INFOBARならタイル型のテンキーがないと――そう思っている人に朗報と言えるモデルが、物理型のテンキーを備えたBARタイプの「INFOBAR C01」だ。iidaスマートフォンのINFOBARとしては2代目で、今回も深澤直人氏がデザインを手がけている。
製品名の「C」が「Classic」を意味するとおり、フィーチャーフォンとして開発されたINFOBARへの原点回帰が図られている。「INFOBAR A01」が3.7インチディスプレイを搭載したフルタッチスマートフォンとしてデザインされていたのに対し、INFOBAR C01のディスプレイは3.2インチと小さく、幅も約63ミリから約52ミリに細くなった。その姿はストレート型ケータイに近い。説明員によると、初代INFOBARが発売される前のコンセプトモデルはタッチパネル操作を前提に作られており、INFOBAR C01のコンセプトもこれに近いという。ケータイでおなじみのテンキーを搭載したこともあり、ケータイユーザーからの乗り換えが想定される。メーカーはA01と同じくシャープ。
ちなみに、INFOBAR A01のAは「Advanced」を意味する。現在はAdvancedとClassicのCの2つのシリーズがiidaスマートフォンで存在することになる。Classicの解釈の仕方にもよるが、今後も“CXX”のスマートフォンが登場するのなら、「talby」や「MEDIA SKIN」など、これまでau design projectから発売された他モデルのスマートフォン化も期待できるかもしれない。
外観は“溶けかけた飴”をテーマにした「INFOBAR 2」に似ているが、キーの形状はINFOBAR A01を踏襲。キーの1つずつが突起しており、キー面全体は凹凸がある。キーの長さはINFOBAR 2より短い。一方で気になるのが、INFOBAR C01では十字キーとその周囲のソフトキーを搭載しておらず、表面の物理キーはテンキー「のみ」となっていること。独立した発話・終話キーもなく、電話は基本的にタッチパネルで利用することになる。説明員によると、十字キーを搭載すると本体が長くなってしまうことから、今回は見送られたという。したがって、キーを利用できるのは文字入力、ダイヤル、ショートカット操作などに限られる。文字をテンキーで入力しても、変換候補から選ぶにはタッチパネルを使う必要がある。サイズを優先した結果とはいえ、ケータイのような操作性を目指すのなら、十字キーと発話・終話キーは欲しかったところ。MENU/ホーム/戻るキーはセンサー型になっており、ディスプレイの下に割り当てられている。
iida UIをINFOBAR A01から継承したほか、ロック解除画面で上下左右いずれかの方向にフリックすることで、設定した機能を呼び出せるショートカットを新たに用意した。ショートカットは着信履歴、発信履歴、Eメール、Cメール、カメラ、アドレス帳、ブラウザなどから設定できる。特定のアプリはここでは設定できない。加えて、テンキーの長押しで特定のアプリを呼び出せる「クイック起動」も採用しており、こちらはアプリを設定できる。ただし、0キーから検索、#キーからライト、*キーから伝言メモを呼び出せる仕様は固定だ。
INFOBAR A01との違いとして、3.7→3.2インチの小型化に伴い、ディスプレイの解像度がQHDからフルワイドVGAに下がっている。バッテリーの形状は違うが、容量は同じ1020mAh。スマートフォンとしては小さく不安が残るが、「INFOBAR A01よりも省電力化を実現している」(説明員)という。シャープ製端末ということで、通常/技あり/お助けという3つのモードから消費電力を抑えられる「エコ技」機能も利用できる。チップセットはINFOBAR A01と変わらず、1.4GHzシングルコア駆動のMSM8655。アプリ保存用のメモリは約1Gバイト。2GバイトのmicroSDと、Micro USB−3.5φ変換ケーブルが同梱される。OSはAndroid 2.3。スペック自体はINFOBAR A01と比べても突出しているわけではなく、auのスマートフォンとしてはミドルクラスに位置付けられると言っていいだろう。テンキーと大画面、どちらを優先するかが購入の決め手になりそうだ。
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