NVIDIA、「Tegra 3」を正式に発表

» 2011年11月09日 15時00分 公開
[ITmedia]

グラフィックス性能は3倍に。3D Visionも利用可能

 NVIDIAは、11月8日(現地時間)に、“Project Kal-El”で開発を進めてきた「Tegra 3」を正式に発表した。また、ASUSのEee Pad Transformer PrimeがTegra 3を採用することを明らかにした。

 すでに、NVIDIAは、Tegra 3ことKal-ELの概要について、2011年の9月に公開している。そこで明らかにされたように、Tegra 3は、ARM Cortex A9で、低消費電力動作に適したトランジスタを採用するシングルコアARMと、高い処理能力を発揮できるトランジスタを採用するクアッドコアARMという、「1+4コア」の構成を採用する。

 また、低消費用コアと汎用クアッドコアの切り替え、さらに、クアッドコアの有効コア数の可変を実現するため、NVIDIAが独自に用意した「Variable Symmetric Multiprocessing」(vSMP)と呼ぶ技術と、駆動電圧に合わせて動作クロックを変更する「Dynamic Voltage and Frequency」(DVFS)を導入する。

 今回公開された概要によると、動作クロックは、汎用のシングルコア動作時で最大1.4GHz、クアッドコア動作時で最大1.3GHz、そして、低消費電力動作に適したシングルコア動作時で最大500MHzとなる。また、システムメモリでは、DDR3L-1500、LPDDR2-1066をサポートする。

NVIDIAが進めるARMベースCPUのロードマップ。Tegra 3はその第2段階となる(写真=左)。1+4コア構成で12コアのGeForce GPUを搭載するTegra 3は、Tegra 2と比べて、CPU性能で5倍、グラフィックス性能で3倍に向上する(写真=中央)。さらに、メモリ性能は3倍、ビデオ再生能力が2倍に向上。1080pの動画再生も可能になった(写真=右)

 Tegra 3におけるグラフィックスコアの構成は、「12コアを内蔵するGeForce GPU」としている。Tegra 3では、Adobe Flash Player 11、HTML 5、WebGLが利用できるほか、3D Visionによるステレオ立体視もサポートする。HDMI 1.4による映像出力によるステレオ立体視表示にも対応する。また、1080pを40Mbpsのレートで再生可能になった。NVIDIAでは、15タイトルのTegra 3対応するゲームが開発中であるとしている。

 NVIDIAは、Tegra 3の性能について、CPU処理性能がTegra 2の5倍に、同様にグラフィックス性能が3倍に、また、新しいイメージシグナルプロセッサの実装で2倍にそれぞれ向上し、かつ、動画再生処理における消費電力は61%削減してHDクラスの動画を12時間連続再生できると説明している。

Tegra 3を搭載する最初の製品としてASUSのEee Pad Transformer Primeが登場する予定だ(写真=左)。現在、Tegra 3対応ゲームが15タイトルで開発中という(写真=右)

利用できる描画効果を、Tegra 3搭載デバイス(写真=左)とそれ以外のデバイス(写真=右)で比較する。Tegra 3では、PC Gameに相当する描画が利用できるようになるという

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