KDDI、重大事故に関する総務省からの行政指導に対し報告書を提出

» 2012年03月30日 18時01分 公開
[園部修,ITmedia]

 KDDIは3月30日、2011年4月から2012年2月に発生した、通信障害など5件の重大事故に対して行われた総務省からの行政指導と、携帯電話通信障害対策連絡会からの総点検実施要請に対して、改善策と実施の結果を総務省に報告した。

 重大事故とは、以下の5つの事象を指す。

行政指導の対象となった事故の概要
日時 事象 影響時間 影響利用者数
2011年4月30日 スマートフォンのパケット通信が利用しづらい状況 8時間21分 約91万
2011年11月2日 携帯電話の音声通話、SMSが利用できない状況 7時間34分 約110万
2012年1月25日 携帯電話サービスと固定電話サービスが利用できない状況 3時間30分 約6〜8万
2012年2月9日 スマートフォンのパケット通信および法人向けパケット通信サービスが利用しづらい状況 2時間34分 最大約130万
2012年2月11日 携帯電話のメールサービスが利用できない状況 3時間24分 最大約615万

 こうした事故の発生を受けてKDDIは2月14日に、田中孝司社長が委員長を務める重大事故の調査委員会を設置した。

 総務省からは、

  1. 利用者や通信量の増加に適切に対応するための電気通信設備の配備
  2. 電気通信設備の故障等の発生に対応するための適切な予備設備の配備および監視体

制の構築

  1. 過負荷試験等を通じた輻輳防止
  2. 利用者に対する適切な対応

を踏まえて再発防止策を早急に実施し、その結果と今後の取り組みを報告するよう指導を受けた。

 また総務省の携帯電話通信障害対策連絡会からも、

  1. 冗長機能に不具合が生じないこと
  2. 設備の設計・設定・配備に誤りがないこと
  3. ソフトウェアに不具合がないこと
  4. 電源設備で障害が発生しないこと
  5. 不正プログラムの混入等がないこと
  6. 工事の際の手順に誤りがないこと

という要請を受け、設備や品質の確認と点検を行い、必要な対策を取った。

 この結果、3月23日にサービス復旧手順書の点検・整備を完了。3月26日には「冗長機能信頼性強化ガイドライン」を見直し、対象設備を拡大したほか、「設備受入れ評価ガイドライン」を制定した。また4月1日から、重大事故発生の抑止と発生時の影響極小化に向けた「特別通信対策室」と、電源設備の管理体制強化に向けた「電力インフラ対策室」を新設する。また顧客に対する情報提供フローの見直しを4月1日から実施するほか、社内連絡体制の強化、ソーシャルメディアを活用した故障情報の公開なども4月に開始する。設備の検証・確認作業も7月末までにすべて完了する計画だ。

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