テザリング対応スマホ4機種の「通信速度」と「連続使用時間」を検証テザリング徹底比較(後編)(2/2 ページ)

» 2012年05月24日 20時32分 公開
[小林誠,ITmedia]
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テザリングの連続使用時間を計測

 テザリングの連続使用時間は公開されておらず、実際にどれくらい使い続けられるのかが気になる。そこで今回テストしたスマートフォンのテザリング使用時のスタミナをテストした。各端末の省エネモードをオフにして、画面の明るさは手動で調整して中くらいに、GPSを有効にした。ノートPCと接続して、残量100%から0%になるまで計測を続けた。ただしノートPCは1台しかないため、異なる日に計測した。計測日時は4月中旬の17時から。場所は筆者の住む横浜の住宅街で、少々奥まった部屋だが、特に通信が混雑する要素は周辺になく、毎日通信状況は同じと考えていいだろう。

 測定結果は以下の通り。

SC-02C SC-03D ISW11SC GS01
通信方式 3G LTE WiMAX 3G
バッテリー容量 1800mAh 1850mAh 1850mAh 1520mAh
連続テザリング時間 5時間20分 4時間30分 7時間 6時間45分

 ISW11SCが7時間と最長だ。約15分で2〜4%消費していく。通話や他の操作をすると、これほど持つことはないだろうが、同じバッテリー容量のXiのSC-03Dと比べても長いので、ISW11SCはスタミナ重視の人に向いているだろう。イー・モバイルのGS01はここでも健闘した。バッテリー容量は小さいが、6時間45分はISW11SCに迫る。バッテリーが30分まったく消費しないときがある一方で15分間に7、8%を消費したりと不安定なこともあったが、結果的には長持ちした。

 SC-02CとSC-03Dを比べると、FOMAのSC-02Cの方が長持ちしており、Xiのバッテリー消費が早いという評判通りの結果となった。他社の2機種にスタミナで差をつけられたが、それでも4〜5時間程度のスタミナがあるので、ヘビーユーザーでなければ「ルーターを買うよりスマホのテザリングで十分」という人は多いのでは、と思う。

料金、速度、スタミナから――どのテザリングスマホを選ぶべきか?

 2回に分けて各社のテザリングを比較してきたが、総合的にはイー・モバイルのGS01が優れているのではないだろうか。料金は安く、通信も3Gの中では速く、スタミナもある。ただし圏外になった場所もあったように、同じ3GでもドコモのFOMAのほうがつながるケースはあり得る。

 ドコモのFOMA・SC-02Cは定額料の上限が高く、連続使用時間も劇的に長いわけではないので「テザリング機能」は選定理由にはなりにくい。ただし3Gエリアは広いので、たまの出張でルーター代わりに使うといった人には良いだろう。テザリングはあくまでおまけ。ライトユーザー向きと考えよう。

 Xi対応のSC-03Dはスタミナが一番気になるところだが、4時間30分では「毎日よくテザリングを使う」という人には辛いだろう。通信速度も期待したほどの数値は出ない場所があったが、これから広がっていく地方ではXiが一番速い場所も出てくるだろう。料金も比較的安いので、日本全国を飛び回るビジネスパーソンには良さそうだ。

 +WiMAX対応のISW11SCは、通信速度とスタミナという、ヘビーユーザーに好まれそうな部分が好印象。夏モデルの発売が近づけば、毎月割がさらに増額されることも期待できる。そうすればトータルコストが下がり、ドコモのXiとほぼ同じくらいの料金になるのではないだろうか。GS01よりは料金をそれほど気にしないヘビーユーザー、あるいは今後の端末価格次第でライトユーザーにも良いはず。「WiMAXを常用するわけではない」という人には「WiMAXをオフにできる」点も便利だ。

 夏モデルでさらにテザリングができるスマートフォンが増えた。端末は違っても通信速度や料金(トータルコスト)はキャリアごとにある程度共通しているので、「テザリング対応スマホ」の購入を検討している人の参考になれば幸いだ。

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