナビタイムジャパンがいま注力しているのが、iPhone版とAndroid版のNAVITIMEである。同社は最初期のiPhone版NAVITIMEでユーザーから厳しい評価をされたが、その反省の元に総力を挙げて「スマートフォン版NAVITIME」を徹底改善。UIデザインを全面的に刷新して捲土重来を期す。さらにスマートフォンならではの新たな使いやすさにも注力している。

 NAVITIMEはiPhoneでの挫折から何を学び、“スマートフォン向け”としてどのような進化をしたのか。ナビタイムジャパン アプリケーション統括部 国内アプリ開発部部長の小嶋慶太氏、同グローバル戦略開発部 部長の田代和弘氏の話を聞きながら、スマートフォン版NAVITIMEを改めて評価したいと思う。

PhotoPhoto ナビタイムジャパン 開発本部 アプリケーション統括部 グローバル戦略開発部 部長の田代和弘氏と開発本部 アプリケーション統括部 国内アプリ開発部 部長の小嶋慶太氏

iPhone版の挫折から、UIの大切さを学んだ

PhotoPhoto 初期にリリースされたiPhone版「NAVITIME」は、ケータイとほぼ同じユーザーインタフェースを採用していた

 ナビタイムジャパンにとって、最初期にリリースした「iPhone版NAVITIME」は苦い思い出だ。投入は2008年7月。日本のiPhone市場がいまだ黎明期にあり、「iPhoneの成功」にまだ懐疑的な見方もある中で、同社はいち早くiPhone版アプリを投入した。しかし、その積極的な姿勢は、手厳しいユーザーからの評価という逆風にあってしまったのだ。小嶋氏は当時の挫折について、「あの時は『いかに早く出すか』を重視しすぎていた」と振り返る。

 「これは言い訳になってしまうのですが、我々のサービスの本質が『クラウド側のナビゲーション品質』にあることから、アプリ側のUIに対する認識が甘かったと思います。これはケータイユーザーの移行しやすさも考えてではあったのですが、過去のUI資産をあまり深く考えずに(iPhoneアプリに)継承してしまいました。しかし、iPhoneのように優れたUIデザインを持つスマートフォンでは、そのUIデザインの文化をしっかり理解する必要があったのです。その大切さを、多くのお客さまからの指摘で勉強させていただきました」(小嶋氏)

 AppleのUIはシンプルかつ直感的で分かりやすく、今までの携帯電話やスマートフォンとは一線を画すデザイン文化を持っていた。アプリに対する考え方も、日本の携帯電話アプリとiPhoneでは異なる。そこでユーザーに評価してもらうためには、UIデザインの再設計が不可欠。そう判断したナビタイムは、最初のiPhone版NAVITIMEの配信を停止して、アプリをゼロから作り直すことにしたのだ。「iPhoneユーザーの皆さんに教えていただいた教訓をもとに、もう1回チャレンジしたい。その気持ちで作り直しを決心しました」(小嶋氏)

 そして新たなiPhone版NAVITIMEが、2010年4月にリリースされた。写真を見てもらえば分かるとおり、この新しいNAVITIMEアプリはUIがとてもシンプルになり、すっきりとしたデザインに変わっている。

PhotoPhotoPhotoPhoto 新バージョンに生まれ変わったiPhone版NAVITIMEは、旧バージョンからユーザーインタフェース(UI)を見直し、iPhoneの“作法”で快適に動くようになった。新バージョンに触れたことがなければ、是非ダウンロードしてみてほしい

 「AppleのUIデザインやiPhoneユーザーの評価が高いアプリを徹底的に研究し、ナビゲーションバーで機能を徹底的に整理し、1画面で表示するメニューや項目の数を減らしました。アイコンも直感的に理解しやすく、一方で見た目に美しいようにシンプルにしました。これによって『タッチパネルで使いやすい』UIデザインにできたと思います」(小嶋氏)

 その変貌ぶりは、iPhone版NAVITIMEを使ってみればすぐ分かる。トップ画面は徹底的にシンプルに作られており、基本的な操作は(S)と書かれた「出発地点」と(G)と書かれた「目的地」を指定するだけ。ケータイアプリ版NAVITIMEだと先に目的地を検索・設定してから、メニューの遷移で出発地や検索条件、ルート案内の設定などを行っていたが、iPhone版では基本的な設定はトップ画面でひととおり行える。もちろん時間指定や探索条件の設定もできるが、これらはiPhoneで標準的な階層構造できれいに整理されているため、とても分かりやすい。歩きながらや電車で立ったままでも簡単に操作できるのだ。iPhoneの標準機能に近い使い勝手を実現しているため、利用していてストレスを感じることがない。

 「そして、もう1つ。我々がこだわったのはアプリの動作速度です。とにかく『サクサク動くこと』を重視しました。NAVITIMEは通信ありきのクラウド型ナビゲーションサービスですが、新たなiPhone版NAVITIMEの開発にあたっては、逆説的ながら『通信を減らす』ことを重視しました。アプリ側の処理やデータのキャッシュを増やすことで、サクサクと動く快適性を追求したのです。まだ改善の余地は残っていますので、動作の快適化、高速化を推進していきます」(小嶋氏)

 この“サクサク感”も、iPhone版NAVITIMEを使うとすぐに実感できる部分である。携帯電話向けのNAVITIMEやEZナビウォークと比較すると、各機能の切り替えや地図スクロールはすこぶる速く、とてもスムーズだ。標準の「マップ」アプリなど他の地図ナビサービスと比べても、小気味よいスピードで動作する。サクサク感にこだわり抜いたというのは、確かに納得の出来映えである。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年9月18日