デジタルとアナログが融合――「GALAXY Note」で新市場の創出を狙うSamsung(1/2 ページ)

» 2012年03月28日 18時57分 公開
[田中聡,ITmedia]
photo 「GALAXY Note SC-05D」。ボディカラーはCeramic White1色

 サムスン電子ジャパンが3月28日、「GALAXY Note WORLD TOUR Japan」を開催し、ドコモ向け「GALAXY Note SC-05D」(4月6日発売予定)の特徴や利用シーンなどを説明した。同ツアーはロンドンを皮切りに、ジャカルタ、上海、ソウル、ドバイでも開催済みで、今回の東京が最後の開催地となる。GALAXY Noteは2011年9月にドイツで開催された「IFA 2011」で初めて公開されて以来、欧州、韓国、東南アジア、米国で発売された。サムスン電子ジャパン 代表取締役のチョウ・ホンシク(趙洪植)氏によると、2012年3月末で販売数は累計500万台に達する見込みだという。「革新的なモバイル機器でありながら、アナログなことができるGALAXY Noteを日本の皆様にもご紹介できることを、たいへん嬉しく思っている」と同氏は喜びを語った。

スペックではなく使い方で選ぶスマートフォンを提案

 海外で発売中のためすでにご存じの方も多いと思うが、GALAXY Noteは5.3インチのWXGA(800×1280ピクセル)有機ELを搭載したAndroid端末。Samsung電子はスマートフォンでもタブレットでもない新しいジャンルの製品として位置付けている。「たくさんのことをもっと速く、もっと自由にできればいいのにというお客様のニーズに応えるために、画質や速度の壁を破って実現した新しいカテゴリーの製品だ」とチョウ氏は話す。CPUは1.5GHzのデュアルコアで、2500mAhの大容量バッテリーも搭載した。ドコモ向けのSC-05DはLTEサービス「Xi」に対応する。チョウ氏が「アナログなこと」と話したように、付属のタッチペン「Sペン」を使って手書きや文字入力ができるのも大きな特徴だ。「Sペンを活用することで、Webページや写真、記事に自由にメモして共有もできる。GALAXY Noteが私たちの生活を、はるかに豊かで便利、そしてクリエイティブなものに変えてくれると確信している」とチョウ氏は力強く話した。またチョウ氏は、GALAXY NoteはSamsung電子が新しいビジョンと体験を提案できる企業に成長するための、最初の作品だとした。

photophoto GALAXY Noteを手にするサムスン電子ジャパン 代表取締役のチョウ・ホンシク氏
photo 「1.5GHzデュアルコアCPUとXiで速度の壁を越えた」と話すチョウ氏

photo NTTドコモ プロダクト部長 丸山誠治氏

 続いて、NTTドコモ プロダクト部長の丸山誠治氏が、スマートフォン市場におけるGALAXY Noteの展望を説明した。丸山氏は「ご存じの通り、昨年からスマートフォンへの急速なシフトが続いている。ドコモのスマートフォンの販売数も好調で、累計販売数は1100万台を超えた。GALAXYシリーズはGALAXY Sを皮切りに、ドコモのスマートフォンとタブレットをけん引している代表的なブランドの1つ。『GALAXYといえばドコモ』と思っていただけるようなラインアップを展開した結果、累計約250万台と大変ご愛顧いただいている」と、GALAXYがドコモにとって重要なブランドであることを説明した。今回GALAXY Noteを採用したのは「今までのスペックで選ぶスマートフォンから、使い方で選ぶスマートフォンを充実させるため」だという。「多様化したお客様のニーズに応える製品の1つとして、新感覚スマートフォン GALAXY Noteをラインアップに加えた」と語った。

photophoto ドコモのGALAXYシリーズは累計で約250万台が売れている(写真=左)。2011年〜2012年春モデルのラインアップにGALAXY Noteが加わる(写真=右)

Sペンでアナログな使い勝手も体感できる

photo サムスン電子ジャパン 専務の石井圭介氏

 サムスン電子ジャパン 専務の石井圭介氏はGALAXY Noteを「デジタルとアナログが融合したスマートフォン」とし、「新しい市場を創造したい」と意気込む。同氏も言及した“アナログ”は、GALAXY Noteの手書きによって体感できる。「私たちは、めまぐるしく移り変わる最先端と呼ばれる社会で生きているが、いまだにノートとペンを持っている。ノートPC、スマートフォン、タブレットをほとんどの皆さんが持っているとしても、ペンなどのアナログデバイスが、変わらず私たちの生活に貴重な役割を果たしている。GALAXY Noteは、ペンによるアナログな部分と、その感性までをも組み込んだデバイスだ」とアピールした。スマートフォン用のスタイラスペンは以前から存在するが、GALAXY NoteのSペンは「今まで使ったことのあるスタイラスのイメージを大きく翻す機能を持っている」という。Sペンは128段階で筆圧を感知し、万年筆やボールペンを使うように直感的に書ける。その使い心地は石井氏が「今まで使った入力デバイスの中では最高のものだと自負できる」と言うほどだ。

 手書きの文字やイラストを記録できる「Sメモ」は、他のアプリを使用中でも画面を2回タップすると呼び出せるので、思いついたことを手軽にメモできる。ペンの太さや色は自在に変更できるので、簡単なメモはもちろん、その気になれば本格的なイラストも描ける。スクリーンショットを撮った画面や写真の上に文字やイラストを書き込んだり、選択した画像を切り取って別の写真に貼り付けたりといった操作も可能。地図を切り取って待ち合わせ場所を指示する、気になる記事の一部を切り取ってスクラップする、オリジナルのバースデーカードを作る……など、さまざまな使い方ができる。会場にはSペンのデモンストレーターとして、漫画家の麻生我等さんが登場し、マンガ「サイボーグ009」の主人公・島村ジョーをその場でGALAXY Noteに描いて披露した。

photophoto 麻生我等さん(写真=左)がその場でイラストを描くデモを実施。韓国ソウルからGALAXY Noteの専任デモンストレーターも駆け付け、Sメモの活用例を披露してくれた
photophotophoto 麻生さんが描いた、サイボーグ009の島村ジョー
photo こちらの舞妓さんも麻生さんがGALAXY Noteで描いたもの

photophotophoto ペンの太さや色を選んで手軽にイラストを描ける
photophotophoto デモンストレーターが描いた花のイラスト(写真=左)。写真に上に、切り取った別の写真を貼り付けられる(写真=中、右)
photophotophoto 地図の上に印を付けて目的地を案内できる(写真=左)。プリクラ感覚で写真の上にメッセージを書き込める(写真=中、右)

 日本語入力も手書きをサポートしており、「7 notes with mazec」をプリインストール。平仮名、カタカナ、漢字を手書きで入力できる。平仮名を手書きで入力した後に漢字に変換することも可能だ。石井氏は「認識率が非常に高い。1文字ずつ大きさを変えても認識される」とアピールした。

 Sペンに対応したもう1つのアプリとして「Sプランナー」も用意。1日、3日、1週間、1カ月、1年ごとに表示方法を素早く切り替えられ、入力した予定はドロップ&ドラッグで移動できる。Samsung電子はアプリ開発者向けにSペン用のSDKを公開し、Sペン対応アプリの開発をサポートする。「新しいSペンアプリが続々と登場することを期待している」(石井氏)

photophoto 紙の手帳のように管理できるオリジナルのスケジューラーアプリ「Sプランナー」
photo 電話機でもタブレットでもない新しいジャンルのデバイスであることをGALAXY Noteのコンセプトにしている

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