「外も家もWiMAX」。固定インターネット回線の代わりに、WiMAXやXiなど高速な新世代モバイルデータ通信サービスを自宅でも活用する例が増えている。定額料金制で、自宅でも普通に使えると納得できる使い勝手なら、これ1つでいいじゃないか──というわけだ。
シンセイコーポレーション「URoad-Home」は、このような層に訴求できそうなWiMAXルータ“WiMAX Speed Wi-Fi”の新モデルだ。据え置きスタイルの屋内専用モデルとして、下り最大40Mbpsで通信量制限のないWiMAXによる高速インターネット環境を“面倒な工事なしに導入”できる点を特徴とする。
さらにURoad-Homeは、国内WiMAX機器で初となる「WiMAXハイパワー」対応モデルでもある。WiMAX機器は2011年4月の国内無線設備規則(技術基準適合証明)の改正で、WiMAX電波の送信能力とアンテナ利得(WiMAX電波の入出力に加えられるアンテナの増幅能力)の向上が可能となった。このWiMAXハイパワー仕様により、従来機器では「ギリギリ圏外の場所が接続可能」に、さらに「弱電界エリアのスループット性能も向上」する効果が得られるようになるという。
改めて本機の主な仕様を確認しよう。WAN側にWiMAX通信機能、LAN側にIEEE802.11b/g/n準拠の無線LANと100BASE-TX準拠の有線LAN×2を内蔵する、いわゆる無線LANルータだ。バッテリーを内蔵するポータブル型とは異なり、据え置き型として家庭用AC電源のみで動作する。
本体サイズは152(幅)×126(高さ)×70(厚さ)ミリ、重量は220グラム(スタンド込み)。ポータブル型のWiMAXルータより大柄だが、よくある個人向けブロードバンドルータよりはほどよく小型で、スタンドを底面から裏面へ付け替えることで壁掛け設置も行える。
無線LANは2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nをサポートし、最大10台の無線LAN機器を同時に接続できる(SSID1つあたり最大5台。有線LAN×2を合わせて最大12台)。無線LANセキュリティは64/128ビットWEP、WPA-PSK(TKIP/AES)、WPA2-PSK(TKIP/AES)で、別途SSIDステルスやMACアドレスフィルタリング、簡単無線LAN設定機能のWPSなど、基本的なものは当然普通に備える。
このほか、2つのSSID(無線LANアクセスポイント名)を使い分けられるマルチSSIDもサポートし、古いPCや家庭用ゲーム機はWEPで、PCは高セキュリティのWPA2-PSKでなどと分類する使い方も可能だ。100BASE-TX準拠の有線LANポートも2基搭載し、無線LAN機能を備えないデスクトップPC、あるいは家庭用テレビやレコーダーなどのネットワーク対応AV機器も活用できる。
ルータ機能には、DHCP範囲や静的ルーティング設定のほか、ファイアウォール系、DMZやポートフォワード設定、ポートフィルタ設定、ダイナミックDNSなど、小規模な自宅サーバ用途に活用できる設定も存在する。ダイナミックDNSは「dyndns.org」のみのサポートとなるのは少し残念。他社のサービスも任意に利用できればより好ましかった。
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