食べたものを簡単に保存できるEvernote公式の「Evernote Food」のようなアプリをご存知でしょうか。私は食事療法を行っており、食べられるもの、食べられないものを常に記録しています。こういう自分のためには“食事ログ”が極めて重要なのです。
食事療法をやっている人はみな同じですが、食べてはいけないものを食べた後は健康「被害」がありますし、その食べてはいけない「程度」次第で「被害」のレベルが変わります。外食の記録はとりわけ大事です。あるものを食べて、もし「被害なし」だったら何度も食べることができます。最近は「入っているもの」を細かく知らせてくれるメニューが増えて大変ありがたいですが、全部が分かるわけではないのです。
ということで、食事ログを他人と共有することは興味がないのですが、自分のための食事ログを付けるために最近、冒頭のEvernote Foodを使っているのです。
Evernote Foodは「テンプレートに沿った入力機能が使える」「食事場所などの情報のみを履歴として一覧できる」「関連ノートなどを自動的に追加していってくれる」などが特徴のアプリ。
食事が健康に与える影響を観察するには、全食事の記録が残っていることが重要です。とりわけ、
食べたかの記録が必須。こうした記録が取れていないと、その後の健康状態からさかのぼれないからです。私の場合、「その後の健康状態」をEvernoteに記録していますので、食事ログもEvernoteに集約できることが利便性アップにつながります。そういう意味でEvernote Foodはありがたい存在。食べられるものに限りがあるわけですから、
という経験を得たら、また同じところに行きたくなります。行きたくなったらPCでもiPhoneでも即座に位置情報を探し出せるのもEvernote Foodのいいところです。
というわけでEvernote Food愛用中ですが、若干気になるところがあります。起動するとすぐに「ヘッダのダウンロード」が始まりますが、これがちょっと時間をとるのです。我慢できるレベルではありますが。同じように「同期」を始めて結構時間をとりますが、こちらはその間も操作できるのでそう問題はありません。
ただし同期に時間がかかると言っても「ちょっと気になる」という程度です。速度は気になるほど遅くはありません。送信先のノートブックを固定して、付けるタグも決めておけば、十分便利に使えるアプリです。
先月の連載で触れたアプリやサービスを振り返って、筆者がまだ利用しているかどうかを赤裸々に告白するコーナー「先月の木曜日」。先月はEvernote連係のライフログアプリ「iライフログ」でした。
これはまだ利用しています。使い方としてはジオフェンスによる自動収集です。このアプリは「自動的にログが残っていく」という点が一番の特徴なので、自分では残し切れない部分の補完のように使っています。
外出中にTaskchuteの代替えのようにできれば私にとっては一番いいのですが、単に自動ログ収集としてだけでも十二分に便利です。食事は記事で書いたとおりEvernote Foodですし、メモなどはもっぱらPathにしていますので、ある移動地点をiライフログがとってくれれば、特別な手間なく外出中の情報はかなり集まります。
「領収書をすぐ失くしてしまう」「ランニングはいつも三日坊主」「仕事の段取りが苦手」「読んだ本の内容が思い出せない」「ダイエットが続けられない」――。そんな日々のモヤモヤも、ライフログをつければ全て解決できます。そんなライフログの付け方を学べるのが本書『記録するだけでうまくいく』です。
ライフログとは、自分の毎日の仕事や生活、行動を記録すること。スマートフォンの普及とともに、近年急速に広まっています。「なんでも記録するのって大変そうだけど、何の役に立つの?」。そう思う人もいるかもしれません。
確かに、紙のノートに1円単位で収支を記録したり、ありとあらゆる写真を撮ったり、アルバムに整理したりするとなれば、膨大な時間とお金が必要です。しかし、スマートフォンがある今、写真はその場で撮ればOK。整理といっても「タグ付け」や「クラウドにアップロード」するだけなのです。
ライフログとは記憶のバックアップ。「体験を再生できる」「記憶力が良くなる」「仕事に役立つ」「習慣を作り、自分の成長につながる」「体験を共有できる」「整理できる」――。今まで仕事や生活に役立つとされてきた断片的な記録をトータルにバックアップしてくれるもの、それがライフログなのです。スマートフォンをお持ちなら、今日からでもライフログを始められますよ。
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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