「ユーザーの求めに応え、市場を広げる」 シャープがフルラインアップ戦略を採る理由(1/2 ページ)

NTTドコモ向けの2011年冬モデルでは、先進的なタッチパネル搭載モデル、ケータイユーザーにも配慮したスライド式のテンキー搭載モデル、そしてハイスペックケータイをそろえたシャープ。ユーザーのことを常に考え、実直に使いやすい端末を開発し続ける同社に、製品作りにかける思いを聞いた。

» 2011年12月22日 09時30分 公開
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 シャープがNTTドコモの2011年冬モデルにラインアップした「AQUOS PHONE SH-01D」「AQUOS PHONE slider SH-02D」「AQUOS SHOT SH-03D」は、それぞれに特徴を持った端末だ。シャープのフラッグシップモデルに位置付けられるAQUOS PHONE SH-01Dは、大画面ディスプレイとタッチパネルを採用したAndroid™ 搭載スマートフォンの“正統派”モデル。一方AQUOS PHONE slider SH-02Dは、スライド式のテンキーを備え、ケータイのような使い勝手をAndroid 搭載スマートフォンで実現した意欲的なモデルだ。またAQUOS SHOT SH-03Dは、これまでのケータイの集大成ともいえる機能満載の回転2軸モデル。いずれもとても個性的だ。

 Android 搭載スマートフォンといえば、タッチパネル搭載のストレート型端末が大多数を占める中で、1シーズンでこれだけ多様なモデルを展開するメーカーはそう多くない。シャープには、ケータイ全盛の時代からさまざまな形状の端末を企画・開発し、ユーザーに届けてきた実績があるが、Android 搭載スマートフォンが急速に市場シェアを獲得する中でも、ユーザーが使いやすい端末の開発に余念がないのだ。こうして生まれた、シャープのDNAを継承しつつも、多様な形状・使い勝手を実現した端末の数々は、どういった経緯で開発されたのか。開発者に聞いた。

Photo お話を聞いたシャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部 主事の永井秀幸氏、商品企画部 主事の磯部穂高氏、商品企画部 部長の多伊良教文氏

ユーザーの“使い勝手”を重要視したラインアップ

 2011年冬のドコモ向けシャープ製端末の特徴は、「ユーザーに評価されている部分をより強化した」ことと、「ユーザーのニーズを捉え、それに合わせた商品を提供して市場を広げる端末」であること。既存のユーザーにはよりよい製品を、新たにスマートフォンを購入するユーザーには需要を創造する製品を作ることで、シャープ製品のユーザーを増やしていくという戦略だ。

Photo シャープのドコモ向けモデルは、回転2軸ケータイ「AQUOS SHOT SH-03D」(左)、大画面タッチパネルスマートフォン「AQUOS PHONE SH-01D」(中央)、スライドテンキー搭載スマートフォン「AQUOS PHONE slider SH-02D」(右)の3モデルを用意

 スマートフォン2機種とハイエンドケータイ1機種を投入する狙いをシャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部 部長の多伊良教文氏は「業界が大きくスマートフォンに流れていく中で、ユーザーのニーズも多様化している。そこで、さまざまな用途に合わせてコンセプトを構築している。各機種ごとに、ユーザーのニーズに応えられる提案をしていく」と話す。

 特に重視したのは「使い勝手」だ。これまでにも、シャープはケータイにTOUCH CRUISERのような新しいデバイスを搭載したり、CCDカメラやイルミネーションなどでさまざまな付加価値を提供したりと、その時々でユーザーが機能やサービスを快適に使えるよう、工夫を凝らしてきた。2011年冬モデルでは、ユーザーが最も使いやすいと感じられるスタイルを選べるようにして、好みに合わせた“使いやすさ”が手に入るように配慮した。

 「まだまだ進化させられるところはありますので、常に前を走り続けるSHでありたいと思っています。シャープのよさは“きめ細やか”なところ。流行しているものを横並びで載せていくのではなく、今までの積み重ねも生かしつつ、ユーザーの求めているものに応えられる端末を作っていきたいですね。『選んで安心』と言っていただける、そんな製品をこれからも作っていきたいです」(多伊良氏)

 IPX5/IPX7等級の防水性能とIP5Xの防塵性能を備える点や、省電力機能としてAndroid 搭載スマートフォンには「エコ技」機能、ケータイには「ecoモード」機能を共通して用意した点など、ユーザーが快適にスマートフォンやケータイを使えるように考え抜いた機能は、各機種に共通で搭載しているのも特徴だ。防水・防塵機能は水回りや雨の中でも気兼ねなく利用できる安心感を提供し、消費電力を賢く抑えてくれる機能は日常の中でユーザーの心地よさを提供する。

