ウィルコムから4月26日に発売されるセイコーインスツル製の「PORTUS WX02S」は、ソフトバンクモバイルの3Gデータ通信サービス「ULTRA SPEED」対応のモバイルWi-FiルーターにもなるPHS端末だ。
セイコーインスツルのPHSと言えば、通話専用というシンプルさを先取りした「X PLATE WX130S」や、Bluetoothの子機としてスマートフォン2台と組み合わせられる「SOCIUS WX01S」など、2台目3台目需要を強く意識した個性的な製品作りが特徴。このPORTUSも、ノートPCやタブレットとコンビで持ち歩く“話せるルーター”がコンセプトで、日本エイサーのAndroidタブレット「ICONIA TAB A200」とのセット販売も発表された。
PHSとしての機能は、通話とEメール(POP3/SMTP)、ライトメールの送受信、赤外線通信に絞られており、Webブラウザやカメラ、Java、Flashには対応していない。ULTRA SPEED対応端末としては、下り最大42Mbps/上り最大5.7Mbpsの通信が可能で、最大10台までのWi-Fi機器を接続できる。3Gの対応周波数は1.5GHz帯。なお、PHSを使ったデータ通信(メール送受信を除く)や3G網を使った通話は行えないが、PHSで通話しながら3Gのルーター機能を使うことはできる。
ボディデザインはストレート型で、十キーとソフトキー、ダイヤルキーというフィーチャーフォンらしいインタフェース。サイズは124(高さ)×50(幅)×15(厚さ:最薄部13.5ミリ)とPHSとしてはやや大ぶりだが、これはルーターが一体化していることに加え、大容量のバッテリーを搭載している点も関係しているのだろう。とはいえ、最近のスマートフォンに比べれば片手操作は簡単に行える。ボディカラーはホワイト、ブラック、ブルーの3色が用意されているが、ブラックはサイドやダイヤルキーの刻印にビビッドなピンクが使われていて、かなり大胆なカラーリングといえる。
ディスプレイには、約2.2インチのQVGA(240×320ピクセル)液晶を搭載。ブウラザやカメラがないため、メールやアドレス帳を確認するだけなら困らないサイズだ。モバイルWi-Fiルーターとしての設定も端末のみで行えるため、モバイルWi-Fiルーター専用機とは違った使い勝手を提供している。そのWi-Fi機能は専用に割り当てられたソフトキーから呼び出せるほか、右側面のスライドキーでもオン/オフが可能。PORTUSをバッグやポケットに入れたまま、手探りでデータ通信を開始できる。またスライドキーは上下2方向に動き、端末のロックキーとしても使われる。
バッテリーは1700mAhの大容量タイプを搭載。PHSとしては約1200時間(約50日)の連続待受時間と、約14時間の連続通話時間を誇る。一方の3Gでは連続4時間の通信が行える。Wi-Fi機能はもちろん3G機能そのものも設定からオン/オフできるので、PHSのみにしておくことで長時間の待受が可能だ。また、ルーター機能を一定時間使わない場合や、3G圏外になった場合に自動で無線LANをオフにでき、バッテリー残量が少なくなった際にPHSと3Gのどちらを優先させるかも設定できる。
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