6月20日から22日まで中国の上海で開催されている通信業界の展示会「Mobile Asia Expo」のZTEブースでは、同社の最新製品が展示されている。
最もハイエンドなスマートフォンが、発表されたばかりの「Grand X LTE(T82)」。LTEに対応するほか、ZTE製品として初めてアプリケーションプロセッサとベースバンドチップを1チップにしたQualcommのSnapdragon S4「MSM8960」(1.5GHzデュアルコアCPU)を採用しており、同社は「操作スピードとエネルギー効率に優れている」としている。また、Grand X LTE(T82)のLTEはTD-LTEとFDD-LTEの両方をサポートしており、キャリアごとに両対応、またはTD-LTE・FDD-LTEどちらかに対応したものをカスタマイズするという。チップセット(MSM8960)がTD-LTEとFDD-LTEを両方サポートしており、「両対応のチップの量産がまもなく開始する」(ZTE)とのこと。中国ではTD-LTEとFDD-LTE対応の基地局の試験運用が始まっており、同国でTD-LTEとFDD-LTE対応のデュアルモデルが発売される可能性が高い。
65(幅)×131(高さ)×11.2(厚さ)ミリのボディにAndroid 4.0、QHD表示(560×960ピクセル)対応の4.3インチTFT液晶、1900mAhのバッテリー、800万画素カメラを搭載。2012年代3四半期(7〜9月)にアジアや欧州で発売される予定。ZTEの「Grand」は、同社のミドルレンジ〜ハイエンドクラスのスマートフォンに冠され、今後もシリーズ化していく。
同じく「Grand X LTE」の名を冠するモデルとして、中国のTD-SCDMAをサポートする「U970」も展示されていた。こちらはLTEには対応しないほか、厚さが9.9ミリ、バッテリー容量が1600mAh、CPUが1.2GHzデュアルコアなど、T82とはスペックが異なる。またCDMA2000 1x/EV-DO Rev.AをサポートするGrand X LTEの「N970」もラインアップしており、こちらも厚さは9.9ミリと薄い。チップセットはSnapdragon S4の「MSM8660A」(1.5GHzデュアルコアCPU)。Grand X LTE(T82)のUI(ユーザーインタフェース)はAndroid 4.0ほぼ標準のままだったが、U970とN970にはZTE独自のカスタマイズが加えられており、ロック解除画面のショートカット設定(6つ)、通知バーからWi-Fiやマナーモードの設定、ホーム画面のシートのサムネイル表示、アプリトレイからアプリをアンインストールなどが可能だった。発売時にはGrand X LTE(T82)もこちらのUIに統一されるのかもしれない。また、U970とN970の表面にはMENU/ホーム/戻る/検索キー(センサーキー)が搭載されている。
LTE(FDD-LTE)やDC-HSDPAをサポートするモバイルWi-Fiルーター「MF91」、LTEとAndroid 4.0対応の10インチタブレット「V96A」も展示されていた。タブレットについては、7インチのディスプレイにクアッドコアCPU(Tegra 3)を搭載する「T98」もラインアップし、こちらは中国のTD-SCDMAをサポートする。ただ、スマートフォンの「Grand」のようなブランドはタブレットには付けられていない。
ZTEが日本のソフトバンクモバイル向けに供給している端末もいくつか見られた。やや控えめ(?)ながら防水性能をアピールしていたのが「STAR7 009Z」ベースの中国向けモデル。外観は009Zとほぼ同じで、展示されていたグリーンの端末は009Zの「ネプチューングリーン」にやや近い。中国市場では「防水性能はそれほどポピュラーではないが、優れた機能だと思う」と説明員は話していた。さらに、同じくソフトバンク向け「みまもりケータイ2 101Z」の海外向けモデルも展示されていた。「中国など海外での発売は未定」(説明員)とのこと。
Windows Phone 7.5搭載モデルについては、中国向けには「V965W」、アジア向けには「orbit」、英国向けには「Tania」の3機種を投入している。
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