国内ニーズに応えたグローバルモデル ロングヒットもうなずける「Xperia acro」ITmediaスタッフが選ぶ、2011年の“注目ケータイ&トピック”(ライター太田編)

» 2011年12月26日 15時26分 公開
[太田百合子,ITmedia]

 2011年はAndroidを搭載したスマートフォンが各キャリアからどかどか発売されて、あっという間に市場を塗り替えてしまった。発売が10月までずれ込んだ「iPhone 4S」は、ソフトバンクモバイルに加えてKDDI(au)にも販路を広げ巻き返しているが、2011年はやはりAndroid陣営に勢いがあったという印象。それだけに記憶に残る機種も多かった。

スマホ新時代を象徴するか?――ドコモとauから登場した「Xperia acro」

photo 「Xperia acro」。au向けのIS11S(写真=左)、ドコモ向けのSO-02C(写真=右)

 2011年にAndroid陣営を牽引したのは、Samsung電子の「Galaxy」やソニー・エリクソンの「Xperia」といったグローバルブランドだろう。中でも、NTTドコモから登場した「GALAXY S II SC-02C」と「Xperia acro SO-02C」(ドコモ)、「Xperia acro IS11S」(au)は、ともに2011年を代表するスマートフォンと言える。どちらもグローバルモデルをベースにしながら、Galaxy S IIはワンセグ、Xperia acroはさらにおサイフケータイや赤外線といった日本仕様の“ガラスマ機能”を搭載。フィーチャーフォンからの乗り替えを求める国内市場のニーズに応えた。

 特にXperis acroは発売のタイミング(IS11Sが6月24日、SO-02Cは7月9日)が「モバイルSuica」のスマホ対応と重なり、販売台数の伸びにも多少なりと影響したのではないだろうか。モバイルSuicaでスマホのおサイフケータイ需要が一気に拡大したと思う。

 秋から冬にかけて発売された最新機種と比較すると、さすがにCPUや搭載メモリーなどの面で物足りないものの、12月からは「PlayStation Store」にも対応。独自のSNS統合機能や裏面CMOS採用のカメラなどもあわせて、魅力的な機能を備えており、販売開始から半年を過ぎてもなおのロングヒットもうなずける。

 またメインカラーこそ違うものの、スペックはもちろん、デザインもまったく同じ機種がドコモとauから同時にリリースされたことも、スマートフォンの新時代を象徴するようで印象に残った。

 このほか、ドコモのLGエレクトロニクス製の「Optimus LTE L-01D」も、ワンセグやおサイフケータイを搭載。グローバルブランドが続々“ガラスマ機能”を搭載したことは、今年の大きなトピックスのひとつだろう。

女性でも片手操作できる「INFOBAR A01」「AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH」

photo 「INFOBAR A01」

 一方、国内メーカーも秋から冬にかけてようやくエンジンがかかってきたのか、ここにきてグローバルブランドと比較しても、見劣りしない製品が出そろってきたように思う。実際に使用した中ではソフトバンクモバイルの「AQUOS Phone 102SH」(シャープ製)が、サクサク感と通信速度の両面でストレスの少ない仕上がりになっていた。ご存じのように102SHには、ドコモの「AQUOS PHONE SH-01D」という兄弟機が存在する。どちらも防水ボディに4.5インチのHD液晶を搭載し、カメラは約1210万画素。さらにガラスマ機能を搭載するなど、まさに全部入りのスマートフォンだ。もし今、友達に最新モデルでおすすめの機種を聞かれたら、この2機種をあげることになるだろう。

 ただし、相手が女性の場合は少々頭を悩ませることになる。なぜなら4.5インチのタッチパネルはもはや女性が片手操作できるサイズではなく、バッグの中でも相当に主張する大きさだからだ。

photo 「AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH」

 2011年を通して、サイズとデザインの両面で女性にも片手で操作しやすいと印象に残ったのは、auのiidaブランドから発売された「INFOBAR A01」と、ソフトバンクのシャープ製2つ折りスマートフォン「AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH」。特にINFOBAR A01の新色CHOCOPINKは、手に取ってみると本当にかわいくて、多くの女性に支持されること間違いなしだ。

 ただ残念なのは2機種とも、サイズの小ささがバッテリーサイズに直結していて、電池の持ちがいまひとつだということ。この2機種に限らず、バッテリー寿命はスマートフォンが抱える大きな課題で、この課題が解決されない限り、フィーチャーフォンから乗り替えられないと考えている人も多いはず。来年以降の技術革新に、ぜひ期待したいところだ。

UIの統一感が秀逸な「Windows Phone」

photo 「Windows Phone IS12T」

 最後にiOS、Androidに続く、第3の選択肢として登場した「Windows Phone」についても、少し触れておきたい。Android陣営の勢いとその後登場した「iPhone 4S」によって、結果的にはあまり存在感を発揮できなかったauの富士通東芝製「Windows Phone IS12T」。だが個人的には、色、サイズ感、防水などの見た目でも、またOSにWindows Phoneを搭載した国内初の機種ということでも、かなりインパクトのあった1台だった。

 まずWindows Phoneでは、画面にアプリのアイコンが並ぶという、iOS、Androidに共通するUIを採用していない。タイル状のホーム画面や縦横にスクロールするUIは、慣れるとかなり使いやすく、しかもほとんどのアプリでこのUIが徹底されていて操作性に統一感がある。PC向けの新OS「Windows 8」がこのUIを採用することがすでに発表されているが、そうなるとWindows Phoneの存在感も、今とは少し違ったものになるのではないかと期待している。

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