AT&T版「Lumia 900」の実機を入手!――早速詳細をチェックななふぉ ITmedia支店(2/2 ページ)

» 2012年05月10日 08時00分 公開
[山口健太,ITmedia]
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日本向け仕様ではない

 日本語についても注意が必要だ。AT&T版のLumia 900は、日本語で使用することを基本的に想定していない。当たり前だが、あくまでも米国内ユーザー向けの仕様となっている。

 Windows Phone 7.5は、OSとして日本語の表示と入力に対応しており、基本的な日本語の使用には問題ない。しかしLumia 900の「表示言語」は英語とスペイン語しか選べないのだ。

 例えば表示言語として英語を選択すると、OSのメニューはすべて英語になり、日本語表示には中国語用の「Microsoft YaHei」フォントが使われる。多くの漢字やひらがなの表示には問題ないものの、一部では字形が日本語フォントのものとは異なり、違和感を覚えることになるだろう。

 そのため、IS12Tのような日本語用の「Yu Gothic」フォントによる表示を期待している人は、AT&T版ではなくグローバル版を待ったほうがよさそうだ。Lumia 900のグローバル版は5月中旬に発売予定で、最終的な仕様はまだ分からないものの、海外での展示機のレベルでは表示言語として日本語を含んでいた。

PhotoPhoto AT&T版では、日本語は中国語用フォントで、メニューは英語またはスペイン語で表示される。グローバル版のLumia 900では、「Yu Gothic」での表示ができた(写真は展示機であり、最終版とは異なる可能性がある)

発売直後にアップデートを配信

 米国では4月8日に発売されたLumia 900だが、発売直後に「一定の条件でデータ通信ができなくなる」という問題が発見された。Nokiaの説明によれば、メモリ管理の問題によるソフトウェア的なバグが原因であり、アップデートで解決できるとのことだった。しかしLumia 900の発売にあたってNokiaは「これまでのスマートフォンはどれもβ版だった」という挑戦的なキャンペーンを展開していた。そのため肝心のLumia 900に深刻なバグが見つかったことで、批判の声が急速に広まる恐れがあった。

 これに対するNokiaの対応は迅速だった。Nokiaは速やかに、(1)バグを修正するアップデートを1週間以内に配布すること、(2)アップデートを待ちきれない顧客に対して、店舗での端末交換に応じること、(3)バグ修正までの期間中にLumia 900を購入したすべての顧客に対して、AT&Tの料金請求を経由して100ドルを返金すること、といった対策を発表(参考リンク)した。

Photo Lumia 900最初のファームウェアアップデート

 AT&Tは2年契約時の価格として、Lumia 900を99.99ドルで販売していた。そのため発売直後に購入したユーザーは100ドルの返金を受けることで、実質的に無料で端末を入手できたことになる。

 最近、スマートフォンの新製品ではこのようなバグが発見されるケースが増えているが、発売直後に購入する熱心なユーザーほど「貧乏くじ」を引かされる可能性が高いという傾向にあった。しかしNokiaの手厚いサポートには、早期導入したユーザーに損をさせないというポリシーが感じられる。ここまでしっかりした対応ができる企業の製品なら、ユーザーとしても安心して新製品を購入できるのではないだろうか。

 もちろん、本来であれば十分なテストをした上で発売するのが大前提だが、他のメーカーにもこれくらいの対応を期待したいところだ。

アジアでは「Lumia 610」も発売

Photo 「Lumia 610」には4色のカラーバリエーションが用意されている

 Nokiaの次の一手は、2月にバルセロナで開催されたMobile World Congressで発表した低価格端末「Lumia 610」の展開だ。

 Lumia 610は、600番台というモデルナンバーが示す通り、Nokiaのラインアップではローエンドに位置付けられる。NokiaはLumia 610を若者向けに売り込むことを計画しており、4色のカラーバリエーションを用意している。

 NokiaはLumia 610をまずアジア市場に投入すると発表しており、4月末にはフィリピンで発売された。契約の不要なアンロック版が日本円で2万円前後という、スマートフォンとしてはかなり手頃な価格となっている。香港や台湾、シンガポールなど、その他のアジア地域でも順次投入が始まりつつある。なお、第3四半期にはNFC対応版の発売も予定されている。

 筆者の手元にも5月上旬にはLumia 610の実機が届く予定だ。次回はLumia 610のレビューをお届けしたい。

著者プロフィール:山口健太

Windows Phoneに関するニュースやアプリ、開発者向け情報を扱うブログ「ななふぉ」(http://nanapho.jp/)管理人。Tipsやハックに加え、Marketplaceの分析や海外取材も好評を得ている。Twitterは@tezawaly。ななふぉのFacebookページ(https://www.facebook.com/nanapho.jp)も公開中。趣味は自転車旅行。


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