 ケータイと比べて、スマートフォンのバッテリーの持ちがよくないことは、ネガティブな点として注目を集めている。だからこそ、エコ技機能は「イメージを改善する手段として積極的に取り組んだ」と通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部 主事の磯部穂高氏は言う。エコ技は、視認性を保ちつつ、画面の明るさを環境に合わせてコントロールしたり、余分な通信を省いたりしながら、ユーザーが意識しなくても、より長い時間端末を活用できるようにする機能だ。

 「バッテリーの持ちは、3月11日の東日本大震災で、通信機器の重要性が改めてクローズアップされたこともあり、『いざというときに使えないのはよくない』という共通認識が醸成されました。そのため単純にバッテリー容量を増やすだけでなく、モバイル機器としての使い勝手やほかの機能との兼ね合いも踏まえた上で、一歩踏み込んで無駄を省く機能を用意しました」(磯部氏)

Photo シャープが独自に用意した省電力機能「エコ技」

 端末の高機能化にともなって、消費電力も増えているが、本体サイズの目標もあり、バッテリーを大きくするのには限界がある。そんな中での省電力機能は非常に大変なチャレンジだったが、ユーザーが「目に見えて困っているところ」(磯部氏)だという認識があったため、スタッフは一丸となって取り組んだ。

 さらに、複雑な設定をユーザーに委ねてしまうと、難しいと感じられてしまい、あまり活用されなくなる可能性もある。そこで設定の簡単さにも配慮し、新規にエコ技のウィジェットも用意して、ワンタッチでモードの切り替えを可能にしたり、節電効果を視覚的に表現したりした。

 SH-03D向けのecoモードも、起動条件を設定しておけば自動でモードが切り替わるなど、使いやすさを第一に考えつつ、消費電力を抑えてバッテリー駆動時間を延ばしてくれる。

 ユーザーにとって、場合によっては死活問題にもつながる、スマートフォンやケータイのバッテリー切れ。その問題を簡単かつインテリジェントに回避してくれる省電力機能は、シャープならではであり、端末の使い勝手も大きく向上する。

今、必要な機能をもれなく盛り込んだ「AQUOS PHONE SH-01D」

Photo AQUOS PHONE SH-01D

 このようなユーザーへの思いが詰まったシャープのラインアップの中で、AQUOS PHONE SH-01D(以下SH-01D)は、前モデル「AQUOS PHONE SH-12C」でユーザーから高く評価された液晶ディスプレイの美しさ、サクサクした操作感、高い処理速度をさらに進化させたハイスペックモデルに位置付けられる。

 シャープはもともと「液晶のシャープ」といわれてきたことからも分かるとおり、液晶に関しては深い蓄積とこだわりがある。多伊良氏は「スマートフォンが普及するにつれて、そのスタイルの中で、液晶が占める位置付けが大きくなっている。ディスプレイの重要性が高まる中で、最先端の液晶を搭載した製品をフラッグシップに据えた」とSH-01Dの企画の狙いを話した。つまり、ディスプレイの大型化が進む市場背景を見据え、液晶を中心に使い方を提案するモデルがSH-01Dということになる。

 SH-01Dでは、液晶のサイズを4.5インチに大型化し、解像度もHD(1280×720ピクセル)に向上。自社で液晶パネルを製造している強みを生かして、いち早く高解像度な大画面ディスプレイの搭載に踏み切った。またこうした高解像度かつ高精細な液晶の魅力を生かすためには、その上でアプリケーションを快適に動かせるハイパフォーマンスのCPUも必要になる。そこでSH-01DではデュアルコアCPU OMAP 4430(1GHz)を搭載した。またカメラにも強いこだわりがあったので、特徴として打ち出せる光学式手ブレ補正機能を備えた裏面照射型の1210万画素CMOSを採用した。

 デザイン面では、正面のほとんどのスペースをディスプレイが占める平面的な形状の中で、他社との違いを打ち出すべく透明感のあるボタンを下部に配置。そして厚さは10ミリを切る9.7ミリを実現した。それでいて、防水対応とバッテリー容量の増加などを果たしている。ディスプレイが4.5インチに大型化しながら、サイズはSH-12Cとあまり変わらないサイズにまで小型化させた。「片手で使えるサイズの中に、最大限のディスプレイを搭載しています。底面積に占めるディスプレイの割合は、おそらくこの冬のモデルの中で一番大きいと思います」と磯部氏は自信を見せた。

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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2012年1月8日